日記29 青薔薇の女王 ②
注意※分かりにくい表現、誤字脱字があるかもしれません。そして唐突な戦闘などがあります。「そんな駄作見たくねぇよケッ!」と言う人は見ないでください。
ご了承下さい。
ブルーヴィー。そこはジーヴルの故郷でもある。そして、世界で唯一、青薔薇の女王の被害場所である。
そして、ギルドの研修生達は、そのブルーヴィーを囲う結界の外に待機していた。
この日が過ぎれば、研修生は各々の旅路に戻る。今日が最終日だ。
「ある程度の話はジーヴルから聞いている」
防寒具を各々に配っているアルフレッドさんに、フロリアンさんがそう言った。
私達の前にはソーマさんとヴィットーリオさんもいる。
「……成程、だが一応説明はしておこう」
毛皮で作られている防寒具を着込むと、ソーマさんが話を始めた。
「さて、最終日だが、この指令を無事達成することが出来れば、晴れて研修終了だ。討伐対象……いや、討伐じゃ無いな。……何と説明すれば良いのか。まあ、大体の事情は知ってるみたいだからな」
ソーマさんは微笑みながら口を動かし続ける。
「三ヶ月、お前達は強くなった。それこそ英雄と世間様が持て囃すくらいにはな。……だからこそ、聞きたい。どうやって青薔薇の女王を諌めるつもりだ。殺せばジーヴルは死ぬ。そして主を失った冬の魔力が放出され、この世界には凡そ五百年の冬が訪れる。勿論そうならない様にギルド、そしてリーグは対処している。だがこのまま放置を決めるなら、ジーヴルと言う人格は死ぬ。実際、ここでジーヴルを殺すのが、一番簡単で、犠牲が少ない方法だが」
「それを答える前に、聞いて良いですか」
「何をだ」
「リーグが青薔薇の女王を、ジーヴルさんを保護した理由です」
ソーマさんは私の問い掛けに僅かに悩んだ。……だけど、答えて貰わないと困る。ジーヴルさんの願いだ。
「……良いだろう。……だが、全てを話すことは出来ない」
すると、ジーヴルさんがつい声を出してしまった。
「それは、リーグの機密情報絡みですか」
「ああ、そうだ。……賢いお前のことだ。ルミエールとメレダの二人がやって来ていることから、只事では無いってことは分かってるんだろ?」
「ええ、勿論」
「……青薔薇の女王、その悲惨な生涯は、俺達の王も酷く悲しんでてな」
紡がれたソーマさんの言葉は、何だか物悲しい空気を感じさせる。
「故に、星皇は青薔薇の女王と向日葵の女の犠牲を今後一切起こさない様に、行動を起こした。結果としてそれは成功。もう二度と青薔薇の女王、そして向日葵の女は産まれない……はずだった」
「……けれど、私が産まれてしまった」
「ああ、最初に感知した時は流石のルミエールも驚いていたらしい。報告を聞いてから俺も驚いたさ。……つまりあいつはまだ……いや、これは関係無いな」
「本当に星皇って偉大なんですね」
「当たり前だ。……さて、話に戻ろう。どうやって、お前等はジーヴルを救うつもりだ」
私が口を開こうとした直後、全身の毛が逆立つ悪寒が私の体に打つかった。どうやらその悪寒は、ソーマさんも感じているらしい。
腰に携えた剣の柄に手を置き、その視線を結界の頂点に向けていた。その方向に、確かに嫌な気配を感じる。
瞬間、その空に、巨大な魔法陣が刻まれた。そこから感じるのは、私とほぼ同量の魔力総量を誇る男性の魔力だった。
その魔法陣を潜り抜け、彼は黒い杖を掲げた。その青い宝石が星の様に輝くと、その杖の先に青く輝く太陽の様な輝きの球が現れた。
星天魔法、あれは星天魔法だ。一度だけ見たことがある。あれは――。
「『青星』」
シャルルさんは、そう叫んだ。
青い星の輝きは強固に張られた結界の壁の頂点に激突した。その一発は容易く壁を崩壊させると、私達に極寒の冷気が吹き荒れた。
