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「この後の予定が無ければあっちの用事を済ませるか」



「え?何かするの?」



「春闘祭に出場していた人にお願いしたことがあってな」




龍ヶ峰 錬との約束だ、怪我人がいるから後回しにするつもりだったのだが錬の性格上次に会った際に迫ってくるだろうな。




「えっと・・・龍ヶ峰 錬さんだったよね。じゃ じゃあ、僕は邪魔になりそうだから」




そう言って帰りそうになる僕ッ娘の肩を掴む。




「お前も行くんだよ」



「えええぇぇぇッ!?だって龍ヶ峰の人だよ!?許可もなく―――」



「ああ、そうだな。先にアポ取っておくか」




確かに龍ヶ峰2名にこれから会うつもりだったが、相手側の都合というものがある。先にそれを確認しておくべきだった。

まさかそれを僕ッ娘に言われるとは




「少しは学習の成果が出ていて僕ッ娘は本当に教え甲斐があるな。」




俺はそう呟いてこれから会う2名に連絡を取る。

1人目は即答で快諾、2人目は・・・うん、まぁ面倒な事になったがいつでもいいとの事




「龍ヶ峰の方は連絡取れたから僕ッ娘には赤城への連絡を頼めるか?」



「え?あ、うん・・・わかった」



俺がさっき呟いてから顔が赤いな、それも含めて問題ない。

さて、俺は月島に連絡を取るか




『よぅ月島、きちんと休養してるか?』



『い、いきなりだね雅人、今もベットの上だよ。動くと痛くて』



『それの解消も含めてそっちに人を寄越したから龍ヶ峰邸に来い』



『え?それってどういう―――』




俺はそこで通話を切る。

月島には断らせる暇は与えない。奴を錬に(しご)かせるのが・・・剣の扱いを覚えさせるのが目的だからな。本人がいなくては意味がない。




「あの・・・ほむちゃんは検査で病院に行かなくちゃいけなくて無理だって」



「その検査はキャンセルしろ、こっちの方が早い」



「それってどういう―――」



「ちょっと代われ」




僕ッ娘は赤城と通話したままだったので赤城本人と連絡を付ける。

たった二言、「悪いようにはしない、命令だ来い」で切る。



正直に言って全員怪我人であるが、問題はない。

龍ヶ峰の1人目にアポを取ったのは葵である。

彼女は希少な治癒の能力を所持している。

希少な中でも更に希少 完全回復(フルリカバリー)が使用可能

彼女にかかれば怪我などあってないようなものだ。


流石に赤城の検査先に連絡を入れておくか。




「ほむちゃんは怪我が治ったばかりだからあんまり無茶は・・・」



「それを言うなら全員が怪我人だろう。その辺りも問題ない。」




さっさと僕ッ娘を連れて龍ヶ峰邸に行くか。

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