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ハンティングダンジョン  作者: でれすけ
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第三階層

 雄一は舞香と共に、軽快な音楽と共に開かれた自動ドアをくぐった。

「うわー、凄いよお兄ちゃん」

「そうだな、思ったより広いぞ」

 本日は二人して電車を使った距離にある、ダンジョン用品の専門店へと足を運んでいた。

 これは沙紀からの提案でもあり、「買うか否かに関わらず1度良いものを見ておけ」と言うアドバイスを受けたからでもある。

 いらっしゃいませー、と言う店員の声を受けながら各コーナーを順繰りに見ていくことにした。

 武器、防具、バッグ類やダンジョンの中で休憩するためのテントや保存食・簡易トイレなども豊富にそろえられている。

「それにしても」

「うん、どれも良いお値段するね」

 流石と言うべきか、太い通路に顔を並べている主力商品たちはどれもこれも値が張る者たちばかりだ。

 今日用意してきた軍資金では太刀打ちできないものばかりである。

 セールストークを武器に切り込んでくるスタッフたちをなんとか躱しながら商品を眺めていくと、ある法則に気が付いた。

「飛び道具がないんだな」

「そういえばそうだね」

 小型のナイフなどは投擲できるだろうが、それ以外の武器、弓や銃と言ったものが見当たらないのである。

「外国だと銃とか使うのかなってイメージあるけど、弓もないのは不思議だね」

 その辺り、店員に聞けば分かるのだろうがそれ以上に何かを買わされそうで聞きづらい。

「それ以外にも、武器にカテゴリーがあるんだな」

 ズラッと並べられた武器たちは大まかに長剣、短剣、槍、棍棒と言った分類がされていた。

 普段使っている鉈を分類するのであれば長剣辺りになるのであろうか。

 流石に本物を振り回す事は出来ないので、近くにあった試し振り用のなまくらを手に持ってみる。

 重いもの軽いもの、長いものに短いもの、重心の位置が異なるものなど色々試させて貰う。

 いつの間にか店員が少し離れたところでスタンバっていた、怖い。

 とりあえず砥石を買って専門店を後にする、もっと稼ぐようになってからもう一度来よう。


「それで、どうだった? 専門店は」

「なんだか高いな、っていう印象でした」

 雄一がダンジョン改札の前でそう言うと沙紀はくつくつと笑った。

「そうか、素直な反応だな。だがいずれはああいう獲物を扱う日が来るだろう、良い勉強になったと思っておくと良い」

「それでも武器って高いよね、私もナイフ買うだけでお小遣いなくなりそうだもん」

 そう言う二人と共にダンジョンへと入り、本日は第三階層を目指す。

「そういえば、お二人はどうやって家族を説得してきたんですか?」

 と、問うて見ると沙紀が気まずそうに目線をそらした。

「沙紀センパイ? どうして目を逸らすんですか」

「いや、無断で来ていると言うことはないぞ? ただ、父と少し意見が食い違ってな」

「はあ」

「沙紀ちゃんパパ、ダンジョン大っ嫌いだからねー。今は冷戦状態なんだって」

「みゆきにばらされてしまったが、その通りだ。私以上にダンジョンと言うものそのものを恨んでいるような感じだな」

「真鍋先輩は?」

「私は親に言ったら『そっかー』『気をつけてなー』って」

「そすか」

 もしかしたらみゆき以上に緩い親なのかもしれない。

 一方で沙紀の家族の方は少し大変そうだ。

「私も幼くはないのだから自分でやることを決めると言ったのに中々納得してくれなくてな」

「まあ危険なことをしてるのは事実ですからね」

 それでも納得していない様子の沙紀を連れて第三階層へとやってきた。

「ここから先は俺も未知の領域です。まずは第四階層への入り口を目指してまっすぐ進みましょう」

「分かった」

「はーい」

 確かダンジョン館で受付に聞いた話だとここではコボルドという犬の頭をしたゴブリンの様なモンスターが多く現れるらしい。

 ゴブリンと大きく異なるのは群れで居ることを好み、常に複数の個体で同時に行動している点だ。

「この階層だと多くても5匹程度だが、他のダンジョンだと十数匹の群れも確認されたらしいな」

 沙紀の補足に頷きつつ本道を進んでいく。

 遠くに何かが見えたかと思ったら、パチパチと言うモンスターの反応を感じ取った。

 そいつらは、中型犬を二足歩行にしたような外見をしていた。

 おそらくコボルドだろう、二匹のコンビが雑談でもするかの様に気を抜いている。

「見つけた、陣形はどうする?」

「俺と沙紀さんで突撃しましょう、真鍋先輩は後方の確認をおねがいします」

「はーい」

 作戦を決めてからは迅速に行動した、まずは獲物が長い槍での攻撃が当たる。

 二匹の間に差し込むように突きを入れて戦力を分断し、一対一の状況を作り上げた。

 コボルドの武器は鋭い爪であるという、ゴブリンのものよりも鋭く肉を抉るのに向いているらしい。

 そんあな相手と取っ組み合いをするわけには行かない。

 研いだばかりの鉈を細かく振り回し、コボルドに傷を作っていく。

 反撃を躱し首筋に向かって鉈を一閃、切ると言うよりは叩き割る様にして命を刈り取った。

 雄一がコボルドを倒している間に、沙紀も仕留め終わったようだ。

「どうやらそちらも危なげなく倒せたようだな」

「はい、強さは二階層のゴブリンと大差ないですね。やっぱり数で仕掛けてくる戦術のようです」

 ねぎらってくれるみゆきに感謝を伝え、魔石を回収してから次の獲物を探しに歩き出した。

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