1-8 狙撃手、ウォーカー5
町に戻ってきた俺はまず、さっきおっちゃんと合ったところに行ってみた。
おっちゃんは相変わらずレジャーシートのようなところに座っている。
こっちに気がついたのか、話しかけてきた。
「お、早かったな。で、どうだった?」
「おう、良い狩り場だったよ。ただ、弾がなくなっちゃってな。」
「そうか!それは良かった。狩りの成果を見せてくれ。」
そう言って表示されたトレードウインドウに今回の成果を乗せていく。
するとおっちゃんが
「お、このアントの槍はレアドロップだぞ!良かったな。話によると良い銃剣をつくれるらしい。どうする?このまま売るか?」
「んー…。どうするかなぁ、ちなみにドロップ率とかはわかるか?」
「噂によると、5%以下らしいぞ。まあMMOなら普通のレアってとこだな。落とすやつもたかがしれてるからな。」
「なるほど、なら売っちゃうかな。またドロップするだろうし。それで、その売った素材で買えるだけの弾を売ってくれないか?」
「良いけども、凄い量になるぞ?」
「ああ、良いんだ。今回は長丁場になりそうだからな。ところでこのゲームは採取アイテムとかってあるのか?」
「ああ、あるぞ。MMOの定番だからな。エリアの中に石が固まって落ちてたり、少し背の高い植物が生えてるだろ?そこを注視するとキラキラ光るエフェクトがかかってるんだ。そこで採取が出来る。採取したアイテムは鑑定系スキルを使わないとなんていうアイテムか分からないから、鑑定系スキルを持ってるやつに依頼すると良い。俺も持ってるからなんかあったら持って来いな。」
「なるほど、いろいろとありがとうな。」
「いや、大したことじゃない。あんたが俺にアイテムを売ってくれれば、俺の懐が膨れていくからな。だから、フレンド登録しておこう。やり方はわかるか?」
「ああ、なんとなく」
そう言っておっちゃんとフレンド登録をする。
「俺は、グイドだ。改めてよろしく。」
「ウォーカーだ、これからもいろいろ頼む。」
そう言って握手を交わした。
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再び山エリアの岩場の陰にやってきた。
またスコープ越しに巣穴を観察すると、巣穴の様子が最初と同じく、巣穴の前にアントが一体だけ歩哨として立っているだけだった。
しばらく攻撃が無いと警戒態勢が解除されるのか、はたまた他に条件があるのかはわからないが、先ほどと同じようにアントの頭を吹き飛ばず。
暫くアントを倒していると、また統率がとれなくなりアント達が慌てふためく。
そこでまた洞窟の奥から身なりの違うアントが現れる。
そして、そのアントを中心に輪形陣をとり、全周警戒をする。
念のため、リーエンフィールドの弾を排莢口から使った分だけ補充し、身なりの違うアントの頭を狙う。
大きく息を吐いて、全身の力を抜く。
そして、トリガーにかけた人差し指をわずかに動かした。
タァーンッ!
弾丸は吸い込まれるように身なりの違うアントの頭に吸い込まれていった。
そして弾着すると同時に、パゥンッ!と音を立てて弾丸があさっての方向へ跳ねていった。
おそらく、頭の上部か側頭部に被弾して跳弾してしまったようだ。
あの身なりの違うアントは相当堅いらしい。
「クソッ!」
悪態をつきながら素早く排莢して次弾を装填しアントをスコープ越しに見る。
場所がばれたようでアント達は一斉にこちらにかけてくる。
蟻顔なのでわからないはずだが、上位種がこっちを見て笑った気がする。
あのクソ上位種は先に仕留めたいので移動してくる相手の未来位置を予測して偏差射撃をする。
タァーンッ!
外れる。
素早くボルトを引いて次の弾を薬室に送り込み、スコープを覗く。
(もうだいぶ近くまで来てる……。)
邪念を払いながら、再び偏差射撃をした。
タァーンッ!
今度は弾丸が上位種の胸に当たりポリゴンとなって消えていく。
パチンッ!とリーエンフィールドから薬莢を吐き出させ、迫って居るであろうアントをスコープ越しに探すが見つからない。
(もうそんなに近くまで来てるのかっ!)
危機感を感じつつ、スコープではなく肉眼で探すとアント達は自分たちの巣の中へ逃げていく。
完全に撤退するのを見届けてから、ドロップが表示される。
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軍曹蟻の徽章×1
ガーニーアントの徽章。ガーニーアントが胸につけている。特殊な鉱石を微量に含んでいる。
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「追えってことか……?」
敵の居なくなった岩山の上でぽつりとこぼした。
台詞が多くなっちゃう…。