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俺は事務的に自分の犯した後処理を行う。


身体が怠い、まだ時間はある。

作品の納品しなくてはならない。

そしてその説明やら実証をやらなくてはならない。

くそ、やる事が多いな。

だが、これでやっと・・・大方の準備が出来る。



俺は仕事用の携帯をかける。




「俺です、はい・・・現在の搬送状況はどうですか?・・・その進捗具合ならこちらが直接龍ヶ峰邸に向かった方がいいですね。では、そういう手筈でお願いします」




俺は後処理をしたが未だ惨状が残るこの部屋を後にした。

無論、出向く先は龍ヶ峰邸だ。



龍ヶ峰の家主が一番先に献上するが、主な使用者は私兵という名のエージェントである。

その中でも一番世話になった人物には一般品よりグレードが高い、量産が厳しい製品を献上する。

その人物は2人いるので、それぞれに合った製品を用意した。

これから製品の説明や実演などを行いに、龍ヶ峰邸に出向く。






そして龍ヶ峰邸 書斎にて



「いずれ完成させるとは思っていたが・・・ここまで早く実装するとは思いもしなかった、本当に君は素晴らしい」



「今までお待たせして申し訳ありません。今回の実装は試験的なものです。多くの使用データを集めるのが目的です」




そう、今回の目的はデータの収集だ。如何せん使用しているのは俺しかいない、それではあまりにも偏ったデータしか取る事しか出来ない。




「今回は当主と私兵の分、合わせて52の製品を用意しました」



「・・・君はこれを公表をする気はないのか?」



「今は需要と供給が間に合いません」



「そういう事ではないよ、君の成した事はとても大きなモノだ。いずれは公表する気なないのかという意味だよ」



「・・・まだ暫くは公表しません。公表したその瞬間から様々な者から標的に成り得ます。それを跳ね除けるほど力をつけなければ公表はしませんね」



「なるほど、君はきちんと考えているようだ、私が心配するほどではなかったな。君が魔法の解析し、実装した事で燃え尽きている可能性もあったからね」



「ご安心ください、魔法の解析、そして実装は過程に過ぎません、これでようやく一歩 歩き出せる」




そうだ、これで俺の目的がようやく一歩を踏み出せる。

だがまだ時ではない。

それよりも、まだ危険因子の可能性を孕んだ奴らがいる。

人物の特定はだいたい見当は付く。

噂程度の存在なら放置しても問題なかったが、Valkyrieの組織で見せたあの行動力は危険に値する。どちらかというと嗅ぎまわられると面倒な事になる。

潰す事も考慮するが悪目立ちすぎる。




「では、まず使い方を説明します」



「ああ、よろしく頼む」






そうして俺は兵器を授与した者全てに使用法を教授した。

その他には私兵の中でも一番世話になった人と世間話をした。

龍ヶ峰の私兵は大抵遠征隠密諜報活動を行っているため、会う事は滅多に少ないのだが、今回は俺の兵器を己の物にする為の訓練期間があてがわれる為しばらくは龍ヶ峰邸で訓練を行うことだろう。

勿論、訓練の際野外の訓練は禁止してある。誰に見られるか分かった物ではないからだ。

まぁ、千里眼みたいな能力者には意味がないがな。

そんな能力者がいない事を祈るしかないな。




「それと少々気になる事があります」



「何かね?」



「研究室で開発された魔法外兵器の事です」



「ああ、あれらは使い捨てだが大変便利だ。君の道具のおかげで何度か窮地を救ってくれているよ。私兵達からも評判がいい」



「そうですか、先日その道具の中で非殺傷道具のスタングレネードを持った相手と臨戦状態となりました。」



「ほう、物騒だね」



「相手を取り逃がしまして・・・」




俺が取り逃がしたと言うと大きく目を開かれて驚かれた。




「逃がしたのか?君が?」



「・・・ええ、仲間に意味なく突貫してくれた輩が居た者で。」



「なるほど、でも足を引っ張る者がいたとしても君なら何とかできると思っていたが、私は君を何者だと思っていたんだろうね」




確かに俺の周りの人間は俺を過大評価している節がある。




「まだ泳がせているだけですよ、相手の目的は潰せましたし。」



「そうか・・・では件の道具の経路を調べさせよう」



「お手数おかけします、では自分はこれにて」




こうしてまた自分の住処に戻る。






部屋にて開口一番に会ったのは玄関先でお座りをして待っていたヴィスタだった。

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