1-25 狙撃手、ウォーカー15
短い。
ログインして目を開けると昨日よりも遙かに騒がしくなった街が目に映る。
今日の目標その1は銃の改修をすることだ。
とりあえず、銃の修理が出来る所に行こう。
そう考えて行動しようとしたが、そもそもどこで出来るのか、はたまたアイテムを買ったりして行うのか全く解らない。
どうしたモノかと考えていると、ふとあるプレイヤーの顔が浮かぶ。
「そうか、あいつのとこに行けばいいんだ。」
おれはあのちんまい身長を思い出してあの場所へと向かった。
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「それで私の所に来たわけ?」
ちんまい背のつり目の少女、ドーラが俺をぎりりと睨みつける。
ここはドーラのプレイヤーハウスもといスミスラボだ。
まだ出来たばかりなのか、カウンターやガンラックはピカピカな反面、まだ銃はほとんどかかっていない。
「まあそんなところかな?」
「はあ」とドーラが大きくため息をつきながら説明をしてくれる。
「銃の修理は街にある鍛冶工房で出来るわ。時間当たりのお金を払って素材は持ち込みのみ。それで修理したり武器のグレードアップしたりするのよ。」
「ほう。修理に素材って必要なの?」
「そうね、だいたい銃によるけど金属系のアイテムとか木材が必要ね。」
「木材……。」
俺は今まで獲得したアイテムを思い出すが、木材に準ずるアイテムは手に入れた記憶が無い。
金属もアントの槍をはじめとする僅かなものだし、それもほとんど換金するか銃剣にしてしまった。
(やばい……。)と思っていると、顔色を読んだのかドーラが助け船を出してくれる。
「どうせアイテムが無いとか考えてるんでしょ?少しなら持ってるから売ってあげるわよ。」
「マジか!って、今金もないんだよな……。」
「はあ?あんた昨日の夜クエスト受けに行ったんじゃないの?」
「いや、それが山のようなコウモリに妨害されてほとんどクエスト達成できなかったんだ。」
「ああ、スレで見たわ。β版にはいなかった夜間限定モンスターね。しょうが無いわね。ここの設備を使ってもいいし、素材も提供してあげるわ。」
「まじか!」
「ただし、そのコウモリの素材を私に幾つか頂戴。それで手打ちにするわ。」
「よっし!ちょっと待ってろ!」
そう言って俺はトレードウィンドウなコウモリのアイテムを乗せていく。
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シックバットの牙
病魔蝙蝠の牙。牙には様々な毒と病原菌が付着しており、かんだ相手に病魔をもたらす。
シックバットの飛膜
病魔蝙蝠の飛膜。小さな体で夜闇を縦横無尽に飛ぶための飛膜。つなぎ合わせれば何かに使えるかも。
イルネスバットの牙
病巣蝙蝠の牙。凶悪な猛毒と病原菌が付着しており、噛まれると3日と持たず死に至ると言われている。
イルネスバットの飛膜
病巣蝙蝠の飛膜。大きな体に見合う大きさの飛膜。静かに獲物に近づくための消音魔法がかかっている。
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「あら、コウモリって2種類居たのね。」
「いや、俺も初めて知った。」
真っ暗闇の中ひたすらショットガンをポンプ&ショットしてたから気が付かなかった。
おそらくイルネスバットはシックバットの上位種だと思う。
「そうね、修理と改造の素材と炉の代金としてこれくらい貰っていくわよ。」
そう言ってドーラは持っていた素材の半分くらいを持っていった。
「うぐ、結構持っていきますね……。」
「当然でしょ。さて、修理と改造のしかたを教えてあげるからついてきなさい。」
そう言ってドーラは工房の奥に入っていった。
友人からレイジングブルとアナコンダのライブカートガスガン借りて遊んでみたけど、トリガープルも銃本体も重い。指だけ筋肉痛になりそう笑




