5話 仕事について
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「おーい、もう朝やぞー。 おーい」
サトルさんの声で目が覚めた。そういえば今日はサトルさんがちょっと新しく話すことがあるから、朝10時に噴水広場に集合だった。
それで、今何時かというと・・・
「11時!!」
枕元に置いてある時計を見ると、針は確かに11時を指している。めっちゃ寝坊した。というか、8時30分に目覚ましをかけていたのに何で?まあ、目覚まし消してまた寝ちゃったんだろうけど・・・ここまでを寝起きの脳をフル活用して、高速で考えた結果
「すいません。寝坊しました。ほんとにすいません。」
あわてて宿の部屋から飛び出しながら謝罪した。
「お、おう。まあ、寝坊ぐらいは誰でもするけん別にええで。」
「あっ、ありがとうございます。ところで今日は何をするんですか?」
こっちに世界に来てから今日で一週間だが、この一週間はこの世界になれるために、と自由に色々見て回っていた。だから今日は、これからのことに関することだとは思うが。
「今日は仕事についてや。」
「仕事?」
「そうや。これからこの世界で暮らしていくうちに遅かれ早かれ仕事はすることになるからな。特に俺らみたいな転生者は少し特殊なんや。」
「特殊?」
「俺ら転生者は仕事について3つの選択肢があるんや。1つ目が普通に働くことや。前の世界と同じようにしたい仕事に就くこと。2つ目は専門学校的なところに行くことや。この世界について学んだりできる場所や。ちなみに転生者用に作られた施設や。あと、ユウキの年齢やったら普通の学校にも通えるで。最後が転生者ギルドに籍を置いて前の世界でやってたことを仕事にすることや。まあたいていの転生者は最後の選択施を選ぶ人が多いで。」
「なるほど。ちなみに、これやったら特典があるよ みたいなんとかってあるんですか?」
「一応転生者ギルドに籍を置いとくんやったら、衣食住には困らんようにはなっとる。あと、学校に通う場合も通ってる間は衣食住は村から提供されるで。こんなもんかな。まあ、べつに今すぐ選べっていうわけではないしな。あまり時間もないけど一週間ぐらいは悩めるで。」
「分かりました。じゃあ、前の世界と同じ仕事に就くことにします。」
「へっ? えーと・・あと一週間ぐらいは悩めるで?」
「はい。わかってますよ。その上で僕は前の世界と同じ職に就くことを希望します。」
あまり学校に通うのは好きじゃないし、新しい職に就くというのも魅力的だったが、衣食住付きには俺の中では勝てなかった。そんなわけで即答した。
「そっ、そうか。やったらとりあえず手続きしに行くか?明日とかでも全然いいけど。」
「いや、サトルさんがいいなら今から行きます。」
忙しくはあったが、なんやかんやで薬剤師という仕事は気に入っていたのだ。どうせするなら早くまたやりたい。
「じゃあ、俺は大丈夫やけん今から転生者ギルドにいくか。」
「はい!」
「いらっしゃい。今日は何の用件で?」
「こんにちはテッペイさん。仕事の登録に来ました。」
「テッペイ、人が入ってきた時ぐらい読書を辞めろと言ってるだろ」
テッペイさんは読書好きで、この一週間でも何回かここに来たが、毎回受付で本を読んでいた。
「仕事の登録に来たといううことは、もう決めたってこと?兄貴が説明しに行ったの今朝だよな?別にそんな焦って決めなくてもいいんだぜ。」
「はい。サトルさんからも言われましたが、結構前の世界での仕事が気に入っていたのであまり考えるまでもなかったですね。それに、学校行くの嫌いですし。」
「そっか。そうゆうことなら早速手続きしちゃうか。」
「よろしくお願いします。」
そのあとは何個か書類を書いて、村の役所のほうに提出しに行った。やはりこんなに早く仕事を決める人は珍しいようで、顔見知りになった人たちや、エルナさん、村長などみんなに驚かれた。ただそれ以外は特に何もなく終わって、受理に少し時間がかかるからご飯でも食べて待ってから受理された書類を持って転生者ギルドに戻った。
「OKされましたよテッペイさん。」
「そうか。こっちも王都の転生者ギルドのほうに連絡しといたんやけど・・・」
「どうかしたんですか?」
「いや、薬剤師の仕事に就くのは何も問題ないんやけどな、ちょっと忙しくなるかもしれんで。」
「どういう意味ですか?」
「そのままの意味なんやけどな、さっきちょっと空いた時間で今までの転生者の記録見てたんやけど・・・この世界に薬剤師が来るの初めてなんよ。」
「えっ」
一週間はこの村を自由に散策していたからこの村に薬剤師がいないことは分かっていたし、もしかしたらこの村には薬がないかもしれない。だからもし仮に薬剤師をまたしようと思ったらほかの村に行って道具とかゆくってもらわないといけないとは思っていたが、まさかこの世界自体に薬剤師がいないなんて。
「それで初めての専門知識を持っているわけやからほかの村からも教えてほしいって人が来るやろうし、もし道具とかがいるなら自分で作ったっりせんとあかん。」
「・・・・・・」
「えーと、どうする?やめとくか?」
「いや、やります。なんかもう逆にやる気で手きました。」
「そうか。じゃあ、王都のほうに申請しとくけん今日はもう大丈夫やで。明日またおいで。」
「はい。」
サトルさんとは転生者ギルド出てすぐに分かれたが、明日何をするか聞いといたらよかった。
いきなり仕事は決まったわけだが、まさかこの世界で初めての薬剤師になるとは思っていなかった。というか、道具とかどうやって作ろう?薬に関する知識は相当持ってるし、薬草とかも作れるけど道具に関しては何もわからない・・・まあどうにかなるだろ。
翌日、今度は寝坊せずに転生者ギルドに着いた俺はいろいろ説明を受けた。昨日王都に出した申請は普通に受理されて、俺は正式にこの世界でも薬剤師となった。転生者ギルドに籍を置いて働く人には申請制で食べ物や服などが提供されるらしく、家は全員に提供されるらしい。そして、家を選ぶためにエルナさんの案内で何件か回っているところだ。
「ここが最後だよ。ちょっと森の中に入って不便だけど家具とかは完備だし、山菜とかは自分で食べる分んだったら自由にとって食べていいから結構いい物件だよー。」
「決めた。ここにする!」
色々な家を見て回った結果、また即決した。ほかの家もよかったが全部街中だ。それに対してこの家は少し村から外れて、山の麓のほうにあるから周りにはたくさんの植物がある。これから薬剤師をやっていくうえで、最初は草から薬を作ることになるからここはとても都合がいい。
「もう決めたの?早!」
「これから僕がする仕事はこんな感じで植物がたくさんあったほうが都合がいいんだ。」
「なるほどー。ちゃんと考えてたんだねー。なんか私よりユウキのほうが年下なのにしかっりしてるなー。」
そんな若干尊敬が入っているような目で見られると、実は前の世界で50代のおっさんだったなんて言えない。
「じゃあ、さっそく役所に行ってもう登録しちゃおう。」
そのあとは役所に戻ってすぐに申請をした。早速明日から新居に住めるそうだ。道具の準備とかですぐに薬剤師の仕事を始めるのは難しいだろうが、早く薬剤師ができるように明日からも頑張っていこう。
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