結界は崩壊した。その事実だけで、この場にいる全員が動く理由になった。
全員がブルーヴィーに足を踏み入れた直後、ソーマさんは大きく叫んだ。
「敵影! 青薔薇の女王含め九名! その内四名が接近中!! 作戦を考えている暇は無い!! 各々の判断で対処を求める!!」
すると、ジーヴルさんの道を遮る様に、山羊の亜人と背丈の大きな魔人、巨人が上空の魔法陣を潜り現れた。
巨人にアルフレッドさんとヴィットーリオさんが、そして亜人にソーマさんが攻撃を開始した。そして、近付く魔力はもう二つ。
山羊の亜人との交戦中のソーマさんに、人間と魔人が襲い掛かった。
一人は女性で、右手で顔の右側を隠していた。もう一人も女性で、両手に背丈程の杖を抱えている青い髪の女性で、目隠しをしていた。
「教皇国では、お世話になりましたね」
目隠しをしている女性が、ソーマさんにそう語り掛けた。
「仲間引き連れてお礼参りかぁ?」
「ええ、まあ、そんな所です」
ソーマさんは私達に目配せをした。さっさと行けってことだろう。頷きも返さずに、私達は速度を緩めず走った。
ここまでの混戦は予想していなかった。考えてる作戦が都合良く成功する可能性は大きく減った。敵が想定以上で、そして全員それなりの手練れ。
……どうする。どうすれば、どうすれば良いのかを考えても、纏まらない。
……いや、うん。私が、せめて私が出来ることをしないと。私が出来ることで、一番皆さんの役に立つ役割は――。
「……今度こそ、負けませんよ」
カルロッタは思い切り空を飛んだ。そしてお師匠様と交わした契約魔法を一時的に解除し、最初から全力で全魔力を、シャルルに向けた。
カルロッタの容姿は大きく変わった。その赤い髪に入り混じっている白い髪、銀色に輝く片方の瞳。その頭の上には、茨の冠が浮かんでいた。
それに、シャルルは無言で答えた。十の黒い角を頭から生やし、その両目を金色に輝かせた。その青い髪は全て黒色に染まり、カルロッタを迎撃しようと意気込んでいた。
「会いたかったぞカルロッタ!! さァ!! どれだけ強くなったか見せてみろ!!」
シャルルの高揚感は抑えられず、言葉として吐き出してしまっていた。そして、互いの魔法が交わされた。
その隙に、他の者達は真っ直ぐ青薔薇の女王の下へ駆けていた。
「緊急事態だが、どうする!」
マンフレートが拳を握り締めながらそう叫んだ。それに、ジーヴルは答えた。
「作戦の要に絶対必要なファルソ、青薔薇の女王との交戦の為に最低限の戦力であるヴァレリアさん、シロークさんは私と一緒に来て貰う! 出来ればフォリアとフロリアンも来て欲しいけど……! ソーマさんが敵影九人って言ってたから、多分残り三人、私達が知らない敵がいる! 私の為に全員頑張れ!!」
「……あいつらが、お前を狙う心当たりは」
フロリアンがそう聞いたが、ジーヴルは押し黙った。分からないのだ。だが、青薔薇の女王を狙っている。それは推察出来る。
「……ちょっと申し訳無いこと言いますけど……」
ファルソが小さくジーヴルに話し掛けた。
「三つの大きい魔力が接近中です。……多分、並大抵の戦力じゃ迎撃出来ません。一人なら僕とフロリアンさんで何とか足止めは出来るくらいの実力だと思います」
「じゃあ……えーと……!! 仕方無い! ヴァレリアさんとシロークさんとフォリアは私と一緒に青薔薇の女王の足止め! それ以外は各個撃破の後集合して!!」
全てが凍った町並みの中から、隠そうともしない敵意と混じった魔力が迸った。
もしこの場に狼がいるのなら、咄嗟に己の牙を見せ付ける程に分かり易く、そしてその正体を見ればすぐにその唸り声を辞めて無様に逃げだす程に悍ましい魔力。
