元家族の末路を聞きまして……
「……という訳で新天地で頑張ろうと思います」
「そうか、寂しくなるなぁ」
「ご心配なく、たまに戻ってきますので」
土地を購入して数日後、再び国王様に呼び出されお城にやってきました。
せっかくなので近況報告もしておきました。
「今回呼び出したのは元公爵家の件についてだが、……つい最近だが公爵夫妻の処刑がつつがなく行われた」
「そうですか……、どんな様子でしたか?」
「あまり貴族としては良くなかったな。 最後まで自分達の罪を認めず泣き喚いておったよ」
まぁ、自分の命が終わる訳ですから冷静にはいられませんよね。
因みに我が国では貴族の処刑は非公開となっています。
他国では見せしめの為に公開しているそうですが我が国では一般の犯罪者は公開でギロチン行きなんですが貴族はひっそりとやるそうです。
その代わり首が1か月は晒されますが。
「それと妹の件だが……、修道院に向かう途中で『不幸な事故』に合ってしまい……、馬車ごと崖から転落してしまったらしい」
「不幸な事故、ですか……」
まぁ、多分そうだろうなぁ、と思いました。
あの妹は人を魅了させる力を持っています。
修道院に行ってもきっと誰かを誑し込んで王都に何事も無かった様に戻ってくると思います。
国も厄介な人物を放置しておく訳には行きません。
また不穏な芽が出てきたら早めに摘むのが国の為、国民の為なのです。
きっと妹は何処かで不穏な事を口に出したんでしょう。
大人しく修道院に収容されていれば良かったのにね。
まぁ、これで私の家族はいなくなり私は天涯孤独になった訳です。
なんの柵も無くなったので自由に出来るでしょう。