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俺は教室に入り、月島を教室のゴミ箱に突っ込んでおく。

クラスメイト曰はく、その時俺は月島をゴミを見るような目をしていたとか。



それから正門前に向かう。

途中担任に俺が授業をサボった件と赤城の件を話し、俺と赤城、それと僕ッ娘を公欠扱いとさせた。

勿論、後々正当化させるようなことを話し、納得させた。




「今回は本当に迷惑をかけた、申し訳なかった」




べリア教官と合流すると開口一番で俺に謝罪してきた。

その行動に僕ッ娘は驚いていた。




「お気持ちはわかりました、ではこちらからの要求を言います」



「聞こう」



「要求って、いったい何を」



「僕ッ娘は黙っていろ、要求はこれから言う。俺からの要求は赤城 焔を3日以内に完全復帰させろだ」



「え?」

「へ?」




べリア教官と僕ッ娘の言葉が重なる。

そこはハモらなきゃだめだろう




「闘春祭が間近なんだ、さっさと復帰してもらわなくては困る」



「待ってくれ、君は私の部下の命を助けてくれた。それには感謝しているがその対価が私の部下の早期復帰だと?」



「そこは普通金銭だったりするものじゃないの?」




コイツ等何を言っているんだ?




「こちらは龍ヶ峰家でバイトしていた身ですから金銭的に余裕はある、先程の件以外でそちらに要求する事は無い」



「・・・わかった、3日で赤城を復帰させよう、それと色々話がしたい。来てくれないか」



「それなら皆勤賞狙ってるんで後で学校側に公欠申請お願いしますよ?」



「わかった、手配しよう」




こうして俺は組織Valkyrieに招待される事になった。

とある部屋に案内された




「随分と奥の部屋に連れてこられましたね」



「客間が今は使用できないからな、私室で散らかっているが気にしないでくれ」




案内された部屋は書類が山脈のように連なっているが、書類は事務のスペースのみであり、その他は綺麗に整理されており、綺麗好きという事が窺える。




「でお話とはどんな用件ですか?」



「立ち話もなんだ、そこのソファーに座ろう」




少々話を急ぎ過ぎたか、だがよくもまぁ・・・




「コーヒーは苦手かな?」



「いえ、問題ありません」




べリアが3人分のコーヒーを淹れ、向かいの同じソファーに座る。




「そろそろ話してくれませんかね?」



「そう焦るな、コーヒーでも飲んで落ち着きなさい」




コーヒーでも飲んで・・・ねぇ?


