王様から謝罪されまして……
「ミーゼル! この度はすまなかった!!」
お城に行き案内されるがままに謁見の間に連れて行かれ国王様に挨拶しようとしたら開口一番国王様から土下座されながら謝られましたよ。
「国王様、頭を上げてください。 私はもう何も気にしてませんから」
「いやいやっ! そなたが王妃教育や学園での様子は全て聞いておる。 愚息の為に涙ぐましい努力をしていたにも関わらずあんな愚かな行為をしてしまうとは親である儂の監督不行き届きである!」
あぁ、私の努力をちゃんと見ていた人がいたんだ。
それだけで嬉しかった。
何せ、褒められもせず叱られもせず生きてきた18年間でしたからね。
「そういえばあの後どうなったんでしょうか? 私、情報を全く耳に入れてなかったので」
「うむ、その事なんだが……」
国王様の話によると、まず今回の婚約破棄の件は国王様は知らなかったらしい。
どうやら妹に唆された王太子様の独断だったらしい。
当然、国王様は勝手な行いをやった王太子様に激怒、事態が収束するまで謹慎処分とした。
「漸く目処がついてな、身分剥奪の上国外追放した」
「大丈夫ですか? 何処かで野垂れ死にしないでしょうか」
「そこは問題無い。隣国の王に頼み根性を叩き直してもらう、それと公爵家の件だが、調査の結果、謀反を計画していたのがわかった」
「謀反っ!?」
「うむ、王太子を洗脳し乗っ取ろうとしていたのだ」
私は頭がクラッとした。
なんと恐れ多い事を考えていたのか……。
「妹を王太子に炊きつかせたのはミーゼル嬢では役目不足だと思ったそうだ。厳しい尋問の結果、そう吐いたのだ。娘を出世の道具として思っていなかったそうで変に頭が良いミーゼル嬢より見栄えも良く自分達に疑いも無い妹を利用としたんじゃろうな」
私、国を乗っ取る計画に巻き込まれてたのっ!?
ある意味、妹も両親の被害者だったのね……、だからといって私への暴言は許せないけど。
「それじゃあ実家は……」
「うむ、取り潰し、公爵夫妻は国家転覆罪を含め色々な罪を犯しているので近日中に死刑となる。妹は修道院で一生過ごす事になるだろう」
「そうですか……」
「それでミーゼル嬢、お主は公爵令嬢だが被害者でありあの場で公爵家との絶縁を宣言しておる。なのでお咎め無しじゃ」
そう言うと側近が私の前に袋を持ってきた。
「コレはお詫び金じゃ、コレで人生を再出発してほしい」
「えっ!? よろしいんですかっ!?」
「勿論だとも、今後も困った事があったらなんでも言ってほしい」
「ありがとうございます」
思わぬ大金を手に入れた私は脳内で『ある計画』が浮かんでいた。