その敵意と殺意は、全てジーヴルに向けられた。その腕は全て青薔薇の女王を自らの王に献上する為に向けられていた。
最初に来た魔法による攻撃を、フロリアンは伸ばしたチィちゃんの枝で防いだ。その魔法の攻撃により、彼は敵のある程度の実力を理解した。
ジーヴルに着いて行こうとするニコレッタを無理矢理抱え、フロリアンはファルソと共に一人の敵に向かって攻撃を開始した。
三人、カルロッタを含めて四人ジーヴルの傍から離れた。残っているのは九人。
もう一度、ジーヴルに向けられた攻撃意思が向けられた。それに初め対処したのは、マンフレートだった。その防護魔法で攻撃を受け止めた。
そのままドミトリーは敵に杖を向け、アレクサンドラは宝石を投げ付けた。そのまま三人は攻撃を始めた。
残っているのは六人。
ジーヴルの首を狙った一閃の剣筋は、エルナンドがその剣で受け止めた。そして敵に向けてシャーリーは魔法を放った。その二人は攻撃を始めた。
残ったのは、ジーヴルを含めて四人だけ。
足を進めれば、ブルーヴィーの中心へ進めば、ジーヴルは体の奥底から震える感触を覚えていた。
姿は変わっている。しかし確かにあの日見た覚えのある凍り付いた景色。自分が、自分の悦楽の意思に操られ凍らせた街。生まれ育った街、壊滅させた街。
もう凍り付いている人々は助からない。彼女は、大量虐殺者に変わりは無い。彼女は涙を流していた。
しかし、ジーヴルは英雄である。だが英雄とは、正義の味方では無い。正義を語る物の味方なのである。正義は、この戦いを大量虐殺者を鎮圧する為の作戦だと言った。
ならば、ジーヴルは英雄としてその責務を全うするだけである。そう、正当性はある。捏ち上げれば良いのだ。正当性の捏ち上げと都合の悪いことは正義を語る誰かが隠蔽してくれる。
つまり、何も問題は無い。そう、一切合切、何も。
「十三年振りね、青薔薇の女王」
子供の様に燥ぐそれは、氷の体を持っている五歳程度の少女であった。まだ姿が見えただけだと言うのに、体の底から冷たくなる感覚に襲われる。
青薔薇の女王は、ようやく訪れた自らの肉体に歓喜した。ジーヴルは自身の体に酷く不愉快な違和感を感じていた。徐々にそれは、青薔薇の女王に引き寄せられる様な感覚だと気付いた。
何処か、何処か遠い場所から、自分を引く手を感じていた。自分を引き寄せる腕を感じていた。それは決して父親や、母親の様な優しい物では無かった。
やはり気味が悪い。目の前に、自分がいるのだから。きっと、今この瞬間、こんな気味の悪い感覚に襲われているのは自分だけだろうと、妙な高揚感があった――。
――アルフレッドとヴィットーリオは、巨人族の歩みを止める為に交戦していた。
その巨人は教皇国にて襲来した巨人と全く同じだった。しかし彼は、確かにマーカラによって殺害された。その姿も、アルフレッドはしっかりとその目で見ていた。
にも、関わらずだ。巨人はしっかりと二つの脚で立ち、戦斧を振り回しこちらを殺そうと意気込んでいる。
一つに束ねられた巨大な戦斧がヴィットーリオの頭上に振り翳されると、彼は二本の剣で受け止めた。
凍った地面に付いているヴィットーリオの両足からは、少々聞きたくない嫌な音が何度か響いている。あまりにも、体格差に差があり過ぎる。
身体能力の対抗は本来虚しく、そして鍔迫り合いになった場合巨躯の方が勝つのは当たり前なのだ。
しかし、彼等は人間。狂気をその身に宿した弱く惨めな存在。その狂気は、弱者故に強者だけを喰らう。
人間の狂気を、巨人は知らなかった。
その巨人の頭部に、アルフレッドの杖から放たれた銀の針が眼球に突き刺さった。
魔法とは、決して人間だけの物では無い。しかし人間とは、魔法を最も操れる狂った生物の総称である。
