もう一つのキリスト教 異端派の教えとは?(試論) 私のキリスト教遍歴ノートより
☆序説
キリスト教とは、、、、
もちろんその教えは、、、
福音書(新約聖書)に書かれたものがすべてだ、、と、、思っているそこのあなた。
実はキリスト教の長い歴史において
異端派として葬り去られてしまった,
「もう一つのイエスの教え」
があった、
,、ということをあなたはまだ知らない。
葬り去られたのだから残ってないはず?
いいえ、
実は最近というか,、多くのキリスト教の古文書が
続々と地下洞窟から発見されているんですよ、
有名なものでは「死海文書」がありますね。
そもそもいわゆる聖書というものは
一時にハイ出来ました
というように、、今でいえば
新刊小説完成?見たいに
短期間で出来上がったものではないのです。
最初は口伝で伝承されていたものが次第に文字としてまとめられていき
さらにその文字も、、長い歴史において
増補されたり
あるいは削除されたりして
やっと、今の形に落ち着いたということなのです。
其れが今の「聖書」の「正典」だということです
そして削除された聖書文献については
それを「外典」「偽典」として
宗派によってはそれらも正典として認めるところもあったり
まさにバラバラです。
さて、、
旧約聖書が成立したのは前2世紀ころといわれている。
そして前1世紀ころ聖典編纂会議で今の形ができたといわれています。
さてキリスト教の福音書はどうかといえば
今の新約聖書の形ができたのは後4世紀です。
そのころ今の新約から排除されたおおくの福音書が流布していました
そこから当時のキリスト教会が会議を経てそれらを
「偽典」として排除したのです。
それらの偽典をよりどころとしていたのは
いわゆる異端派といわれる人々でした。
排除されてしまっとはいえ
これらの異端派の教えは
今では
キリスト教の多様性を示す貴重な資料となっています。
異端派の代表といえば
グノーシス派がよく知られていますね、
☆グノーシス派とは
世界は神の世界から幾層にも多層の世界が存在して
人間界もその一つです、
神の世界から離れるにしたがって悪がはびこり
最下層は地獄界です。
そして人間とは魂が現世界に顕現した存在であり
本来は神と同じです
ですが肉体をまとうことで悪を知り
神であることを忘却してしまった存在なのです。
ではどうすれば救済されるか
それはグノーシス(究極の知恵】を
悟ることで肉体の呪縛から解き放たれて
あなたは自分が神と同等であったこと霊知するのである。
これは正統派からすればとんでもない教えですよね。
人間とは罪深い「原罪」を背負った肉の子であり
神だなんてとんでもないことだからです。
ということでグノーシス派は異端派として排除されたのです。
☆異端派の要点まとめ
ここで早くも?
異端派の要点をまとめてみよう。
①イエスはマギスター(魔術師)だった。
イエスは12歳のころ死んだスズメを呪文で生き返らせています。
さらに屋根から落ちて死んだ子を生きかえらせています。
②神の国はあなた方の中にすでにある
あなた方の中を探りなさいそうすれば私はあなた方の中に、いることが分かるでしょう。
③少年イエスは魔少年だった?
不正をなした少年を枯れ木にしてしまったこともあった
イエスを突き飛ばした少年を呪殺したこともあった。
④イエスは宇宙創成の秘儀を知っていたが話してもわからないだろうから決して語らなかった。
ただ三つの暗喩で示しただけだった。
⑤誰もがキリストになれる
聖霊の秘儀に触れたものは誰でもすでにキリストと呼ばれる
特にこの5番目の教えは正統派からすれば許せないことですね
神と人は絶対他者であり人の子が神になるなどあり得ないからです。
人は神が作った被造物、、泥の子であり
泥人形にすぎないからです。
それが?「誰もがキリストになれる」なんて突然言われてもね。
正統派は激怒?でしょうね。
⑥イエスには伴侶がいた
正統派では、マグダラのマリアは罪深い娼婦でありイエスが悪霊を追い出してやった女ということになっているのだが、、
異端派では彼女はまともな女であり
イエスの布教を支えた伴侶だったと記されている。
弟子たちはしばしばイエスが彼女にキスしているのを目撃している、
これが事実なら正統派にとっては大変なことになりますね。
☆異端派によるイエス伝
さてそういう所謂、、異端派の教えから見る
イエスの姿とはどんなものだったのでしょうか?
もう一つのイエス伝を
以下で、
梗概してみましょうか。
イエスという人物のことを考える場合、
はたして彼は歴史上の実在した人間としてのイエスなのか?
