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そうして月島の計略によって春闘祭に参加させられる破目になった。

そして今はその準決勝戦の真っ最中である。使われているエリアは森林、いわゆる山である。

俺、僕ッ娘がフラッグのディフェンスに当たり、月島と赤城がオフェンスという形だ。しかし、俺の役目はフラッグと僕ッ娘の防衛である。




「ほむちゃんと月島君 大丈夫かな」



「・・・」



「君はどう考えているの?」



「赤城 焔は対策され苦戦を免れないだろうな、そして月島もいい経験が出来ると踏んでいる。」



「確かにほむちゃんは火対策されるのは分かるけど、月島君にとっていい経験って?」



「俺の予想では月島達は―――負ける」



「え・・・?」






~月島side~


月島、赤城の2人は相手チーム4人と対峙していた。




「数の差では不利だ。一旦戻って」



「男がみみっちい事言ってんじゃないよ」




赤城さんは周りを考えず、炎をばら撒く。




「ちっ、山火事とかの心配しないのかよ」




相手チームが毒づく。

しかし、相手チームは先程の赤城さんの攻撃で2手に別れる。




「こんなで退いちゃ、アタシじゃないっての!!」




すぐさま、赤城さんは分かれた片方に向かう。

僕はそれについていこうと――――いや、待て。

ここで赤城さんと合流したらどうなる・・・2対2になるけど、すぐにまた4対2になるか、雅人たちが2対2 シャルさんの怪我を考えて実質1対2、でも雅人なら―――いや、雅人はフラッグの防衛もあるんだ。病み上がりの雅人に負担をかける訳にはいかない。

それに―――



「雅人が任せてくれたんだ。僕に出来ない訳がない!!!」




僕は赤城さんとは別の相手に向かう事を選んだ。




「ふん、少しはマシな判断が出来るじゃないかい」






~side out~






「負ける・・・ってどういう意味ですか!?」



「相変わらずお前達は質問が多いな、質問が無い時など無いんじゃないか?」



「はぐらかさないで!!」



「はぁ、簡単に言うと月島がただ単に実力不足という事だ。」



「実力不足?月島君は弱いようには―――」




コイツは気付いていると思っていたがまだその域には達していないか。




「確かにアイツは弱くない、だがそれは初見である場合だ」



「それは―――」



「少しは自分で考える癖が身に付いたんじゃなかったのか?」




べリアがコイツ等を俺の付近に置くのはいくつか理由がある。

まず予想されるのは俺の監視だ、俺がべリア教官を出し抜いた事で俺に対する警戒の現れだろう。

次に元々の任務であろうヴィスタ捜索の為に送り込んだ調査、あの狼のヴィスタは学校で消息が途絶えたと予想できるし、調査が元々で監視はその後に付け加えられたものだろう。監視というより抑制させるために近くにおいているのかもしれない。俺はコイツ等がいるせいで慎重にならざるを得なかった。

そしておまけとしてコイツ等の成長の為にコイツ等を俺の近くに置かせた。


そうこう考えている内に僕ッ娘の考えを言葉にする。




「月島君が対策されるから?」



「良い答えだ、根本的な原因はそれで間違いない。だが月島はそれに気付かない いや、気付いてはいるが気付いていないふりをしている節がある。」



「でも月島君は傲慢て言う感じじゃないと思うけど」



「いや、傲慢だ。いつまでも自分の力が通用すると考えている。ある意味怠慢でもある。お前は状況によって変わる力だ。対策をするには状況を作るという事をしなくてはならないが、月島は違う、対策はいくらでもある。」



「でもそんなに簡単に月島君が倒されるかな?月島君と模擬戦も結構やっているけど普通に強いと思うけど・・・」




コイツはまだまだ思考が常識に捕らわれている。そこを抜け出す事が出来れば・・・はて?どうして俺はコイツの成長を考えているんだ?




「真正面に戦えば月島は強さを発揮できる。だが、奇襲や複数の相手にはアイツは対応できない。そしてどんなに早く動く事が出来ても範囲攻撃の広い攻撃にはアイツは対応できない」




そしてアイツの異能は制限があると考えていい。制限か、負担、何でもいい。出来ない事がある。

アイツは自身の異能を秘匿していない。それでは相手に対策されてしまうのは仕方ない事だ。




「でも君はそんな方法取ってなかったよね?」




確かに月島に対してそういう対策をしていれば月島も何かしら対抗策を練ったかもしれない。

俺は諦められるのを恐れたのかもしれない。




「アイツをへし折るにはその方が効果的だろ」



「あ、あはは・・・君らしいね」




僕ッ娘に苦笑いされてしまった。

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