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世紀の大泥棒、異世界へ行く!

初投稿作品になります。

泥棒と探偵ものが好きでして、書いちゃいました。

現在ストック製作中で、一気に投稿されると思うのでぜひブックマークなどでお待ちいただければありがたいです☺️

俺に盗めないものはぜっったいない。変装にピッキングにコンピュータ関連。全ての知識、技術は手に入れた。芸術とも言える俺の技術、国家機密から国宝までなんでも盗んできた。

今回の計画にも隙はなかった。そのはずだったんだけど…。いやーしくったなー!!


〜東京都国際犯罪刑務所にて〜

「ご機嫌はどうかな、荒瀬斑瑠(あらせはる)くん。」

 俺の目の前に立ついかにも女にモテそうな端正な顔つきに長身の男。俺の宿敵であり、俺をここに閉じ込めた張本人。

家津四六(いえずしろく)である。


「やっと俺を逮捕できてご機嫌なようだなぁ?名探偵気取りの兄さんよぉ。俺を追い続けて早5年かぁ、よくがんばりまちた!!」


皮肉をたっぷりこめたつもりだったが、家津の表情はぴくりともしない。


「あぁ、申し訳ない。檻の中からだと何を言われても動物園を見ている気分になるんだよね、餌は足りてるようでよかった。」


(こいつマジで嫌い。いつか絶対こいつの家のエロ本でも盗んで世間に公開してやる。)


文句でも言おうとした矢先、家津が口を開く。


「反論を考えているところごめんね。今日来たのは君にお知らせをしに来たからなんだよね。

 単刀直入に言うね。君、このあと死ぬかも。」


ん?今なんて言った?俺が死ぬ?なんで??


「おいおい、いくら俺が天才でかっこいい泥棒だからって、窃盗程度じゃ死刑はあり得ねえだろ!俺を驚かそうたってそうはいかねえよ、モテ探偵さんよ!」


家津はくくくっと顔を下に向け笑っている。意外とツボが浅いのか?


「モテ男探偵(笑)。褒めてくれてありがとね。君の言うとおり、この国の法律では君を死刑にするのは難しい。つまり、法律で君が殺されるという話ではない。

 そして、さっき僕が言ったことに追加の情報がある。君だけではなく、僕も死ぬかもしれないんだ。」


???

 いよいよ訳がわからなくなってきた。俺という天才犯罪者を捕まえた、名誉あるこのモテ探偵も死ぬ??

 法律でもなく、お互いに殺し合うわけでもない。なぜ俺もこいつも死ぬことがあるだろうか。

 ほんの数秒頭を回転させ、一つの可能性に至った。

「ムラサキコーポーレーション絡みか…?」

家津はふぅと息を吐き、答えた。

「御名答。流石に頭の回転も少しは早いね。僕には劣るけど。」


 ムカつく余計な一言はさておき、ムラサキコーポーレーションとは、今回俺が盗みに入った日本有数の大企業だ。ゲーム開発を主軸としており、数多くのヒット作を持つ。ゲーム業界だけで考えると誰もが知る大御所といった存在だ。

 そして先日、近日中に人気タイトルRPGの最新作を発表するという記者会見があった。

 世界的に人気なゲームゆえに、注目度はかなり高い。俺はゲームには興味ねえが、今回は匿名の依頼で開発データを盗んで欲しいというものだった。俺クラスでもウキウキするほどの破格の報酬だった。依頼主はおおかた、ライバル企業か金持ちのマニアと言ったところだろうか。

いざ盗みに侵入したものの、モテ探偵の罠にハマっちまい今に至る。収穫なしってこった。

セキュリティも過去最高峰なものであり、唯一俺が目にすることができたのは、ゲームの台本?のようなものだった。見たと言ってもほんの1ページに満たないゲームのストーリーの序章だ。正直大した情報ではないとは思うが…。

 モテ探偵は何か知ってるようだし、探ってみるか。

俺の意図を察したかのようにモテ探偵が口を開いた。

「何か期待しているようだけど、詳細は言えない。僕と君は死ぬかもしれない。これは確かな筋からの情報だよ。犯罪者とはいえこれくらいは、伝えておいてあげようかなとね。」


