実は錬金術師でして……
私が錬金術と出会ったのは貴族学院の1年の時、授業の時だ。
貴族学院では貴族として必要な学問やマナーをメインに教えているが、その他にも召喚術や魔術の授業もある。
これには理由があって一言で貴族と言ってもピンからキリまである。
つまりは生活が苦しい貴族もいる訳でそんな彼等にとって貴族の知識やマナーよりも身になる方が大事だ。
その中に錬金術もあって、たまたま私には錬金術の才能があったのだ。
この頃は家族との仲やら婚約者との仲で悩んでいた事もあり錬金術は私にとって癒やしだった。
もし将来婚約がダメになってしまったら錬金術師として暮らすか〜、なんて思っていたけどまさか現実になってしまうとは思っていなかった。
因みに錬金術師は国家資格なので免許が必要になる。
これも在学中に試験をパスし免許を取った。
「なんと錬金術を取得されていたとは……」
「まぁ、協会には所属してませんけどね、別に名をあげようとか思っていませんし、あくまで生活に必要な為ですから」
だから、この地は私にとって最高の職場だったりする、素材には困らないからね。
「なるほど、錬金術師でしたら何とかなるかもしれませんね……」
担当は納得してくれたみたいだ。
そして、下見を終えた翌日、私はこの地を正式に購入した。
この日からこの地は『ミーゼル領』となった。