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相手が勘違いするのも仕方ないだろう。
実際に制圧が完了してしまった。
「先程も伝えましたが、貴女を治療しに参りました。」
「・・・そのような予定は聞いておりませんが」
「当然ないでしょうね、本日1時間ほど前に森鬼が龍ヶ峰家を訪ねてきたのですから」
「森鬼、あなたそんな無茶な事を・・・」
九重 森羅の様子から見るにどうやら事態の把握は出来ているようだ。
この家と龍ヶ峰が敵対している事、自身の置かれていた立場、そしてこの状況。
九重家とは直接話したことはあまりないが、中々良さそうな逸材じゃないか。
「このようなお見苦しい姿で申し訳ありませんが、森鬼含め、我が家の人間が大変ご無礼を働きましたことに関して謝罪いたします。」
「ええ、この方は自身の主の為、我が家に訪れた事に関しては何も問題ございませんわ。ここまで主思いの従者がおられるなんて素敵な事です」
森鬼との対話した時の事を振り返ると大激怒していた葵様だが、それが主の忠誠心ないし、家族から見放され、手遅れになる前に起こした行動と知ると葵様の態度は頗る良い。
主思い、家族思いというのは葵様も共感できるところがあるのだろう。
そして九重 森羅は気付いている。
葵様が明言しているのは森鬼だけだ。
気付いているからこそ事の重大さを理解して顔面蒼白だ。
俺は口を出さない方が賢明か
「それに比べこの家の方たちときたら・・・」
勿論、訪れた際 正面突破という段取りだったが、最初は普通に訪問したのだ。
従者、森鬼に頼まれて治療しに来たと。
所が門番には全く取り合ってもらえず門前払い。
そして正面突破し、家の者達も誰もが似たような対応だった。
故に九重家制圧という形になってしまったのだ。
「現在我が家には弟側の人間しかいません。現当主に賛同できない者達には暇を与えました」
その言い方的には森羅が辞めさせた事になっているが、恐らく森羅派の人間たちを避難させたのだろう。
自身が完全に石化すると想定しての行動なら理解はできる。
葵様も何となく察せてはいると思うが、さっさと本題に移った方がいい
「今、そのような事を話し合ってもどうしようもないので 早速、治療に入りましょう」
葵様は森羅の横に座り、異能を発動する。
供に連れてきた私兵は部屋の入口に待機させる。
「葵様の治療行為が終わり次第、石化のサンプル採取の為、この専用のナイフで削るのでご容赦ください」
俺は石化サンプルを採取する準備を始める。
魔断のナイフの特性で葵様の治療を妨害しかねないので治療行為の終わりを待つ。
葵様がこの場で石化の治療は難しいというか、かなり可能性が低い。
研究所でサンプルを分析して治療薬を開発するつもりだが・・・正直、九重森羅の完全石化には間に合う事は無い。
助からない事を自身理解している。理解してなお、ここまで冷静でいるのは驚くべき胆力だ。
サンプル採取するにあたって手袋、試験管、魔断のナイフなどを用意していたが、葵様の治療行為は空振りに終わった。
「・・・葵様、もうよろしいかと」
「はぁ、はぁ・・・今の私では力不足なのね・・・ごめんなさい」
息絶え絶えの状態になるまで異能を行使して疲労困憊。
「お気になさらないでください、既に覚悟は出来ていましたので。今後私のように石化された人の為にどうぞこの身をお使いください」
「では失礼して・・・ん?」
サンプルを採取するため、魔断のナイフを使用したのだが・・・石化している部分が容易に削げ落ち、下から素肌が見える。
あまりにも脆かった為、下の肌を魔断のナイフで切りそうになってしまった。
「どうされましたか?」
「大幅に予定を変更します。根本治療にはなりませんが、このナイフで石化した箇所を治せます」
「それは本当か!?」
俺自身を含め、全員がこの結果に驚いている。
まさか、魔断のナイフがここまで効くとは予想外だった。
「ど、どういう事なのですか?」
「この場合は説明するより見てもらった方が早いですね」
そうして俺は九重 森羅の石化している腕にナイフを走らせる。
そうすると走らせた箇所から罅が広がり、剥がれ落ちる。
その様子に唖然とする九重と森鬼だった。
しばらくして、ある程度石化した部分を取り除いた。
「夢でも見ている気分です。死を覚悟していたのですが、こうもあっさりと解決してしまわれるとは」
「ですが油断されないように、完全に治った訳ではありません。とりあえずはこのナイフを3日貸し出しましょう。その後は定期的に貸出という形態でよろしいかと。」
「それはとてもありがたいのだけれども、まさか治ると思っていませんでした・・・龍ヶ峰は何をお望みなのかしら」
半年以上失踪していたのか
そして以前投稿した内容が反映されてないし・・・
次回はもっと早く投稿できると思いますが、ストックが全部消飛んでいるようなので
前後の話の調整の為、投稿済みも話も修正するかもしれないのでご了承ください。