2人ともコーヒーを飲むのを確認してからコーヒーカップに口を付ける。




「さて、一息ついた所で本題に入ろう」




やっとか、まぁこの後は大体は予想がつく。




「本題ですか、何でしょう」



「君は危険だ」




その一言は別段気にするような事ではない、僕ッ娘もその言葉に少々驚いているようだが、所詮少々程度で驚嘆とまでいくわけもない。

付き合いの短い僕ッ娘でもその程度の反応なのだ、それは周知の事実である。




「はぁ、学校で言われ慣れていますよ、事実危険思想も持っていると自負しています。しかし・・・」



「なんだ」



「部屋の外に部下を戦闘待機させてる貴女の方も危険思想の持ち主なのでは?」



「え?」



「何の事だ?」




僕ッ娘はきょとんとしている。

どうやら僕ッ娘はグルの可能性は薄い。




「あんなに殺気を滾らせて悟られないとでも?」




俺は再びコーヒーのカップを持つと、手からコーヒカップを落とす。




「――っ!?盛ったな」



「ああ、君を拘束させてもらうよ」




俺は床に倒れる。

それと同時に部屋にべリアの部下らしき者達が入ってくるのが見えた。






シャル・ノーエルside



教官の発言で物騒な雰囲気になった。

そして彼がカップを落とすと、彼は驚愕を浮かべ床に昏倒した。

それと同時にValkyrieの先輩達が部屋に入ってくる。

先輩達に教官は彼の拘束を命じた。

教官は後は任せたという風に部屋を出ようとしたが




「待ってください教官、これはどういう事ですか!?」




僕はどうしても納得がいかなくて教官に問う。




「彼は危険すぎる、まずは彼の力の出所を探る」



「こんなのおかしいです、彼はほむちゃんを助けてくれた恩人なのにこんな仕打ちってないよ!!」




おかしいよ、こんな事。何で教官はこんな酷い事を



「確かに彼は部下を救ってくれたが恩人だがそれでも彼は危険なんだ」



「そんな事―――」




僕はムキになって教官に反論しようとしたがそれは遮られた。




「いいや、べリア教官の行動は間違っていない」




僕が振り向くと、そこには何事もなかったかのようにソファーに座った彼がいた。




side out






「何故、平気でいられる!?」




べリア教官は驚いているようだ

その様子に俺は溜息をついて答える




「部屋を包囲するように殺気が感じられれば迂闊に飲物を飲むわけがないだろう」



「だが、私は確かに飲むのを確認して・・・」



「口を付けただけだ まさか、口を付けただけで昏睡しかかる程のブツとは思っていなかったが」




そしてべリア教官は周りにいた部下達が倒れている事に気が付いた。




「部下達に何をした」



「ん?ああ、殺しちゃいませんよ」




俺がそう答えるとべリア教官と僕ッ娘は安堵した様子を見せる。




「で、これは敵対行為として取っていいのかな?」



「ああ、君はとても危険だ。出来れば排除しなくてはならない」




確かに正しい判断だ。

俺でもそうする。

最もやり方がヌル過ぎるがな。




「そうか、だが俺がこうした場合どうする?」




俺は銃を突きつける、気絶しているべリア教官の部下達に向けて。




「くっ、人質か・・・」



「言っておくが俺も好きでこんな事している訳じゃない」



「ならその銃を降ろしてもらおうか」



「別に構わないが、靴の仕込みナイフ使うのやめましょうか、そして袖に隠してるナイフと針も捨ててくださいね」




べリア教官は舌打ちをした。

袖から暗器の数々が落ちてきた。




「これに気付くとはな・・・武器は捨てた、銃を降ろしてもらいたいのだが」



「ああ、そうだな」




俺は銃を懐にしまう。

その行動を驚いた様子で見るべリア教官




「そんなに驚く事か?」



「君の過去は女性を恨む事情がある筈だが・・・」




なるほど、俺の過去である例の事故の事まで調べてあるのか。

しかも、その事実に気付いているという前提で動いている。

素晴らしいの一言だ。

このような人間を俺の敵と同じ性別と言うだけで潰すのは惜しい。




「俺はこの組織、そしてべリア教官を買っているのですよ。たったこれだけの対応をされただけで、こちらから敵対するのは惜しい存在ですので」




べリア教官は目を丸くし、問う。




「君はこのような対応されたのに敵対する気はないと言うのか?」



「ええ、全く」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いやに長い沈黙だな




「私が色々と君対策をしていたのがアホらしくなっていたな」




その時、俺とべリア教官の間に居た人物から手が上がる。

僕ッ娘である。

居るのを忘れていた・・・




「あの~、結局どうなったんでしょうか?」



「それは・・・」




べリア教官が答えにくそうなので代わりに答えてやろうかな。




「教官は俺を試したって事だ」



「試した?」



「ああ、実力や信頼に値するか、とかな。まぁ結果は本人のみぞ知るって奴だな」




俺がそのように言うと必然的に僕ッ娘はべリア教官に視線を送る。

べリア教官はうっ・・・と言ったのち、諦めたかのように呟いた。




「ああ、彼は文句なしの合格だよ」




その言葉に僕ッ娘は大いに喜んでいる事についての謎は置いといて

これでべリア教官は気軽に俺を襲う事は出来なくなった。

なぜならこの事はすぐに組織内に広まるからだ。

俺という存在を味方に引き入れたという情報を。

それを簡単に裏切るような事をすれば、べリア教官の信頼は失墜する。

それは愚かな行為だ、それなら俺という存在を利用するしか道は無い。




「闘春祭が近いと言うのなら訓練施設を利用してみてはどうだ?」



「・・使わせていただけるのでしたらこちらとしては嬉しい限りですがもう一人部外者の男性をこの中に通さなくてはなりませんがよろしいので?」




俺はその申し出に目を大きくしたが違和感の内ないように返答した。


先程俺の言葉で手詰まりの状況にしたというのにこちらに協力的な事を言うとは思わなかった。

何をたくらんでいるのやら・・・




「機密を口外するような輩でなければ一人くらいなら構わない・・・では私は仕事があるので失礼しよう」




俺とすれ違った時にさり気無く紙切れを握らされた。

コイツがいるところでは読むなって事か?

さて、何が書かれている事か・・・



俺は僕ッ娘の見えないように内容を確認する。




『今回の事は本当にすまない。アレは私の独断で行った行動だ、シャル・ノーエルは全く関与していないという事だけは知っておいてほしい。

今回の君の手腕は見事であった、あれではもう君に敵対する事は厳しい所だろう。だからシャル・ノーエルを邪険にはしないでほしい。』



俺の思った事は いつこんなの書いた?という微妙な感想だった。




「有能な人間もこんな戯言を・・・」




そんな事をこぼす。

その言葉に僕ッ娘が?と反応するが無視してもいいだろう。

とりあえず、僕ッ娘に振り返る。




「せっかく訓練施設が使えるようになったんだ、案内頼めるか?」



「うん!わかった」




そうして俺は僕ッ娘の案内の後についていく事にした。

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