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予想外な事が起きたがこれでなんとか試合が成立した。

審判をする事になったが、近くで見れるのでこれ良しとする。

石神(いしがみ) 言葉(ことは)に出した勝利報酬は大胆なものにしてしまったが、何とかなるだろう。

対抗策もある事から勝てる可能性は十分に高い、しかし、石神が対空策を新たに持っているのなら勝負は分からなくなる。もし凛が敗北しても報酬は末の娘に激甘な龍ヶ峰 玄一が何とかするだろう。




「龍ヶ峰さん、あの人は貴女のお兄さんなの?」



「え?いえ、違います。お兄様は・・・私の教官です」



「教官・・・いいなぁ」




最後の方は呟きが小さくて凛には聞こえなかった




「では、準備もよろしいようなので始めてもらいましょう。この学校のルールは知りませんが、開始はコイントスをして地面に落ちたらスタートです」




そして、俺はコインを上に弾き飛ばし、落ちた瞬間に石神が凛との距離を詰めにかかる。

近接の方が攻撃方法が豊富なので想定通りの戦術だ。

しかし、




「っ!?」




通常通りなら、相手が接近されまいと撃ち出してきた遠距離攻撃を躱すのだが




「風が・・・強い」




石神に向かって強風を浴びせていた。

しかし、それでも石神は止められない。




「それも予想済みです」




凛は自分の下に土壁を精製して、その反動で空に舞う。




「くっ・・・やられた」




最初の強風は足止めではなく、石神の移動力低下を目的とされていた。

そして空を飛ぶ際にどうしても魔法を構築する際の隙が出来る。

そこを狙うつもりだった石神は内心焦っていた。

何故なら以前空中に逃げられた相手との試合は突発的な決闘で校庭で行われた。

しかし、今は決闘場 校庭と違い、場が整えられており、身を隠す障害物も無ければ、空中の相手を打ち落とす投擲物がない。




「じゃあ、いきます」




凛は両腕を大きく広げると、火球を作り始めた。

数えきれない程の量の火球を

点攻撃は躱されやすい、ならば面攻撃をすればいいという発想だ。

それを可能に出来る能力者はかなり少ない。


石神が両手を上げる




「降参です。これじゃあ何も出来ない」




凛は火球を消し、地面に降り立ち、石神の所へ向かう。




「ありがとうございました。」



「貴女の作戦勝ち」



「これで1勝1敗だね」



「っ!?・・・次があるなら負けないよ」




今回は相手の油断や凛の準備が功を奏した。

どうやら、少し打ち解けているように見える。

そこに龍ヶ峰兄弟が集まる。




「見てたぞ凛、リベンジおめでとう」



「凛ちゃん頑張ってたものね」



「ありがとうございます兄様、姉様」




それを見ていた石神はその場を立ち去ろうとする。


ここで逃がすには勿体無いな




「少しお聞きしても?」



「・・・はい、何でしょうか」



「貴女が勝利したら何を望みましたか?」



「・・・・・」




彼女の望みが何であれ、それを餌にして使える駒にしたい。




「図々しい事ですが・・・貴方と勝負がしたいです」



「・・・・・・・」




龍ヶ峰の総力をもって望みを叶えると言った筈なのに、俺との対戦を希望している?

全くもって理解が出来ないぞ





「本当に図々しいお願いでした、忘れてください」



「いや、全くもって問題ありません。無欲な方ですね」



「え?」



「今すぐにでも、と言いたい所ですが部外者が決闘場を使う訳にはいかないので・・・龍ヶ峰の施設でやりましょう。」



「え?・・・えっと」




相手が混乱・動揺している間に話を纏めてしまおう。

この人材を逃すには惜しい




「これから私達は龍ヶ峰邸に戻って訓練を行うのですが、今から来られるなのなら、そこでお相手しましょう」



「よ、よろしくおねがいします」



「こちらからもお願いしたい事がいくつかあります」



「えっと・・・なんでしょうか?」



「先程のお願いと同じく、別の人と試合をしてほしいのです」



「そんなことでいいのならお手伝いします」




やけに協力的というか、従順というか・・・なんだか若干懐かれていないか?




「では、さっそく向かいましょうか」

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