表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/73

7

俺のフェイクから鳩尾への強烈な肘打ちが綺麗に決まり面白い様に飛んだ月島であった。

飛んで落ちた場所で痛みに呻き声を上げる月島

しかし、流石と言うべきかものの数秒で立ち上がる。




「やっぱりすごいな雅人は・・・ちょっと自信なくすよ。じゃあ、大人気無いけど僕も本気で行く」




月島の姿が霞んだ。そのワンテンポ遅れて月島が俺の目の前に現れ、拳を振りかぶった。

突然の事過ぎて咄嗟に対処出来なかった。

そのため、今度は俺が飛ばされる方だった。


地面に倒れ、体の痛みを引く間、俺は何が起きたか熟考していた。

月島の言動、先程起こった現象、そしてこの俺が地を這っている現状

これらの事から予想される事は・・・




「やっぱりこの力はズルいね」




月島は先程とは様子が変わり、落ち着いた雰囲気だった。




「お前の能力・・・移動系・・加速か」




俺は立ち上がり自分の予測を口にした。

それに月島は大きく目を見開いた。




「さすが雅人、僕の能力は君の予測した通り加速だよ」



「武術の心得があるお前と相性は抜群だろうな」



「ああ、この力を使って負けたことはないくらいさ」




胸を張って誇らしげに語る月島




「確かにそんな能力なら普通に勝てないだろうな、だから」



「?」



「俺も手札(カード)を切らせてもらおう」




俺は月島に接近して、拳を引く。

勿論、当たるとは思っていない。


案の定月島は加速を使い、俺の視界から消えた。

だから、拳を後ろに振りかぶる。




「なっ!?」




拳に確かな手応えが伝わる。

月島は腹を押さえ、口から血を(こぼ)しながらこちらを見ていた




「なぜ僕が後ろにいると・・・それにこの威力」



「お前は分かり易い、俺が何かしらのアクションを起こせばお前は俺の後ろを取りに来ることは分かっていた、それに言ったろ?手札(カード)を切ると」




俺の切った手札は|『試験品02』である。これは魔力を使い、身体能力を飛躍的に上昇させる。

飛躍的に上がった身体能力は腕力すら増大させる、しかし、それだけではない。本来は使う予定が無かったので調整していないが、攻撃がクリーンヒットした場合、相手の身体内部にダメージを与える。その結果がご覧の通りだ。

因みに魔力は外付けで補っているが体内の魔力からも使用可能だ。




「僕は負けるわけにはいかない、僕が雅人を正すんだ!!」



「正す?お前が 俺を?くくく、あはははは!!面白いな やれるならやってみせろ」




両者共に動き出す。

月島は目で追うのが困難な速度で犬童を攻める。

犬童は想定内の攻撃にカウンターを入れる。

月島の速度が速いというが犬童の攻撃速度も常人からすれば異常である。


一旦お互いに距離を空ける。




「何でだ・・なんでそんなに軽傷なんだ」




月島はボロボロで満身創痍であるのに対して犬童は目立った外傷はなく、擦り傷程度で平然としている。




「俺は手札を切ると言ったが手札(カード)の内容をバラす訳がないだろう」



「だらしないわよ月島君」




澄んだ声がこの場に響く。

人垣が割れ、ある人物がこちらに向かってくる。




「伊織会長!?」



「月島君、君は友の過ちを正すのだろう?私は君に期待しているんだ。失望させないで」




生徒会長が鼓舞したからか月島は目に見えてやる気を出し、戦闘の構えを取る

余計な事してくれたな、だが、お前が出てきた事を後悔させてやる




「これはこれは生徒会長、どうなされましたかここは生徒会長が蔑む|『蛮行』が今まさに行われているのですが」



「これは犬童君、またあなたが騒ぎを起こしているな」



「失礼ですね、俺は巻き込まれているだけですよ」



「我々生徒会はあなたを超危険人物に認定したわ」



「それはそれは光栄でございます」



「伊織会長、雅人と面識が?」



「え、ええ、新学期に少しね」




実に苦々しい顔をして話を(にご)す。

まぁ、理由は単純。

コイツが俺に勝負を吹っかけてボコボコにしてやったからだ。

まぁ、今回は顔に泥を塗りたっくってやるか




「今勝負|(笑)しているので邪魔です」



「雅人!!会長にそんな口の利き方は失礼だろ!!」



「いいのです、実際邪魔したのは事実です」




生徒会長はそれだけ言うと離れて行った


そういやアイツの名前なんだったっけ?




