あたたかな葉緑体
学校、理科、先生と生徒、など、ちょっと淫靡なワードで逆にあたたかみを出して書いてみた掌編です。
読んでいただけたら幸いです。
いつからだろう。
貴方を、目で追っては息苦しいほどの想いが生まれたのは。
声を聞くだけで、胸が締め付けられるような。
ああ、これが、「落ちる」なんだな、と。
「焦がれる」なんだな、と。
恋、に。
冷たい廊下ですれ違う。
白衣から薬品の匂い。
貴方は言ったよね。
プレパラートを顕微鏡で覗きながら、
「僕は葉緑体が好きなんです」
あんまり穏やかに言うものだから、
あんまりいとおしそうに言うものだから、
葉緑体みたいに、わたしのことも想ってくれないかな。なんて。
そんなふうに思うようになってしまったじゃないか。
あたたかな、
葉緑体。
ご一読頂きありがとうございます。
タイトルから思いついてバーっと書いた作品です。とりあえずタイトルが気に入っています。笑