73
「提案?」
「こちらは成功報酬のみを請求するという形をとります。」
「その成功報酬とやらの具体的な内容は何だ」
やはりこの鬼 森鬼馬鹿ではない。
正確にリスクを計っている。
「内容は主に2つ。1つ目 龍ヶ峰家との関係改善、これは現在の敵対関係から中立に戻ってもらえればいい。2つ目 森鬼、お前の持つ情報全てだ」
「っ!?申し訳ないが両方即答しかねる。1つ目は俺にその権限が無い、2つ目は主に不利になるような情報は・・・・渡せない」
「素晴らしい、見事な忠誠心だ。安心して良い1件目は森鬼の主が復帰すれば自ずとそうするだろう。そして森鬼の情報に関しては九重家の情報は不要だ。」
その言葉を聞き、目を丸くする森鬼だが、すぐにこちらを警戒する。
「あまりにも都合が良過ぎる」
「なるほど、それは確かに警戒するのも仕方ない。だが、こちらとしては治療に関しては可能性は低いと思ってくれ。葵様の経験、石化のサンプルも取れればとこちらは考えている。勿論こちらは出来得る限りで治療する・・・そういう事情もあって成功報酬のみでこちらは構わないと提案している」
「わかった。お前の話に乗る。このまま手をこまねいていても事態は悪化する一方だ」
「とりあえず、石化の容体は?どこまで石化が進んでいる」
森鬼はその言葉に顔から血の気が引く。
「足先から始まり、もう肩近くまで石化している。」
「待って、貴方の主は石化してから結構な月日が経っているのでしょう?それだけの時間があったなら何かしらの治療なり、対策なりしている筈でしょう。何でそんなに石化が進行しているの!?」
「現在の当主は主の弟殿が舵取りをしているが・・・何を言っても進捗も無く、対応中だと言われてきた。龍ヶ峰家に依頼している最中だとも」
流石に予想外な展開である。
森鬼が焦っていた理由は理解出来た。
現当主は助ける気が無いのだろう。俺の記憶では九重家の依頼はここ半年1件もない。
「残念だが、今の九重家は森鬼の主を助ける気は無いな。龍ヶ峰家に九重家の依頼など届いていない・・・となると潜入か正面突破の二択か・・・・どちらが良いですか葵様?」
「・・・森鬼さん、貴方の主と九重家の現当主は兄弟、家族で間違いないのよね?」
葵様は平坦な声で、笑顔で森鬼に確認を取っている
勿論その目は笑っていない。
「っ・・・その通りだ。」
「犬童君、わかるわよね?」
「了解いたしました。正面から叩き潰せですね」
「えっと・・・一体何が起きているのでしょうか?」
目の前に今回のターゲット 九重 森羅のいる部屋に辿り着いていた。
「初めまして、龍ヶ峰 葵と申します。ダメ元で治療しに参りました」
「あ、ご丁寧に 私は九重 森羅と申します。このような格好でのご挨拶にご容赦ください。森鬼これはどういう状況でしょうか?」
かなり混乱してい様子だが、挨拶をしっかりしている辺り 肝が据わっているのか マイペースなのか
「えっと・・・この方たちに主の治療をお願いしに行ったのですが・・・」
かなり口ごもっているが、簡単に言うと
あの後私兵を1人加えて九重家を武力制圧した。
時間で言うと森鬼との話し合いから1時間経っていない。
「そうですか、龍ヶ峰が九重家を潰しに来たのですね」
おや?治療しに来た筈なのに、九重家を制圧しているのですが?




