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親父に見込まれている・・・ね。




「見込まれている度合を考えれば錬様の方が見込まれていると思いますがね」



「それ、本気で言っているのか?それは侮辱ととっていいな」




嘘はついていないんだがな、どうやらコンプレックスの様なものを踏み抜いてしまったか?

意図した事ではないが、攻撃が単純になればもうけものか



そう考えていると再度、相手の姿がぶれた。

俺はその場で一歩大きく後ろに下がる。

その直後に風圧を感じ、もう一歩下がった。




「何故躱せた、今までは直撃か、防御しかされた事は無かった」



「単なる予想と状況判断、そこから基づく行動ですよ」



「なるほど、それがお前の強さの秘訣か」



「ええ、その通り。研鑚すればするほど精度が上がっていきますよ錬様もどうですか?」



「確かに欲しい力だが・・・俺には無理そうだ」




そろそろ相手のスピードに目が慣れてきた。

月島の馬鹿みたいにスピードが速い相手を何度もした甲斐があった。




「じゃあ、お前もこのスピードに慣れて来ただろうから本気を出すとしますか」




おいおい、まだこの上があるのか!?


そんな事を考えていると相手の姿が消える。

その瞬間に動き出す、このまま動かないのは下策だからだ。

地面を転がるように移動したはずだが。




「くっ・・・!」




俺は腕を抑えた。

明らかに腕に攻撃された。




「この攻撃すら完全に入らなかったのは初めてだよ。いや、大体が動かない相手を斬ってきた」




剣の加護とはここまで凄まじいものなのか

この試合に勝つには本当に割に合わない手札を使わなければ無理かもしれないな。

だが、その前にやれる事を試しておくか。




「それはそうだろう。錬様の能力を知らずに初見で対処するのは不可能だ」



「事前に知っていてもここまでついて来れた者はいない!!」




また錬の姿が消える。

しかし、こちらは先程とは違う。

俺の避けた先、そこには最初に弾き飛ばされた木刀が転がっていた場所。

そして俺はその木刀を全力で横に薙ぐ。

その結果、俺の木刀は砕けた、錬の木刀を巻き添えにして。




「・・・っ、何故俺の攻撃を」



「勘ですよ」




実際は勘ではない。

俺は錬の戦闘データをあらかじめ持っていたのが大きい。

そのデータから動作の癖、体の動かし方、呼吸、太刀筋など散々調べ上げた。

先程受けた攻撃の速さは脅威に値したが、攻撃前の予備動作でどのような攻撃、太刀筋かを予測した。

打ち合うタイミングに関しては攻撃を受けた時と同じ距離を保つことでタイミングを合わせた。

この事が出来る状況に持ってくるのは割かし運が要求されるが、今回は上手くいった様だった。




「・・・ここまでかな」



「?」



「流石に部外者がトドメ刺すわけにはいかなかったからな」




いやいや、滅茶苦茶殺る気満々でしたよね?




「丁度木刀も折れたし、降参するよ」




この台詞で勝利宣言が響いた。

降りる前に言っておくか




「こんな時になんですが、錬さんにお願いが」



「ん?犬童が俺にお願いなんて珍しいね、いいよ。本来はここまでやるつもりなかったし、そのお詫び」



「最近、獲物を剣にした友人がいて、その手ほどきをお願いしたい。ついでに俺も」




物凄い勢いで手を掴まれた。




「いいね、是非しよう!いつにする 明日!?」




おいおい、剣の加護今は発動してない筈だよな?見えなかったぞ・・・




「それはもう一人と要相談して決めます」



「じゃ、楽しみにしてるね」




そう言って手を振りながらステージから降りて行った。

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