巨人はその針を片手で抜き、アルフレッドとヴィットーリオの方を向いた。
「……何処かで会ったか?」
アルフレッドは首を傾げながらそう聞いた。
「……ああ、済まない。今ようやく思い出せた。教皇国で会ったな。まだ生きていたのか。……いや、生き返ったと言った方が正しそうだな。どうやったのか色々聞きたいが、まあ今はどうでも良い」
アルフレッドは左手で持っている杖を振りながら、隣にいるヴィットーリオに、似合わない陽気さで話し掛けた。
「久し振りだな、共に戦うのは」
「……そうだな。何時振りだ?」
「ソーマ様から逃げた時で最後だったな。互いに未熟だった」
ヴィットーリオは眼鏡を上げると、巨人の頭を見上げた。
「本気で行くぞ、親友」
「ああ、分かってるさ、親友」
ヴィットーリオはソーマから装着を義務付けられた布を取り外した。それは拘束具、シロークに付けられた物よりかは強制力は低いが、筋肉を弛緩させる効力がある。それを外したのだ。
アルフレッドの体型は徐々に変わっていった。その長身は少しずつ縮み、その体型は女性的な物へと変わっていった。胸は膨らみ、髪は長く乱雑に伸びた。
アルフレッドは魔法で銀製の剣を作り、ヴィットーリオに投げ渡した。ヴィットーリオは一本の剣をアルフレッドに投げ渡した。
巨人は、アルフレッドの変化に疑問を持っていた。
「女だった……と、言う訳では無さそうだ。それは何だ」
「これか? ……まあ、今説明している暇は無い。そう言う物だと思えば良い」
「分からないな。それをする意味は何だ?」
「そろそろ喧しいぞ巨人。前の教皇国での事案でボロクソに負けた癖に」
「あの戦いで貴様は為す術など無かったでは無いか!!」
「やーいやーいボッコボコに負けた弱虫巨人。自分より小さな吸血鬼に泣き叫びながら負けちゃった雑魚雑魚魔人おじさーん」
巨人の戦斧の刃がアルフレッドの首筋に勢い良く触れたと同時に、彼、いや、彼女の姿は消え去った。
現れたのは巨人の背後。空中にはらりと現れた彼女は巨人に杖を向けると、そのまま巨大な銀の弾丸を杖の先から放った。
その魔力の奔流は、本来のアルフレッドが放てる魔法よりも何倍か強力だった。教皇国での戦いでは、一切の傷が付けられなかったアルフレッドの魔法は、巨人の頭部を撃ち抜いた。
しかしその傷は、先程針が眼球に突き刺さり出来た傷と共に塞がっていった。
恐らく回復魔法だとアルフレッドは結論付けたと同時に、彼女の姿はまた消えた。
その一瞬、巨人がアルフレッドの姿を探そうと視線を動かした直後のこと。その視界の外れにいたヴィットーリオは腰を捻り右腕を思い切り突いた。
その剣の先端は呆気に取られた巨人の右腕に突き刺さった。そのまま肉を突き破り、骨を砕き、そのまま剣を振り下ろした。
そのまま剣先を凍り付いた地面を突き刺し、アルフレッドから受け取った銀の剣を振り被った。
その瞬間にアルフレッドも現れ、ヴィットーリオの剣筋に合わせ左手の剣を腰を捻り振り被った。
二つの剣は交わり、その太く筋骨隆々な巨人の腕を切り落とした。そのままヴィットーリオは切り落とした腕を踏み付け、銀の剣を抜いた。
そして残っている二の腕に剣を滑らせ、銀の剣を巨人の首に薙ぎ払った。
その直後には巨人は戦斧を乱雑に振り回し、ヴィットーリオの腹部に刃が向かった。
すると、また突然現れたアルフレッドが剣を突き立て、巨人の左肩に突き刺した。深々と刺さったその剣を離し、アルフレッドはその巨人の体を蹴り背後へと飛んだ。
そして、彼女はその杖の先端を巨人の背中に向けた。
ヴィットーリオは身を低くさせ、二本の剣を素早く振るい、巨人の足の健を切り裂いた。その頭上に、巨大な戦斧の刃が舞い降りた。
