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月島の治療を終え、決勝の舞台へと上がる。




「あれ?転送装置がない?」




毎試合ごとに転送装置から試合会場に向かっているのだが、今回はその転送装置が無く、撤去されていた。




「そうよ、今回は当学園の決闘場で決着をつけるのです!」




生徒会長がそう高らかに宣言した。

そして各々の感想が漏れ出る。




「もしかすると予算が足りなくなったとかかな?」



「流石にそれは無いと思うなぁ・・・」



「いや、不景気の影響があるのかもね」



「ほむちゃん、それはちょっと失礼じゃないかな?」



「はぁ・・・で、一応聞くが、何が目的なんだ?」




好き勝手に推測が始めて、ぶっ飛んだ方向に向かっているが気にしないでおこう。

今まで演習場などを借りていて決勝戦だけ予算不足という訳ではない筈だ。




「勿論、きちんとした理由がありますわ」



「まぁ、そうだろうな」



「・・・貴方もしかしてお気づきで?」



「そこまで自信ありげの態度だといくつか予想は付く」




予想は予想であって、まだ確実な根拠などは全くないのだが・・・




「そうなのか雅人!?」



「どんな理由だろう?」



「何でも構わないよ」




コイツ等はまだ自身で考えてくれないんだろうな・・・




「一応その予想、聞いてもいいかしら」



「・・・ここで当てられたらまずいんじゃないか?」



「っ!?・・・そうね。そういう事にしておきましょうか」




この反応、裏に誰かいるな。

この場合はコイツの親か、そのコネクション辺りが有力と見る。




「さて、今回のルールを説明いたします」




簡単に言うとルールは以下のものとなる。

・対戦は1対1

・試合合図は決闘と同じくコイントスで行う

・勝ち抜き戦

・死傷行為厳禁

・降参、気絶は敗北とみなす

・試合の横やりも関係者側の敗北とみなす


など勝ち抜き戦以外は基本的には同じものばかりだ。




「じゃあ、お前達はそこで待っていろ」




俺が決闘場のステージに上がる。




「あら、貴方が先鋒ですのね」



「ああ、そうだ」



「てっきり、あの炎の使い手か、月島君かと思ったけど」



「まぁ、それも有りだったんだが・・・少々アイツが俺をイラつかせることばかりしてくれるからね。丁度いい八つ当たり相手が欲しかったんですよ」



「あなたのそれ割と最低発言ですわよ?」



「・・・?俺は自身の事をクズだと思っているので問題はない。無駄話もここまでだ。始めようか」




俺の記憶が正しければ今俺の相手をするのは水使いの筈だ。

しかも、無から有を生み出すタイプだ。



審判が試合開始の合図にコイントスを行う。

その合図に合わせて相手が構える。


先程月島達にこの闘いを見るように伝えた。

だから俺は月島に戦い方を見せなければならない。

そもそも今から俺が行う事は「戦い」ではない。


試合が開始し、相手が構え終わったのを確認して動く。

試合開始前から相手が弱腰であるならば・・・




「がはっ!?」




急接近して体術で鎮める。




「え?」




簡単に説明してしまえば試合開始に飛び膝蹴りを相手にかましただけだ。

更に接近して追い打ちをしようとしたが、相手が立ち上がる様子が無く、気絶している事がわかってから動きを止める。




「決勝にあがって来るからどの程度かと思えば・・・大したことないな」




これでは月島に見せる試合にならないではないか。

この戦闘法は以前月島に使った事があり、月島は膝蹴りを食らった後にきちんと立ち上がって見せた。

勿論追撃であえなく撃沈したがな。




「さぁ、次は誰が相手だ?」

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