「さぁ、邪魔が入ったが続けようか」



「ああ、そうだな。・・・・・雅人、君はどうしてそんなふうに変わってしまったんだ。やっぱり、あの時の事故が原因なのか」



「確かに俺が変わったのはお前の言った通り例の事件が発端だ、だが俺はそれで現実を知った」



「何を言っているんだ?」



「お前にはまだ理解出来まい・・・さて、ここでお前に昨日の真相の一部始終を教えてやろう」




犬童は腕を天に上げ、指を鳴らす。

月島は何が起きてもいい様に構える。


最初に聞こえてきたのはノイズ音だった。




―――ジジッ――――――――――――




「うるさい!うるさい!!」




聞こえてきたのは声、女性の声だ。

校内放送にて流されている。




「男は這いつくばっていればいいんだ!私達の的になっていればいいんだ!!生きていていても何にも役に立たないクズが私に楯突くな!!」




風が激しく荒れる音がノイズとなって聞こえる。




「それがお前の本音か・・・そんな考えじゃあ、お前が風紀を乱す存在じゃないか」




男の落ち着いた声が聞こえる、犬童の声である。




「うるさい!!アンタなんか消えちゃえ!!」




――――ジジッ――――――――ブツン!!


放送が終わり、月島は顔を青くする。




「こ、これは・・・?」



「お前が言っていた俺とその女の会話の記録だ、風紀を乱していると難癖つけられたから反論したらこのザマだ」




月島はとある人に視線を向け、問う。




「今の話は本当ですか伊織会長」



「そ、それは・・・・・」




生徒会長が返答できずにいると犬童が月島の肩に手を置く。




「お前は騙されたんだよ、この学校の最高権力者で尚且つ、同じ役職持ちの事を正確に理解していない筈がない。」



「ち、違うの聞いてくれ月島君」



「俺は散々忠告して筈だぞ。自分の目で、耳で確かめろと・・・それを疎かにした結果がコレだ」



「会長、自分は・・・」



「おいおい、いい加減認めろ。何がどうあれお前は騙されたんだ・・・そして」




もはや、月島に戦う気力は無い。

そして生徒会長もそれなりにダメージを負った。




「これで終わりだ」




お前に情けはかけない。


月島の後頭部目掛けて踵落しを決め、月島は校庭の地に沈んだ。



たちまち周りから歓声が聞こえる。

派手に騒いでくれるようだ。

その方が有り難い。

生徒会長は生徒の波に呑まれ、身動きが取れていないようだ。


俺はコートを羽織り、フードを深く被り、校舎へ移動し小崎と合流する。


さぁ、ここからが今日本来の目的だ。


俺は服装を小崎と交換し、別行動で階段を上る。

少し上から様子を伺うと俺に変装した小崎を追う女子がちらほらと。


これで気兼ねなくアイツに接触できる。







俺はとある教室に入る。




「誰?」




そこには1人の女子がいた




「まずは、初めましてと言っておこう。白鐘 シロさん」



「あなたさっき校庭にいた・・・」




どうやら先程の月島との勝負を見られていたようだ。




「他のクラスにまで知られているとは・・・俺も有名になった者だ」



「たぶん、あなたの事なら上級生にも知られていると思う」




無気力に見えるが警戒心はある、まともな話が出来るほどには男子を敵視していないか。

まぁ、交渉を持ちかけるこちらとしては有り難い。




「そんな有名人のあなたが何の用?」



「俺は白鐘さんが喉から手が出るほど欲しているモノを持っている」



「私が欲しているモノ・・・」



「そして俺が欲しているモノをあなたは持っている」



「私が持っているモノ?」




女子は顔をしかめる。

どうやら理解出来ていないようだ。




「交渉なのに俺だけが理解しているのは不公平だな、では白鐘さんにお見せしよう」




