第二章②：跋迴仙衝(ばっかいせんしょう)
今回はいつにも増して、より生々しい残虐描写が多く含まれておりますのでご注意ください。
※苦手な方は無理せずブラウザバック推奨
真夏から捜索を始め三ヶ月が経過し、季節が秋に移り変わることで気温に涼しさを帯びる。その身体を過る真っ昼間の風を冷たく感じない程に真也達の体感温度は高いまま保たれている。
何故なら彼らが目にする数十メートル先に、三ヶ月前から自分達の通う学校の生徒を次々と襲い大怪我を負わせた元凶、朝鮮人の武装集団凡そ５０人程が凶悪な面構えで並び立っているからである。
だが真也もそれらと対峙すべく各地区から運動能力に長けた生徒をかき集め、徹底的に叩き潰す為に信頼できる仲間を選抜メンバーとして起用し結集した。サッカーでユースに選ばれた者、東京都の都内１００m走１１秒で１位を獲った者、関東大会５０００m４位入賞した者、バスケットボール部で全国選出した者、喧嘩慣れした番格達といった様々な実力者を一ヶ所に集めたのだ。そして凶器を持った暴走族の先輩１０人が加わって真也達の選抜メンバー２０人と合わせて３０人が集結した。
そうして其々の団体が目の前の敵に目くじらを立てていると、向こう側で血の気の多い頭角が手に持った凶器を振りかざして突っ込んできた。それに対し真也達の前方で少し遠くにいる先輩達が負けじとその相手に怒鳴り散らしながら特攻する。
「危ねぇだろうが呆けゴルルルルァァッッ！！」
すると、双方の突っ込みを合図にアドレナリン全開で相手の朝鮮武装集団５０人が一斉に走ってくる。それは真也側の先輩の頭角が凄まじい罵声でそれらの一時停止を要求する。そして相手が止まると、こちら側の頭角が懐からコンバットナイフを２本取り出し、その２つの刃を思っきし地面に突き刺す。
「おい、スマン（相手側の頭角の名前）てめぇゴラァ……！！ 日本人を目の敵にしてんなオラァ！！」
「貴様ら日本人に舐められる訳にゃあいかねぇんだオラァ！！」
「だったらよぉ、うちらこのままのメンバーでやるけどよぉ。５０対３０か？ いつでも良いぞ、もしくはこのナイフ２本でテメェと……俺で……殺し合いするか？ どっちか選べ」
真也はメンバー３０人の中で一番背後に立っていた為、その頭角達の罵声が僅かに聞こえる程度だがメチャマン（乱闘の通称）になるのを確信していた。なのでそれに備えて仁王立ちして威嚇している暴走族の後ろで、仲間達に瞬発的な閃きでSRPGの如く一人一人に近寄って戦術を割り当てていく。
「おい竹島とヤス、まずお前らは肉壁だ。いいか覚悟出来てっか？ 絶対倒れんじゃねぇぞ？ 倒れたら顔を踏み潰されて死ぬかもしれねぇからな、絶対に耐えろ。肉壁としてお前ら二人で突っ込め。いいか、今は上の人間が話し合ってんだろ？」
「いいヨ～」
「任しとけ」
真也は微笑しながら彼らに問いかけ、二人もそれに同調しつつ頷く。
「おい駿馬、お前１００m超速ぇよな。お前は短距離相当優れてて、都内に追い付ける奴は誰も居ない。分かるか？ 取り敢えず飛び蹴りでも、顔面パンチでもジャブでも何でも良いから“おいチョン校！ お前ら来いよオラァ！！”っておちょくりまくりながら短距離で逃げ回れ！」
「あぁ、そんくらい余裕でやってやるよ！」
「おし、その意気だ。んで次、かーくん。お前も長距離じゃ誰も敵わない、だからお前も駿馬と同様に攻撃力とか無くて良いからとにかくおちょくりまくって、相手の攻撃を掻い潜りながら持久戦に持ち込め！ 走り回れ！ 危なくなったら必ず俺が助けに行く！」
「分かった、任せろ」
そうして仲間各々の体型や能力に合わせた指示を順に飛ばしていくが、全員に行き渡るのを待たずしてアドレナリン全開でブチ切れてる創が、先輩同士話し合っている中に突っ走って行ってしまう。
「テメェかこらチョン公、んの野郎ォルルァア”ア”！！」
「……ちょちょちょちょい待てぇーい！！」
真也は創をストップさせるよう呼び掛けるが、創は一切振り向くこと無く叫び散らしながら直進する。
「あいつダメだわ、もう止めらんねぇし放っとこ……」
