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僕ッ娘と龍ヶ峰邸に向かう道中、私兵に連絡を取る。
赤城は病院に向かっていたとの事だったので簡単に迎える事が出来た。
月島に関しては自宅に到着、これから訪ねるとのこと。月島には問答無用で強制拉致せよと注文しておいた。
「ねぇ、さっき電話で物騒なこと言ってなかった?」
「安心しろ、赤城には丁重に迎えるように指示してある」
「えっと・・・月島君は?」
「・・・・・?何か問題でもあるのか?」
「あ、うん」(月島君に対してのあたりが強いのが君の普通なんだね)
毎度のことながら変な事を聞く僕ッ娘だ。
徒歩で龍ヶ峰邸にそろそろ到着しそうだ。
進捗状況を確認すると赤城も月島も問題ないそうだ。
龍ヶ峰邸前に到着すると私兵の車も丁度良く到着したようだ
「あ、シャルもいたんだね」
「う、うん 元々彼に用事があったから・・・ねぇ、月島君は――」
「あれだよね」
月島は簀巻きに猿轡された状態で私兵に運ばれていた。
強制拉致と命令しただけだが、簀巻きに猿轡 徹底したな・・・私兵達の兵装を個人カスタムを進めてやろう。
「さて、全員集まったし さっさと行くぞ」
私兵から月島を受け取り、4人で玄関先に集まると扉が開く。
「あら、いらっしゃい犬童さん」
「葵様、お久しぶりです」
龍ヶ峰 葵が1人で出迎えてくれた。
「葵様 お一人での行動は避けてくださいと以前、玄一様から言われていた筈では?」
龍ヶ峰 葵は希少な治癒系の魔法所持者 更にその治癒異能の中でも最上位に君臨出来るほどの存在であるが故に様々な者達から敬われたり、疎まれたりしている。
そこで龍ヶ峰 玄一は常に護衛を付かせている筈なのであるのだが、葵は日常生活において護衛を付かせたがらない。
「今回は犬童君がいるから大丈夫です、お父様からも許可は頂きました」
あの|玄一様(親馬鹿)は娘にはあまい。末の娘 凛には極甘である。
「とにかく、私の役目を果たしましょう 『上位回復』」
俺達4人の身体が光り、それが収まると全員の怪我が完治していた。
「ん?」
「え?」
「もご!?」
上から順に赤城、僕ッ娘、猿轡された月島 回復系の異能を使われたことが今までなかったのだろう。あの感覚と回復されたに驚いているようだ。
「接触せずに回復させることが出来るようになったのですね」
「犬童君が頑張ってる事は知ってるし、私も成長してるのよ」
「錬様は修練場ですか」
「ええ、犬童君達が来るのを待っているわ」
「では、修練場に向かいましょう」
修練場に5人で向かうことになった。
「治療の件ありがとうございました」
「アタシからもありがとな」
2人とも感謝を告げていた、月島は俺が足を持ち、引き摺って移動する。猿轡をされている月島が何か叫んでいる気がするが・・・無視した。