俺は腕を上げ、指先から小さな火が出る。




「まぁ、こんな狭い教室では強い魔法は使えない・・・まぁ、これでは信じないからコレを見せよう」




俺の指から出ていた火が次第に強くなり、指を離れ、龍の形を作る。

その光景に白鐘は目を張って驚く。




「あなた・・・能力者だったの?」



「いや、俺は無能者だ。言っただろう白鐘さんが喉から手が出るモノだと」



「一体どういう・・・」



「俺が、いや、俺達は魔法の研究をして魔法を扱う手段を手に入れた。」



「魔法を扱う方法・・・?」




もう既にこちらの話を聞く態勢になってきたな。

さて、交渉を始めるか。




「そうだ、誰もが扱う事が出来る魔法だ、どうですか白鐘さんが喉から手が出るほど欲しいモノですよ」



「・・あなたがそれを提供する代わりに私はあなたに何を提供すればいいの?」




理性を忘れて欲するほど馬鹿じゃないみたいだな




「白鐘さんの膨大な魔力が欲しい」




彼女の魔力が高い事は知っている。

それ故全ての属性に適正が0であった事に対して周りの落胆は多かったのは予想するに容易い。

自分のコンプレックスを解消できるかもしれないが彼女は考えていた。

それはとても好ましい対応だ。

相手にもよるが犬童(オレ)のような問題児がこのような話題をする時は何かしらある。

今回は純粋に魔力が欲しいだけだから問題はない。




「すぐに返事がもらえるとは思っていない、じっくり考える事だ。サンプルを差し上げよう。ただし、そのサンプルは火球が3発しか撃てない」




そう言ってプレートを渡す。

このプレートは魔力解析し、研究している際に偶々出来た偶然の産物である。

このプレートはかなり特殊な素材を使用している。それを可能な限り丈夫な素材に変え使用しても、どれだけ改良を重ねても最下級魔法10回の発動の耐久に耐えられない。




「いえ、ここで返事を返すわ」



「ほぅ・・・」




先程まで無気力な雰囲気だったが、今は生気が(みなぎ)っている。




「あなたに協力致します」




白鐘が(こうべ)を垂れる

それを見ていると悪寒が走った。




「それがどういう事だかわかっているのか?俺が言うのも何だがお前は同族の敵に味方するという事だぞ」



「知らないの?私はその同族に虐げられているのよ」




こうして自分の意志で即行動に移せることには好印象だな。

いい駒が手に入った。

これで研究に必要な魔力の供給は解決した。




「君に魔力蓄積装置(ストレージデバイス)魔力操作装置(コントロールデバイス)を渡しておこう」




携帯電話(ストレージデバイス)スマートフォン(コントロールデバイス)に似た装置を渡す。




「魔力蓄積装置はわかるけど、魔力操作装置とはどういう事?」



「今、その札の次の作品を制作中でな。それを応用する装置だ。今は意味はないが大切に保管しておけ。他に何か質問はあるか?」



「今、この魔力蓄積装置に今、私の全魔力を入れて満タンにしたけど今後はどうやってあなたに渡すの?」



「それは今預かろう、今後は―――」




地震が起こり、ワンテンポ遅れて警報が鳴り渡る。

ヴィスタである。




「こんなに大規模な揺れは初めて!」



「いや、違う。これは・・・出現場所がここだ!!」




この教室の窓から見える場所にヴィスタはいた。


その姿は巨大な犬・・いや、狼だろうか。

その大きさは校舎の二階に届かない程度。




「避難した方が良さそうね」



「そうだな、俺は・・・少し見学していこう。奴等のデータも取りたいしな」




お祭り騒ぎをしていた生徒達はヴィスタの出現により、体育館の防護シェルターに避難を開始していた。

白鐘とは別れ、校舎にて雲隠れ。