創は先輩達を掻き分けて周囲に構わずスマンの髪の毛を掴み上げ、顔面に凄まじい勢いで何発もの鋭いパンチをブチかまし先制攻撃を喰らわせる。そしてスマンを殴り倒す勢いで地面に力一杯押し倒す。
「殺すぞゴラァア”ア”ア”ア”！！」
創が暴言吐きかけるのをゴング代わりに、各々にスイッチが入り戦線の幕開けとなった。
「「「「「ゴラァア”ア”ア”ア”ア”ッ！！！」」」」」
「「「「「「「「ウラァア”ア”ア”ア”ア”ッ！！！」」」」」」」
「っしゃあお前ら作戦通り行けオラァアアアア！！」
真也の指示で１８人が動き出し、先輩方も同時スタートで動くがその人達は作戦外で連携取れないので、勝手にやらせる形で放置した。
仲間内で作戦通り上手く立ち回っている中、能力がそこまで長けていない仲間は人数差に押し切られて１０人程に袋叩きにされる状況に追い込まれてしまう。それを後ろから見ていた真也は部分的に判断し、応戦すべき箇所を見極めて突っ走っていく。
ブッ倒れてる仲間を殴っているという事は、相手は屈んで低姿勢の状態になっている。その低い位置にある後頭部や延髄、腰などに目掛けて隙をついて思いっきり跳躍し、６０cm浮いたところに全体重の７８kgを乗せた踵落とし一発で相手を仕留める。そして、倒れた相手に顔面ストンピングで追い討ちをかけ戦闘不能にさせ、血まみれになった相手の顔面に勢い良く唾を吐きかける。
「んのやろぉチョン公が……、殺すぞァ”！！」
そういった流れで真也は一人ずつ一撃で沈めて数を減らしていくのだが、その際に持久力に長けたかーくんが相手に取っ捕まえられてしまった。
彼がいくら足の速さと長時間走れるスタミナに長けているとはいえ、人数差による壁の多さと凶器によるリーチの差で広く囲まれてしまい、丸腰のまま撹乱すべく走り回る役だったかーくんは抵抗する間も無く殴り倒されてしまう。
捕まったかーくんが複数に容赦なくボコられてリンチにあっているのを目にした真也は、殺されかかっているかーくんの身の危惧し急いで駆けつける。そしてかーくんの顔面に凶器を振りかざした相手の顔面に目掛けて、自らの走ってきた勢いを殺さず真空飛び膝蹴りを喰らわせた。
「ッ？！ ーーッブァ……！！」
続いて蹴り飛ばされた相手の横にいた連中へ真也の得意技である側刀蹴りや金的蹴り、眼底骨折狙いで眼球目掛けて拳底で一人一撃ずつ喰らわせ一気に５人沈めた。そして起き上がってこないようにと、倒れてる連中に顔面もしくは心臓の位置する左胸を踵で踏み潰す。
そうした勢いで徐々に敵の数を減らしていくのだが、相手も気合い十分に入っていて怯むこと無く凶器を振り回し次々と真也の仲間の方へ突っ込んでいく。
そして次に真也が助太刀に向かったのは、指示通り肉壁に徹していた大柄の二人ヤスと竹島のいる場所だ。彼らは常人ならばすぐに叩き潰され地面に伏せているところを、持ち前の優れた防御力で相手の振りかざしてくる数々の凶器に対し必死で持ちこたえていた。
真也は５０m走６秒を叩き出す持ち前の駿足で、戦況の中を走り回る遊撃には最も適していた。その走った勢いに体重７８kgを乗せた側刀蹴りで相手の背骨や脇腹狙って蹴り飛ばし、倒れた相手にまたお決まりの顔面ストンピングを喰らわせてヤスと竹島のピンチを救う。
順調に駆け回って応戦し各個撃破していく中、突如絶叫のような凄まじい咆哮が視界の外から聞こえてくる。
「（ん、何だ！？）」
咆哮を耳にした方へ振り向くと、なんと真也に目掛けて間近で朝鮮人の一人が青竜刀を振り翳してきていたのだ。その様子が見えた途端、真也は感覚的に周囲がスローモーションのように見える状態を体感する。
……シュバンッッッ！！！
実際に振り降ろされた刃が風を切る音は空気が炸裂したように一瞬で、真也はそれがゆっくりと引き伸ばされたようにエコーがかかって聞こえる。だが真也は自分が素手にも関わらず、つい癖で左腕を上に構えて上段受けを繰り出してしまう。
「（ーーって、やべっ！！ 腕が飛ぶッ！！？）」
青竜刀の刃先が腕に接触する寸前、真也は本能的に意識を突き動かされて初めて“クロックアップ“に目覚めた。
