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俺はそのまま訓練室を出て、Valkyrieの施設から自宅へ向かう。

勿論、先程の訓練に助手として補助してくれた相手に金銭は支払った。

それなりの出費だったが月島の成長の為には必要経費だったと割り切っていたのだが・・・まさか、僕ッ娘がここまで俺に食いついてくるとは思いもしなかった。

・・・月島が僕ッ娘のようになれば良かったんだがな。


俺は帰路についている最中に頭を覆いたくなるような衝動に駆られる。


俺は、俺は一体今まで何をしてきたんだ・・・

ここまで月島に力が付かないとは想定外だ。

今のところはそれでも計画に致命的な事ではあるが、当面は大きな支障にはならないが・・・こんな事では困る。

それに明らかに月島と僕ッ娘に実力差が埋まってきている。初めは月島が群を抜いての強さだった。

それは良くない。


そして先程の僕ッ娘の思想は俺と同様に限りなく近い。

それを持っていた者が周りに居なかったからか、僕ッ娘に熱くなってしまった。

冷静さを失っていたのは確かだ。

こんな事では俺が目指すモノには手が届かない。

どこかで梃入れをする必要があるかもしれないな。


俺は帰宅してから龍ヶ峰家に連絡を入れた。

用意していた物が出来たと。

連絡を終えると部屋を完全に閉め切り、寝に入る。






~3日後~

月島side



あれから3日たったけど、雅人が言った通りやっぱり学校には来なかった。

それから僕達は連携の訓練を重点的に行った。

それと前まで僕の方が競り勝っていたシャルさんが僕とよく引き分けるようになった。

彼女の成長には目を張る物がある。

僕もうかうかしていられないな。


そうして雅人が休んでから5日目




「今回は長いな犬童の奴」



「今回?小崎何か知っているのかい?」




僕の言葉に赤城さんとシャルさんが反応する。




「ん?ああ、そうか転校生組は知らないよな」



「それはどういう意味ですか?」



「犬童は定期的に休んでるって事、それも学校公認でな」



「学校公認?そりゃ気になるね」




すると小崎の顔に一瞬影が差す。




「なんかさ、精神的な病気らしいからその辺はあまり触れない方がいいと思うぞ」




普段明るい小崎がこんな雰囲気で話すのは初めてだ。

そんなに重症なのだろうか?

そんな雰囲気を察知してか小崎は明るい調子で告げる。




「いや、でも普段からあんだけ動いてんだから大丈夫だろ」




確かに小崎の言うとおり雅人は学校中の女子を敵に回している、重症なら相手をする事はできる筈がない。

僕は納得したけど、シャルさんは納得していないのか何か考えていた。




「お見舞いに行けないかな?」



「ああ、それはいいね。アイツが居ねぇと暇だしな」



「そうだね、ちょっと平和だしね」



「多分だけど、彼が聞いたら怒られるよ?」



「「ん?」」



「春闘祭が間近なんだよ、きっと暇とか言ったら怒られるよ、きっと。」




・・・・シャルさんがまるで雅人みたいだ。

それより雅人の考えが読めるようになってきたのかな?




「それもそうだけどさ、シャルは見舞いには行かないのか?」



「そ、それは・・・・・・・・・・・僕も行く」



「まっ、そうだよな」



「だって・・・気になるんだもん」




雅人は友達から高い評価を得ているみたいだね。




「残念だが見舞いも無理じゃないか?」




僕とシャルさん、赤城さんが一斉に小崎に視線を向ける。




「お前ら犬童の居場所を知っているのか?因みに俺は知らないぞ」



「え?彼は龍ヶ峰の屋敷にいるんじゃ・・・」



「そういえば・・・前に行った時、雅人は居なかった」



「勿論アタしゃ知らないよ」



「ぼ、僕も・・・」



「誰も犬童の居場所を知らないってわけだ、諦めた方がいい」




何だろう、小崎から少し違和感が残る。

何か僕達に隠し事か?




sideout





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