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~龍ヶ峰邸・別館 訓練室~
「おかえりなさいませ わ――犬童様」
「・・・何か問題は」
「いえ、特にございません。ご一行はお食事が終わった所でございます」
「小休憩を挟んだら訓練室を使う、俺も参加予定だが何か依頼入ったか?」
「いえ、ございません。」
何も予定が入っていないのならたっぷりと時間が取れそうだ。
しっかりと月島を扱くとしよう。
「本当に使用人なんでいるんですね」
「正確には使用人では―――いや、気にしないでくれ」
先程の人物は大まかな括りでは龍ヶ峰の私兵なのだが、その私兵の中でも俺直属に近いというか・・・俺が拾ってきた者達である。
「もしかしてあの人も戦えたりするんですか?」
「勿論でございます、お客様」
「・・・まだいたのか、何か用件があるのか?」
「先程ご指示された事は予め用意していましたので他に何かご指示があればと」
「完璧超人ですね。それに戦闘もこなせるなんで凄いです」
「私如きには勿体無きお言葉でございます。そのお言葉はわ――犬童様にこそ相応しいお言葉でございます」
「おい、お前何を言ってんだ」
待て、コイツ普段からそんな事考えていたのか?
普段は無口だから全く分からなかったんだが、というかこんなに喋る奴じゃないだろ
「わかります!何でも涼しい顔でこなしてしまう所とか、2度目に会った時も周囲の人達が言えない事をズバッて言って迷惑な人に注意してたんです」
「流石若様――犬童様です!」
おいおいおいおい、何を言いやがっているんだコイツ等は
つか、2度目って初耳だ。そして内容!!全然覚えてねぇ!!
そしてさっきから若様呼びが所々出掛かって誤魔化してるのに、最後普通に言ってんじゃねぇか!!
「・・・もういいか?」
「「っ!!すみません!!(もうしわけありませんでした!!)」」
「石神さんは次回から気を付けてくれ、そしてお前は・・・特訓相手に付き合ってもらおうか」
コイツも特訓に参加させる 人手が多いに越した事は無い。
それにコイツは体術もしっかり体得している。特訓メンバーの中で月島、石神は近接強化。
体術を習得したいというメンバーは僕ッ娘、赤城、凛。
指導係として俺、錬そしてこのバカで3人。
「とりあえず、石神さんは夕食を準備させるので済ませてくるように、そしてお前はその用意の後、特訓に強制参加だ それの準備もしておけ。」
「はっ!かしこまりました!!」
その命令遂行の為にこの場から離れる。
「あ、あの・・・先輩は、食べないのですか?」
「ん?ああ、俺は後でだな。放置し過ぎた相手がいてな。その埋め合わせを済まさなきゃならなくてな」
最近アイツ等に構ってやれていないからな。
そろそろ相手してやらないとどんなことされるか予想が出来ない。
あの犬と蜘蛛の相手をな