「いや、意味がわかんねえよ!盗みに入った俺だけならまだしも、お前も死ぬかもしれないって…。

 ムラサキコーポーレーション…。俺だけならまだしも、お前まで殺されるってことは盗みに入ったことが原因ではないな?てことは、何かしらムラサキコーポレーションに不都合があったってことか…。と、なると…」


「はい。そこまで。」

モテ探偵が口を挟んできた。

「君とディスカッションをするために、僕はこんな辺鄙な場所に来たわけではない。ただ君に伝えにきた。それだけだよ。」


そう言い家津は背を向け歩き出した。

「ちょちょ、まてい!モテ探偵!まだ話の続きだろうが!」

「ごめんね、ザコ泥棒くん。時間がないんだよね。僕にはやることがあるんだよね。君は動物園にいるから暇なんだろうけど(笑)」


ざ、ザコ泥棒?!俺に向かって?!

こいつマジでエロ本盗んでやる。


そんな俺の怒りも気にせず家津はそさくさと出口に向かって歩いていく。


「おいおい!!ちょまてよ!!!おい!」


「まぁ、次会う機会でもあったらまた捕まえられなかったね。とでも言ってくれたまえ。」

ガチャン…。


まじで出て行きやがった。

てか、何。死ぬかもしれないだけ言いに来たって。嫌がらせ?

あいつほんと嫌い。


-東京都国際刑務所-

[午後6時]

 晩飯を食べながら今日の話を振り返る。

ちなみに、今日はエビフライだ。こんなの出るん。大好物です。

さて、考えるべきポイントは3つ。


1つ、俺とモテ探偵が死ぬかもしれないという事。

2つ、俺らは何かしらムラサキコーポレーションから恨みを買った、もしくは不都合な存在である可能性があること。

3つ、そもそもモテ探偵の言っていることが、嫌がらせで嘘という説。


さぁ、どれから考えようか。そもそもあの胡散臭いモテ探偵のことだ。信用するに値しない気もする。うざいし。

3つ目がなんなら一番、現実的な気がする。この東京都国際刑務所、日本最強の牢獄に暗殺者を忍び込ませるのも無理がある。

あれ、嘘な気がしてきた。

もし俺が相手の立場で俺を殺すならどうする??

厳重な守りを突破して、かつ俺に警戒されないようにか…。

あっ、俺の大好物に毒を混ぜて食わせるとかいいかもしれねえな。警戒心も薄まるだろうし。


考えすぎて頭痛くなってきた。んー、痛いな。


ん?痛すぎじゃね?これ?


「てか、このエビフライ。俺の大好物じゃね?」


そう思った刹那。俺の意識は消えた。


—————————————————————————


「頭がいたぁぁぁぃい!!!!!」


勢いよく体を起こし叫んだ。


(いたぁい いたぁい いたぁい)


こだまが聞こえる。肌寒いし、風強いし、なんて日だ!


ん?こだま?風?


あれ…ここどこ??ん?あれ何…?


辺りは木が生い茂り、近くにはサラサラと音がしそうな綺麗な小川が流れている。そして200メートルほど向こうには飛び跳ねているカエルのような何か。

なぜ何かなのかを教えよう。なんというか、くっそでかい!!!


まじでわけわからん…。ここどこ?あれだれ?

とりあえず顔を洗おう。なんかほんとよくわかんない。


バシャッ。


顔を濡らしても目が覚めない。うん、夢ではない。


揺れる水面に映る、黒髪の目つきの鋭い青年。いかにも悪巧みしてそうな顔つきだ。

まぁ、俺ほどじゃないけどイカしてるじゃねえか。

立派な犯罪者になるんだぞ!

ん?


え?誰これ?


「え、誰これ。」

ここまで読んでいただきありがとうございます!

ストックが溜まり次第順次投稿しますので、星評価やブックマークをしていただいてお待ちいただければありがたいです!

次回のお話で会いましょう!次はヒロイン登場かも…。

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