クロックアップとは、死に直面するような危機的状況に陥った時などにおいて、突発的な本能によって瞬発力と反射神経が急激に跳ね上がり、周囲の人間含む全ての光景がアニメーションのようにカクついてスローモーションに見える状態の事である。その状態は周りがそう見えるだけでなく、身体と意識も目にする光景より速く動けるようになっているので確実に相手より先に立ち回れる。
その覚醒した瞬発力によって力一杯地面を蹴り、自分の身体がまるでピンポン玉が壁から跳ね返るように後方へと跳躍することで間一髪で刃先の直撃を免れた。
「いってぇ……」
だが腕を丸ごと持っていかれなかったものの、肘の間接辺りを僅かに掠めてしまいその部分が大きく切り開かれてしまった。外皮に薄らと触れられた感覚だったが、まるでしっかり切り込まれたかのように傷口がが開いて止めどない流血が地面に注がれる。
「痛ってぇなァん”のや”ろ”ぁ”ア”ア”ア”ア”！！」
怒りのボルテージが急上昇した真也は刃の隙を掻い潜り、青竜刀を振り切った朝鮮人の喉仏へ側刀蹴り決めて力一杯蹴り飛ばした。朝鮮人は勢いよく地面にブッ倒れ、拍子に青竜刀が手元から離れて口から泡混じりの血飛沫を吹き出し痙攣する。真也は間髪開けずその朝鮮人へ目掛けて大きく跳躍し、起き上がってこられないよう留めの一撃で鳩尾を思いっきり踏みつけて唾を吐きかける。
「んの野郎ァ”ア”ア”ア”！！」
衝動に任せて咆哮を咬ましていると当然、その目立ったところへまた別の敵がやってくる。その敵は真也の視界の隅から２mもの鉄筋を長槍のように前方へ構えて突進し、青竜刀を持った相手に意識を向け過ぎた真也が気づいた時には至近距離まで迫られていた。
「（うわこれヤバっ！！ 刺さったら死ぬッ！！？）」
迫り来る死線に全身の意識と力を集中させ、一か八かで左腕を思いっきり自分の腹の前に振り降ろてガードを試みる。その直後、左の前腕中心部に鉄筋が突き刺さる。
「ッぁあ”あ”ぁ”あァア”あ”ッ！！」
体内に左腕の骨が砕ける痛ましい音が響き、負傷した中心から炙られるような痛みを感じて思わず叫び声を上げる。その声を聞いて振り向いた真也の仲間達全員の表情が蒼白を浮かべる。
「し……、真也ぁああああ！！」
「オイ、なに余所見してんだオラァ！！」
「う”ぉへぁッ！」
周りで凶器を振り回している残りの朝鮮人達は真也の様子を笑い飛ばし、大きな隙ができた真也の仲間達を一方的に痛めつける。
「いっ……つ……」
突き刺さった真也の左腕は前腕の中心部が折れてしまい、自力では全く動かせない。
「（やべぇなこれ……）」
致命傷は避けられたが、リーチの長い凶器を相手に片腕動かせない状態で近距離にいる以上、繰り出される攻撃によっては命を落とす可能性がある。
朝鮮人は続けて攻撃を仕掛ける為に一旦真也から鉄筋を引っこ抜き、そうして見えた傷口は肉が丸ごと抉られていて骨が剥き出しになっていた。その２つの凶器によってつけられた傷口の二ヶ所から絶え間なく血が溢れ、次第に赤黒く染まっていく。
「……真也ぁあああ！！ やり返せぇええええ！！！」
「負けんじゃねぇぞオラァ！！」
「……」
「うるっせぇんだよボケェ！」
「がァ”ッ……！」
至るところで倒れているリンチされた仲間、血に染まって動かせない左腕、そして目の前で鉄筋を握りしめた朝鮮人。それらを見回した真也は集中を尖らせるために一呼吸だけ置いて、気力が沸き上がるのを感じた途端に地を蹴って前に出る。
振り回してくる鉄筋を掻い潜って一瞬で詰め寄り、隙を見て思いっきり金的蹴りを咬ました。
「う”ぅ”お”ぉ”ぉ”お”お”ぉ”お”ぇ”！！」
朝鮮人が呻き声を上げながら前方へ丸まり、頭部が中段技の圏内にまで下がって無防備になる。そこへ真也は転倒される前に１つ、剛柔流で習わなかった自己流の技で追い討ちをかける。
「（……賭けだが、やってみっか）」
腰を入れてブラジリアンハイキックのように右足を大きく振り上げ、それを勢いよく真下に振り下ろすことで自発的に起こせる最大限の遠心力をかける。そして右足が地についたと同時に力一杯バネのようにつま先で跳び上がり、空中で更に片足を振り上げ、相手の顔面がミドルキック圏内に合わさった瞬間に身体を横に捻って上段回し蹴りを命中させた。