人が居なくなった頃を見計らい、物陰でヴィスタを観察する。

(ヴィスタ)は周りの建物の臭いを嗅いでいた。

その巨体に似合わず|『クゥ~ン』と鳴いている。



このヴィスタ、子供なのではないだろうか?という疑問が浮かんだ。

こんな子供の狼があの魔女(クズ)共に殺されると考えると保護欲が沸いてきた。



そんな事を考えていると狼が毛を逆立てて東の空に威嚇し始めた。

どうやら魔女(クズ)が来たみたいだ。



遠目から見て、空に4人、校門に6人、合わせて10人だ。

俺は先程、白鐘から受け取った魔力蓄積装置を見る。




「これ1つでどこまでやれるものかね・・・」




もう一度狼を見る。

狼は威嚇を続けていたが、足が僅かに震えていた。




「いいだろう。(ヴィスタ)は関係ない、俺がアイツ等を殲滅する。全力でな」




犬童は自分の鞄の中にある、機械をいくつか取り出す。

その内の一つに先程の魔力蓄積装置を取り付ける。




「さぁ、狩りの時間だ」




犬童はまず、3階校舎のベランダに向かう。

辿り着いたベランダからはヴィスタと魔女を一望できる場所である。

そして地上の魔女共が校門を過ぎるのを確認し、とある装置のスイッチを押す。







魔女side



6人の内の1人が怠そうにちょっと装備が周りより充実した人に聞く




浅木(アサギ)隊長~」



「何?クルちゃん」




聞かれた本人は彼女の上司らしく、こんな軽口も普通に受け答えしていた




「今回の敵はどんな感じなんですか?」



「今回のターゲットは飛行隊の連絡によると犬型の獣だそうよ」



「なんだ、つまんないの」




その言葉に対して非難する声が上がる。




「ちょっと不謹慎よ枢木さん」



「なによ、チーちゃん。そう怒らないでよ」



「チーちゃんなんて呼ばないで、私には千代(ちよ)という名前があるの」




周りにいる彼女たちはその光景を笑って見ている。

そしていつものように隊長が締めるのだ。




「そろそろ目標地点に到着するわ、じゃれ合いはやめなさい。」



「「じゃれあいじゃありません!!!」」



「全く、仲が良いのか悪――――」




爆破音が彼女等の会話を遮った。

それと同時に激しい砂煙で混乱していた。




「何が起きた!報告しろ!!」




隊長が声を上げて事態の確認を急ぐ。




「あ、ああぁぁぁ!!!」




恐慌状態である枢木を見つける

話を聞くが要領を得ないがまとめると、先行していたメンバー3人が急に爆死した。


その時に気付いた。

これはターゲットの襲撃なのだと




「枢木、お前は休め」




枢木の首に手刀を落とす。

気絶した枢木を校舎にいれ、校舎を出る。




「隊長」



「千代か、何かわかったか?」



「近くにターゲットと思しきモノは確認できませんでした」



「一体何がどうなっているの!?」



「追加報告ですが飛行部隊からの連絡が途絶えました。撃墜された可能性があります。」



「彼女たちも!?そんな・・」



「もしかしたらターゲットは私達と同じく魔法を行使している可能性もあります。」



「・・・そんな危険な化け物をここで逃がすわけにはいかないわ、千代ちゃんは増援を要請するために一旦戻って――」



「失礼ながら私はいつも増援要請用に通信機を用意しています。要請も先程しました」




千代の速やかな行動に驚愕していたが、果てには笑いが込み上げてきた。




「本当にあなたが残ってくれてよかった。それにしても流石ね・・・あなたがどれ程ヴィスタを憎んでいるかわかるわ」



「私は両親をヴィスタに殺されました。ヴィスタは必ず根絶やしにしてみます」



「ガアァァァァァ!!」




突然、雄叫びが響く

その声の主はこちらに向かって疾走していた