それとも処女マリアが大天使ガブリエルから託宣を受けて
処女懐胎した神の子イエスなのかという問題であろうか。
神の子イエスのことならば、
福音書に書いてあるとおりだろう。
しかし近年
死海文書の発見やシオン教団やテンプル騎士団の研究
あるいは、
ローマ時代の古文書の発見などから
いくつかのイエス伝の人間学的考察が著わされている。
そんなあまたあるイエス伝研究書の中に
「マグダラとヨハネのミステリー』なる本がある。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%80%E3%83%A9%E3%81%A8%E3%83%A8%E3%83%8F%E3%83%8D%E3%81%AE%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BC%E2%80%95%E4%BA%8C%E3%81%A4%E3%81%AE%E9%A1%94%E3%82%92%E6%8C%81%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%B9-%E3%83%AA%E3%83%B3-%E3%83%94%E3%82%AF%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88/dp/487919140X
トンデモ本と言ってしまえばそれまでだが
その本によると、
イエスは双子として生まれ
イエスの母が大工のヨハネと結婚してできた人間の子であり、
少年時代から才知に長けた人物だったらしい、
父ヨハネの跡を継ぎ大工として暮らしをたてながら、
当時の混迷したユダヤに現れた
改革者、洗礼者のヨハネに引き付けられて
彼のもとに赴き弟子入りする。
洗礼者ヨハネは
毛皮を纏い、野蜜と、イナゴを食べる修行者で
彼のもとには時代状況に不満を抱く若者が押し寄せて
洗礼を受けて言わゆる
「ヨハネ教団」とも言うべき、教団を形成していたという。
だがやがてイエスはヨハネ教団を分派して
独自に教説を初めて
『神の国は近づいた』と
布教を始める。
その中で彼はマグダラという女性と、事実婚状態になる。
このマグダラという女性は
エジプトの秘儀に詳しく、
イエスに治病やヒーリングの術を授けたという、
治病の奇蹟で民衆の心をつかんだイエスは
洗礼者ヨハネが反逆罪でヘロデ王に斬首された後、
ヨハネ教団をも飲み込んで
一大教団へと成長させる。
そんな中で12人の弟子を選抜して
自分の教団を託そうとする。
しかしやがてこうしたイエス教団の動きに
旧来のユダヤ教社会は脅威を抱き
ローマ提督に訴えて
提督のピラトはイエスをとらえて
十字架上で処刑する。
しかし実はこの処刑されたのは
イエスの双子の弟で
イエス自身は
マグダラや母のマリアと
船出して
フランクに逃れて
そこで子供も設けて隠棲して暮らしたという。
そのイエスの血脈が
のちのフランク王国を起こしたメロビング王朝のメロビスへと
受け継がれたのだという。
このメロビング朝の代々の王は
別名
「魔術王」とも言われて
祭祀王的存在であり、
さまざまな不思議を成したという、
しかし、実際の権謀術数渦巻く人間のエゴのぶつかり合う
現実政治には疎い面もあり、
やがて、
メロビング朝は宰相ピピンに滅ぼされ
カロリング朝が成立するが
その背景には
キリストイエスの血脈の
王朝があるということがローマ教会にとっては
あってはならないことである故
ピピンと通じて滅ぼしたのではないかと言われているのだ。
キリストに妻がいた、
まして子供までいたとなれば
ローマ教会の根本原理である。
神の子イエスという教理が
根本から覆ってしまうからだ。
その後、
十字軍救済の目的で結成された
シオン修道会が中心となって作られた、
テンプル騎士団の
本当の目的は
メロビング朝の再興にあるというのだ、
もちろん、テンプル騎士団を、快く思わないローマ教会は
テンプル騎士団もやがて、滅ぼすことになるというわけだ、
人の子イエスの生涯と、血客は
こうではなかったのか?という
大胆な推理による
この本は確かに
キリスト教徒ではない
日本教徒の私にとっても
興味深い本ではありますね。
☆最後に幾つかの疑問点を整理してこの「試論」を終わりにしたいと思います。
疑問その1
ところでイエスはユダヤ人だったのでしょうか?
ユダヤ12部族の中の一つの出身ではないかと言われてますが
中にはこんな説もあります。
ローマから昔、派遣された入植者の
その末裔の、ヨハネの子供、つまりローマ人ではないか?という説。
確かにあれだけ激しく、旧来のユダヤ教を批判できるのは
純粋のユダヤ人では恐れ多くてできないのかも?
なんとなく信じたくなる説ですよね?
疑問その2、
イエスの墓はどこにある?
もちろんフランク王国にあります。
つまりそれが、現フランスのレンヌルシャトーだというのですね。
そのどこかにひそかに人間イエスの御遺体は埋まっているというのです。
疑問その3、
なぜイエスはバプテスマのヨハネから洗礼を受けたのか?
もしイエスが原罪もないはずの神の御子であるなら
洗礼など不要のはずですよね?
この矛盾に福音書記者は答えていませんね。
疑問その4、
空白の17年イエスはどこで何をしていたのか?
30歳で布教を始めるまでの17年間について福音書記者は
何も記していません。
普通に考えれば大工としてユダヤの地で働いていたというのが正論でしょうか?
でもこんな説もあります。
なんとイエスはユダヤの地を出て
エジプトやペルシャ、インドまで求道の旅に出ていたというのです。
それらの地でグルや聖者と逢って
秘義や秘術を授けられ
また東洋的は
悟りにも通じたというのですね。
確かにイエスの教説には
ユダヤ教にはない東洋的な香り?がします。
それを最初に指摘したのはあの、インド哲学に傾倒した
ショーペンハウエルであったと言いますね、
疑問その5、
マグダラのマリアとはどんな女性だったのか?
彼女は決して娼婦とか下賎な女ではなかったようです。
それどころかエジプトの秘教にも造詣が深い
いわば巫女、シャーマン的な女性だったのです
彼女は悩めるイエスを支えて布教のたびに同行し、
そして人間イエスの魂の伴侶として
イエスを支え続けたのですね。
素晴らしい女性だったということです
参考文献(新約聖書、外典)
トマスによる福音書
トマスによるイエスの幼年時代の物語
ユダの福音書
フィリッポによる福音書
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