「ッぁ”……！？」
そうして相手は発声を許される間も無く、まるで格闘ゲームのように後方へと回転しながら吹き飛んでいった。
「舐めんじゃねぇぞゴラァア”ア”ア”ッ！！」
この地上と空中でそれぞれ１回ずつ回転して打つ彼の技は、日頃ダイサンで仲間と共に練習して編み出した技の１つである。回転する際に視界から相手の姿を２度外し、それぞれの回転でちゃんと向きを調整しないと当たらない故、妥協しない最大の力も相まって命中させるのが困難な技だ。
それを仲間の１人にボールを持ってもらい、そこに当てるよう毎日ずっと練習して右足の大腿部が肉離れを起こそうと必死に習得を試みた末、結果的に本番で成功させられたのである。
その後、真也は最後にスマンという名の朝鮮人の元へ突っ走り、顔面を踏み潰して怒声を浴びせる。
「聞こえてっかゴラァ……！？ てめぇら日本人を的にかけやがってんの野郎ァ……」
その横で暴走族の先輩達が、ニヤついた顔しながら朝鮮人の残党達の顔面にバットで何度もフルスイングを咬ましていた。
「ッへッへッへェ……、超楽しいんだけどこのバッティングセンタ～！」
その光景を傍らに、真也は耳を引きちぎる勢いでスマンの耳を掴んで引き寄せる。
「おいスマン！ 聞こえてッかッルルルルァ……、おい聞こえてッかゴラァ！！」
「……」
「てめぇらが的にかけたのは俺らだぁ……、やられたのお前らだよなァ？ 負けを認めろゴラァ……」
「……」
「今から言うことをよく聞けこらスマンてめぇ……、お前ら気持ち悪ぃスミダニダアムニダァ！！ しょうもねぇ！ っはっはっはっはァ！」
思いっきり耳を握りつぶし、真也は立ち上がった。
「よし、解散！！」
真也がそう言った途端、朝鮮人達は蜘蛛の子散らすような勢いで散り散りに逃げていった。
「うし、解散！ 皆、デコ助（不良達の間で、警察をバカにして呼ぶ時に使われる通称）来っから俺らも逃げっぞ！」
真也は仲間達と一緒に逃げていったのだが、その後すぐに警察が現場に駆けつけて何人も病院に搬送され、真也達はすぐに警察から保護者同行での呼び出しを喰らった。
そして真也は母親を連れて、仲間達と一緒に保護者連れで警察署に集まった。そしてそこで、警察官が真也達に向けて告げる。
「あの～、これはね、国際問題にね、発展する可能性があるからね、学校側がね、解決してほしいね、これね」
といった具合にふざけた口調で彼らに述べた。
「まぁ前科前歴とか、そういう傷害とか、そういった事件の扱いにはならないのでね、今回は学校同士でね、話し合ってください」
それだけ言われてすぐにその場から解放された。そして指示通りに学校へ行って、一斉に保護者共々会議室に集められ話し合いが始まった。そこでまず知らされたのが、“１３人が集中治療室に送り込まれた”とのこと。そして、その中には亡くなられた人がいるかもしれないということ。
その後も１３人の状況を真也達に知らされることは無かった。
その１３人の容態に対して傷害事件とはならず、医療費は相手側の国民健康保険によって賄われて残りの何%は自費で支払う事になった。そこで真也達の保護者がその１３人分を支払うようにと学年主任や生活指導の教員から言い渡されるが、真也は家からその医療費を支払うことが出来ないので自分が働いて稼いだ資金で支払った。真也と他の保護者が支払った請求額は合計で凡そ４００万円である。
そして学校側が向こうの教員の方々と話し合った結果、金輪際、在日朝鮮人の学校と日本人の学校で一切関わりを持たないことを約束した。そして真也達の間に関しても、向こう側が朝鮮人生徒を真也達と関わらせないようするとの事で、今後関わりを持たない形での収拾がつけられたのであった。
つづく
武術を心得て戦い慣れている、刀や鉄筋で命を奪いに来る相手に、外傷を左腕だけに留めて蹴り一発ずつで仕留める中学2年生。
私「一応お聞きしますが、これほんとに実体験ですか……？」
監修「実体験です、鉄筋で抉られた傷痕が未だに消えてないから、今から写真撮って見せますよ」
ピロンッ♪
私「うわぁ……(」
不定期更新ですが、次回もどうぞ宜しくお願い致します！
