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破壊者_全ての敵を破壊せし復讐/デストロイヤー_ペネトレイト・ヴェンジェンス  作者: D-delta
第一章 世界の裏と奥底の真実に隠れた憎き仇敵、復讐すべし

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▽4・2 現体制派・微笑ましく、微笑みが響く

 森空基地の制圧が完了してから後日。

 現体制派の正規軍と反体制派の反乱軍、両軍による戦争は本格的になっていく。

 その裏に隠された〝計画〟はヨシノリを見定めながら進んでいる。


  ※


 ヨシノリたち第一一三重装甲機兵中隊に占拠された森空基地にて。

 森空基地が完全に現体制派のものとなり、元から乗り気でなかった反乱軍の捕虜を自軍の戦力として再編成している頃合い。


「タキ一等兵!」


 休憩中のヨシノリを元気に呼ぶ声が聞こえてくる。


「ラウラ上等兵?」


 声の方を向けば、ラウラを筆頭に三人娘が来ていた。


「タキ一等兵って、いつからユリ隊長と付き合っていたの?」


 そしてラウラからの唐突な質問。


「ちょっとラウラ、単刀直入過ぎ! もっとオブラートに包みなさいよね!」

「ごめんね、タキ一等兵」

「いえ、別に……」


 ハートとナコはフォローするように質問をぼかすが、質問の内容は既にラウラの口から出てしまって隠せていない。


「それでタキ一等兵? ユリ隊長とはいつからなの?」

「そうそう、いつから?」


 そのまま改まってハートとナコも問う。

 三人娘はヨシノリとユリの関係に興味津々。

 いわゆる恋バナが始まった。


「ち、違っ! 俺とユリ少尉は別に付き合っていませんから!」

「えー本当? ユリ隊長をあんなに抱いていたのに?」

「それは色々なことがあったので、二人で慰め合っていた……というだけです」


 ヨシノリの答えた内容に噓はない。

 恋愛感情抜きで、ただユリと触れ合って辛いことを忘れていただけである。


「慰め合っていた、ね。タキ一等兵のスコア、たくさん増えたものね?」

「あ……ごめんね。辛かったよね?」


 増えたスコア。それだけ人を殺したということ。

 恋バナから一転、話が重くなる。


「大丈夫ですよ。そんな気にしないでください」

「本当に大丈夫? タキ一等兵は私たちの弟分みたいなものなんだから、私たち姉貴分に甘えたっていいんだぞ」


 それに対してヨシノリが重くならないように答える。するとラウラはヨシノリの肩に手をやり、抱き寄せて密着。まさしく姉貴分という風な振る舞いを見せた。


「俺、後一年経てば成人なんですから甘えるなんて……」


 弟分と言われ、甘えても良いと言われても、ヨシノリは恥ずかしさが勝る。


「なに言ってんだよ! ユリ隊長とはあんな濃密に慰め合ってた癖にさ!」

「いや別にそこまで濃密なことは!」


 重い話から恋バナに戻ってくる。


「噓おっしゃい! 聞かせてもらうわよ、ユリ隊長との関係を!」

「そうそう! 明確に聞かせてもらうまでは、逃がさないよ!」


 このタイミングを逃すまいと、ハートもナコも密着。ヨシノリを確保した。


「本当にそういうのではないんです!」


 そう言って素直に聞き入れる三人娘ではなく、密着した状態から退くことはない。

 だからといって力任せに退かせば怪我をさせてしまう。

 ヨシノリは抵抗出来なかった。


「本当なんですから!」

「ヨシノリ君! 指令が届いています、こっちへ!」


 三人娘を怪我させないようにじっとしたまま否定を続けるだけのところに、ユリの隊長命令が響いた。

 これには従わないといけない。三人娘は仕方なくヨシノリから離れる。


「ふふん、愛しのユリ隊長がお呼びだよ?」

「行って来なさい、タキ一等兵。でも後で、ちゃーんと聞かせてもらうからね?」

「そうだよ! タキ一等兵!」


 背中を押す三人娘の茶化しと問い詰め。

 ヨシノリは「……はい」と微妙に返事だけして、ユリのところへ行く。


「盛大に絡まれていましたね、ヨシノリ君?」

「はい、中々答えづらく……」

「フフフ……ハッキリ答えても、私は構わないですよ?」


 ユリは目を細め、誘うような表情をする。

 それは戦いと復讐ばかりで、青春の戸口に立ったばかりのヨシノリには刺激が強いものだった。


「そ、それよりもユリ少尉! 指令というのは?」

「うふ……指令については私も詳しい内容は知りません。ただヨシノリ君とノア軍曹と共にハイロウ要塞へと出向せよ、とのことです」


 話を変えるように指令の内容を尋ねると、ハイロウ要塞の名が出る。

 それは日本領とアメリカ領の領海の境目に位置する海上要塞の名。海上から衛星軌道上の目標を攻撃出来る大型レールキャノンを備えた『ヘキサ』防衛の(かなめ)の一つだ。

 そんな重要施設へ出向せよ、との指令であった。


「では、ナコ伍長たちはここに残すのですか?」

「そうですね。一時的にフォックス小隊の指揮権をナコ伍長に託すことになります」


 三人娘は来ない。

 なぜかヨシノリ、ノアとユリだけが出向に指名されている。


「なんで俺たち三人だけ……」

「ともかく指令は指令です。行きましょう、ハイロウ要塞へと」

「そうですね」


 なにを意図しての出向か?


「実戦結果を得られて早々、やはり奴らはヨシノリを求めるか……」


 その隠された意図をノアの独り言が告げる。

 ヨシノリとユリは隠された意図もなにも知らず、出発を待つノアと合流。

 空中戦闘仕様に換装した、それぞれの『ベースドアーマー』に乗り込んで飛び立つ。

 微笑みの響くハイロウ要塞へと。

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