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改めて龍ヶ峰兄弟と月島、僕ッ娘、赤城の所に合流する。
「彼女も訓練に参加させます」
「よ、よろしくお願い致します」
「凛の対戦相手か、彼女にも剣を教えればいいのか?」
「いえ、試合をするだけで構いません」
「凛ちゃんと同じで可愛いわ」
「え?あの・・・」
どうやら反感はなさそうだ。
葵に関しては石神を愛でて、揉みくちゃにしている。
俺に対してSOSの視線を向けているが・・・俺にはどうする事も出来ない。
それを首を振って返答する。
「さっきの試合一方的だったけど、君の作戦なのかな?」
僕ッ娘が先程の試合で行われた空中離脱の事を言っているのだろう。
何故本人ではなく、俺に・・・ああ、まだ龍ヶ峰兄弟に話しかける程親しくないからか
「!?」
「そうだ、あれは俺が考案した。対空の事は以前から考えていたからな。上空から地上への攻撃は強力。ここのメンバーで言えば、錬様と赤城以外は事前に対抗策を考えておかないと、かなり厳しい戦いになる。」
「アタシは炎の遠距離攻撃あるけど錬・・さんはなんで?」
赤城も流石に龍ヶ峰 錬の事を呼び捨てにはしないか、しそうだったけど。
「まず錬様の異能 剣の加護自体が出鱈目な能力であること、刀状の物であれば斬撃が打てること、欠点として刀状であっても強度が低ければ威力は落ちる事・・・そもそも身体能力が異常だから跳躍で大抵の高さまでは跳べる」
「僕らはそんな出鱈目な異能持ちの人と訓練してるんだね、改めて凄いね」
「出鱈目は流石に失礼じゃないかな」
「凛様の場合、使える属性が複数ある為、空中戦も容易だろう。正直言うと錬様以外で今この中で1番強いんじゃないか?」
「そ、そうでしょうか・・・お兄様の方がお強いのでは?」
本当に以前の凛の傲慢な態度は何処に行ってしまったのだろうか
「いえ、皆様忘れているようですが、この中で私だけが無能者ですよ」
「えッ!?」
石神だけが声を上げて驚いたが、周りの表情からそういえばそうだったという表情が読み取れる。
石神が驚くのは無理ないだろう、凛の教官をしている者が無能力など有り得ないと。
「あ~、そういやアンタ無能力だったね。完全に忘れてたよ」
そう言ってケタケタ笑う赤城
「そこらの能力者より強いお前を無能者の括りに入れる訳がないだろう」
「でも強さ以外犬童君は優秀よ」
錬と葵が言っている事に対して月島と僕ッ娘は何度も頷いている
「あ、あの・・・」
「どうされましたか?」
「さっきの決闘において今後私はどのような対策を取ればいいんでしょうか?あと敬語は大丈夫です」
何故それを俺に聞くのだろうか?
まぁ今後の事を考えれば手懐けておきたい所だ
「まず、あの勝負で出来る事は空中へ逃げられた時、土壁を足場にして接近して撃墜する事。それが出来ないタイミングなら土壁を破壊して投擲物として活用する。他にも決闘場の石畳を剥がし、投げつける。材質にもよるが煙幕として活用できる時がある。・・・と準備なしであの場で出来る事はこんなところか」
「な、なるほど、勉強になります」
「それは、この子のあの時出来た選択肢だろ?犬童ならどうする」
「そうですね、私なら・・・」
そこで考え込む。
俺自身も似たような対策になるだろう。
相手が駆除対象ならそもそも決闘なんて回りくどい事をせずに、暗殺するかな
暗殺は回答出来ない、なら
「まず、スタート位置です。原則的に決まっていないなら、ある程度距離を詰めておきます。相手が距離を意識して離そうとしているのなら遠距離戦か空中戦に絞られます。避けたいのは空中戦ですので、牽制用のナイフをいくつか投げて時間を稼ぎ、接近します。もし空中に逃げられた場合は煙幕を使って身を隠します。そして移動しながら相手の攻撃で煙幕の揺れを読んで相手の位置を割り出し、更にナイフの投擲ですね。他には戦闘場所範囲の制限が無ければ入り組んだ場所に入り、相手を撒き、油断した所を投擲物、降りて近づくなら死角から仕留めます。他にも建物の中に入り込むなどもありです。」
空気より軽い拡散型の毒ガスを撒く事も有効だ
しかし、毒関連は龍ヶ峰の研究施設では研究されていない。
外部からの取り寄せは龍ヶ峰 玄一から許可は得られないだろう。
0から作るとなるとかなり厄介だな。
などと考えていた。
「今更だが俺に敬語を使わなくてもいいんだぞ、弟みたいなもんだからな」
「私もよ、お姉ちゃんと呼んでほしいわ」
「それは流石に・・・使用人だったので」
龍ヶ峰 錬と葵からそのような事が言われるとは思わなかったが、流石に兄弟のように接する事は出来る訳がない。
「錬兄様、葵姉様、お兄様が困っていますのでそこまでにしましょう」
思わぬところから助け舟がきたな
「凛もお兄様と言っているんだし、そうして欲しくはないのか?」
「そ、それは・・・そうですが・・・!!帰ってからお父様に決めてもらいましょう」
兄弟全員が頼めば、それはもはや決定事項なんだが・・・




