婚約破棄をされまして……
機種変更をしたので記念の新作です、よろしくおねがいします。
私、ミーゼル・ストリファーはベルガルーゼ王国の公爵家に生まれたが多分生まれた時が人生の最高潮だっただろう。
両親は私よりも社交界が大事な人達で生まれて間もない私をメイドに預け家に帰って来る事は無かった。
おかげで両親の顔は知らないし幼い頃はメイドが私の母親だと思っていた、冗談抜きで。
そりゃあ幼い頃から放置されたら懐く訳が無く、両親との仲は最悪である。
向こうは親の面をしてくるけど私にとってはほぼ他人な訳で……。
おまけに私の後に生まれた妹は凄く可愛がる訳で明らかに姉妹格差を感じない筈がない。
家族であるけど家族ではない。
そんな歪な関係なのである、我が家は。
そんな歪な環境で育った私でも婚約者がいた、しかもこの国の王太子だ。
『いた』と表現したのに気づいただろうが、えぇお約束の婚約破棄ですよ。
いつの間にか妹と出来てやがりましたよ、あの元婚約者。
しかも、両親も『可愛げの無い私より妹の方が相応しい!』とか言ってきましてね。
私サゲ妹アゲの発言をしてくるもんですから呆れて何も言えませんでしたよ。
私が妹を虐めた? 私の方が妹から物を奪われたり暴言を吐かれたりしてましたけど?
何を言っても私の声なんて聞く耳を持ってくれませんでしたよ。
呆れてしまった私は婚約破棄の場で絶縁を宣言しまして、そのまま実家に帰らず私の味方であるメイドの実家に現在身を寄せています。
メイドは公爵家を辞めて実家である雑貨屋を継いでいまして居候させてもらっている間は店の手伝いをしております。
そんな生活をして庶民の生活を満喫していた頃、お城から呼び出しを貰いまして、久しぶりに城へとやって参りました。
そこから私の人生の再出発が始まる事になるのです。