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そうして最後の相手がステージに上がる。




「あなたが一番手になったのも予想外ですが、この展開は想定内よ」



「こちらはまさか龍ヶ峰 錬を味方につけていたとは本当に予想外でしたよ」



「あら、貴方の予想を越えられて嬉しいわ」




バチバチと音がする。


この様子だと内心苛立っているのか・・・




「そうですか、想定内でしたか。では俺に勝つ算段をお持ちで?」



「勿論ですわ、しかし、貴方はそんな状況で戦えるのかしら?ふらついてますよ」




確かに、錬との試合が効いているが・・・これだけが原因じゃない。

毒使いの毒が原因になっているだろうな。結構体力的に辛いな。




「先程の相手よりは対処しやすいのでお気になさらず」



「へぇ、言ってくれるわね。じゃあお望み通りボロ雑巾みたいになりなさい」




その言葉と同時に相手が消える。




「またその戦術ですか」




高速移動からの攻撃は月島や先程の龍ヶ峰錬との戦闘で大分慣れてきた。

それに生徒会長が雷の使い手で尚且つ高速戦闘を主体として戦う事は既に周知の事実である。

これは小手調べの挨拶代わりという事か。

小手調べ程度ならくれてやる。




「ぐっ・・・」




横の肋骨に回し蹴りを食らい、吹飛ばないように耐える。

そして生徒会長の足を掴もうとするが―――




「動きにキレが無くなってきてますわよ?」




高速移動で躱されてしまった。




「確かにあまりよろしくないですね・・・では少しやり方を変えてみましょうか」



「え?」




俺は持ち込んでいた煙玉を叩き付ける。

黒い煙幕が辺りを包む。

相手の高速移動は視覚情報を元に距離を取って移動をしている。

このように視界の悪い所ではまず使えない。

そもそもの謎だが雷使いというのは高速移動が出来る能力なのだろうか?

戦場で似たような相手と遭遇した事がある。アイツは厄介だった。




「それを考慮しての煙幕だ、黒い煙幕の中で雷の光はよく目立つ」



下の方に二つの光源が見える

俺の予想通りだ。

その二つの光から予測して拳を振りぬいた。




「きゃっ!?」



「腹に当たったか、先程のお返しにはなったな」



「あの煙幕の中で何故私の位置が・・・」




あの状況ならもう一発入れられるか




「あまりスマートではありませんが、仕方ないわね。」




何かをする気か、様子見で下がるか。


煙幕の中で急に光が溢れる。

放電という訳か、大分力を浪費してくれるのは有り難いが、何かあるな。


放電された雷は次第に収束して小さくなっていった。

大量の雷で煙幕は散らされてしまった。

そして見えたのは雷を纏った生徒会長の姿だった。




「私にコレを使わせたのは褒めて差し上げます」




煙幕使っただけで褒められるとは随分と安上がりだな




「先程は転化していたのに今回は纏うだけなのか?」



「ッ!?、気付いてましたのね」



「転化武装した奴と相手した事があるものでね」




戦場で遭遇したアイツは本当に厄介だった。

殺し損ねた挙句、こちらが率いていた部隊を壊滅状態にさせられたのだから。


今、生徒会長がしているのは転化ではなく、纏っている状態だ。

手先から肘、足先から膝、胸から腹まで雷で覆っている。

転化というのは生身の体を各属性に転換して物理攻撃が一切効かない、そして属性に合わせた能力まである。

戦場で遭遇したのは関節部分以外は全て転化しており、撃退するのに本当に難儀した。

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