悪魔
楽しんで戴けたら嬉しいです。
「ロシア人脅して買ったピストル、仕事の効率あがるわあ
銃の扱い練習しておいて良かった」
倖広は寝室を出るとドアを閉めた。
廊下の壁に、細く長い角を生やした男が凭れ、倖広を見ていた。
男は角を生やしているが他は普通の人間に見える。
倖広は咄嗟に小銃を構えた。
「お前、誰…………………? 」
男は口の端を上げ言った。
「俺は悪魔もどきってところだな」
「なんだ、薬中か……………………
じゃ、そう云う事で………………………」
倖広は構わず男の前を通り過ぎた。
男はじっと倖広を眼で追った。
倖広は眉間に皺を寄せ振り返った。
「視線が刺さって痛い!
何の用だよ! 」
男はフッと笑った。
「俺はあの婆さんに呼ばれただけだ
お前に永遠の地獄を要求された」
倖広は笑った。
「永遠の地獄ねえ…………………………
それで……………悪魔もどきさんはオレをどうしたい? 」
「別にどうにも…………………。
残念だが、あの婆さんは呼ぶ相手を間違えたな」
「そうだな、普通オレを罰するなら神頼みだな」
男は吹き出して笑った。
「あの無能な連中にそんな大それた力があると信じているのか?
あいつらがまともに出来る事は信者を弄ぶことだけだ
それが何よりも好きだな。
歴史が物語っている
神と名乗る連中は信者を使って戦争をさせ、殺し合わせるのが大好きだ
俺たちよりも悪どいぞ」
男は笑った。
「なるほど…………………」
倖広は笑みを浮かべ男を見詰めた。
「それで善良なカルトは、人殺しのオレに何をしてくれるんだ? 」
「そうだな………………………………」
意味ありげに男は倖広を見詰め、笑みを浮かべ言った。
「記憶を奪おう」
「オレの記憶をリセットして、お互いに何のメリットがある? 」
「さあな」
男は倖広を手で指した。
倖広は力を奪われガクンと身体を折った。
男がゆっくり手を上げると倖広の身体は静かに浮き上がった。
読んで戴き有り難うございます!
前置き長くて申し訳ないです。
次回、やっとヒロインの登場です。
投稿する度にページ数が少なくなって行きます。
図った訳では無いのですが。
ただ、ラプンツェルの接吻みたいな長編はもう二度と書けないだろうなあ。
ストーリーのストックいっぱい有りますが、どれも短いです。
ストック無くなったら書くの止めようかなあって言ったら娘が新たに書きなよと言ってくれました。
素敵な小説書ける様になってたらいいなあ。
それではまた明日。