Side out






「ほぅ、ここで動くか」




ヴィスタが少女2人を襲う場面を傍観していた。

あのヴィスタは爆発音によってあちらの存在に気付いたのだろう。

だから奇襲を仕掛けた。




「さて、双方どのような殺し合いをするのかな」




~5分後~

しばらく様子見をしているがヒドイ

あのクズ2人は大したコンビネーションだと最初は思ったが、ただ1人が突っ走ってもう1人がサポートにはいる。

これはサポート役が優秀なだけで丸でなっていない。まぁ、俺が殺した7人が他の役目を負っていたのかもしれないな。

そしてヴィスタ側だが・・・これまた酷い、まるで野性を感じない。これでは子犬のあそびだ。

・・・やはり、このヴィスタは子供なのだろう。

さて、ヴィスタに加勢するか


魔力蓄積装置を接続している武器を取り出す。

一言で言い表すと狙撃銃である。

その銃で狙いを定める。


発砲すると、サポート役の足を貫通。

これでまともに戦う事は不可、撤退するはず・・・

予想通り、撤退の準備を始めている。


しかし、困った・・・あのヴィスタに居場所がバレたっぽい

ヴィスタは俺の方を見つめ、尻尾を激しく振っている。


・・・嫌な予感しかしない


そんなことを考えているとヴィスタが先程戦っていた者を無視してこちらに向かってきた。

俺は逃げる、それ以外の選択肢はない。

確かに犬童はそれなりの体術を身に付けたが、あくまで対人用なのだ。

人外相手に想定されていない、獣に対応できる筈がないのだ。


校舎内を移動しているのだが、後ろから足音がするのだ。

しかも足音の間隔も短い。

全力で走る、追い付からたら死亡する可能性が高いからである。

あのヴィスタには俺が絶好のエサに見えたに違いない。


そして階段を下りる途中で背中に何かがぶつかる。

その衝撃で階段から転がり落ちる、受け身を取り、頭部を守っていたから気絶という失態は免れた。

走り出す前に何が起こったか確認する。がしかし、顔にべったりとした感触が訪れる。


犬童は状況を確認して呆然とする。

その間に顔は瞬く間にべたべたになってしまった。




「はっはっはっは!」




俺はソレを掴みとる。

ソレは何の抵抗もせず掴まれる。

大きさは片手で首根っこを掴み、持ち上げられる大きさで1頭身である。




「なんだ、このちんちくりんな犬は・・・」



「きゃんきゃん!!」



「まさか、これがあのヴィスタなのか・・・?」



「きゃんきゃん!!」




返事をするが如く吠える。

このヴィスタからは野生ではなく愛玩動物オーラ全開であった

そして全力でこのヴィスタは己の体をこすりつける。




「懐かれている・・・のか?」




ヴィスタ(コイツ)を手なずけられれば・・・いい駒を手に入れたかもしれない。

都合がいいな、丁度連絡手段が必要だったんだ。

帰ったらさっそく、躾けるかな。




「今日から俺がお前を飼う、異論はないな」



「きゃん!!」



「いい返事だ」




それからこのヴィスタを隠し、魔女共が帰還するのを待ったが・・・事前に応援を呼んでいたのか20人の魔女がこの高校に集結した。

遠目から見て話しあったり、泣きあったりしている。


仲間が7人も殺されたからか・・・ヴィスタという化け物を相手にしているなら覚悟の上だろうに


しばらくするとヴィスタの捜索が始まった。

勿論の事、校舎には入らない。

それはそうだろう。あんな巨体のヴィスタがあんな縮小化するなど誰が思うだろうか



結局見つかることなく、時間を2時間無駄にして帰還していった。

時間も遅くなり、日が傾いてきた

高校は強制下校になった。

犬童はその日、そのヴィスタを持ち帰った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