その戦斧を握っている手、つまり左手の首、柔らかく滑らかな斬撃が、それを裂いた。先程とは全く違う動きで、ゆらりと突き出された蹴りが巨人の腹部にふわりと当たると、その緩やかな動きからは想像出来ない程の轟音と威力が発揮された。
その巨体と言えど、僅かに体が仰け反った。すると、アルフレッドの杖の先に巨人の肌がぴたりと触れた。その瞬間であった。
「"希望の弾丸"」
その杖の先から、銀色の光が漏れ出た。
巨人は僅かな痛みと出血を伴ったが、そこまで重篤な傷は受けなかった。それどころか、回復魔法を扱えばすぐに傷は治った。
だが、何故だろうか。アルフレッドとヴィットーリオは巨人に背中を向け、さも戦いは終わったかの様に振る舞い駄弁っていた。
そんな二人に、巨人は憤慨な感情を爆発させた。
「何をしている貴様等!! まだ、まだ戦いは終わっていないぞ!!」
ヴィットーリオは巨人の顔にちらりと視線を向けると、巨人にとっては屈辱的にも捉えられる実に馬鹿にした様な目線をした。
「……何だ。気付いていないのか。もう勝敗は決まった。これ以上戦う理由等何処にある?」
「何を言っているんだ貴様は……!!」
巨人の腕が完璧に治ると、戦斧を構え、それを二人に向けた。
「怖気づいたか!? それともはったりか!?」
その言葉に、アルフレッドも冷たい目線を向けた。そして、声を出した。
「説明が必要か? 良いだろう」
アルフレッドは慣れていない髪を払いながら、淡々と、実に淡々と、語り始めた。
「"希望の弾丸"、俺がこの状態でしか使えない……まあ、奥の手みたいな物だ。言葉の通り、銀の弾丸を放つ。たったそれだけの、実に単純明快な、魔法だ」
「それが……たったそれだけの魔法で何故勝敗を決められる!!」
「……そうだな。あそこに打ち込むと、あと……もうすぐか」
すると、巨人の体に異変が起こった。腹の内側に激痛が走ったのだ。内部の肉が喰われ裂かれた様な、そして虫が中で蝕んでいる様な、そんな違和感。
「な、何をした……!!」
巨人は青くなった顔でそう叫んだ。もう叫ぶことしか出来ないのだろう。
「一発、たった一発で充分」
アルフレッドは、そう言った。
「その弾丸が体に傷を付ければ、それで充分だ。中に入った弾丸は肉を進み、内臓を蝕み、最後には、心臓を貫く。分かるか? 一発で充分なんだ。……まあ、撃つのにも色々な条件があるんだが、どうせ死ぬんだろう? 言う意味は無い」
「巫山戯るなッ!! こんな、こんな勝敗が許されてたまるかッ!!」
「もう黙っていろ。そろそろうざったい。お前は、もう負けたんだ。俺とヴィットーリオにな」
一秒後、銀の弾丸は、いとも容易く巨人の心臓を貫いた。心室中隔を裂きながら入り込み、右心房まで貫き左心室を蝕み、その中で細く鋭い針が無数に伸びた。
「殺すのに派手な魔法は不必要だ。そんな馬鹿なことをするのはまだ若い奴等だけさ。あいつ等みたいにな」
アルフレッドは男性的な体型に戻りながら、今年の研修生達の顔を思い浮かべていた。
最後まで読んで頂き、有り難う御座います。
ここからは個人的な話になるので、「こんな駄作を書く奴の話なんて聞きたくねぇよケッ!」と言う人は無視して下さい。
言い訳させて下さい。
だーってアルフレッドとヴィットーリオの共戦が書きたかったんですよ!! アルフレッドが女の子になったり、互いに剣を渡し合ったり、殺し合いに派手な手段は不必要だって言うことも!!
だから次!! 次からちゃんと研修生達の戦いを書きますから!! 許して下さい!!
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