1-2 大学生、水元散歩2
テストの問題が簡単で時間前に回答が終わり、まどかを待って廊下で携帯をいじっているとテストが終わったのか教室から人がゾロゾロと出てきた。
その中に落ち込んでるまどかを見つけ話しかける。
「テストはどうだった?」
「わかりきったことを聞くのはやめたまえ。はぁ……、60点行けば御の字かな。」
「あー……、でもあの教授優しいからなんとかなると思うよ、多分。」
60点というのは科目の合格点でこの点数を超えなければ来年再履修としてまた同じテストを受けることになる。ただ、今回のテストの内容は授業に毎回出ていれば難しくない問題が多かったので、おそらく合格しているだろうと思う。
2人とも今日はもうテストがないので帰宅しながら雑談をする。
「そういえば!」
テストのことを切り替えたのか、突然元気になったまどかが話しかけてきた。
「ゲームだよ、ゲーム!」
「なんの話だよ。」
「最近ゲームしてる?」
「まぁぼちぼちかな?ToD(Tell of Dutyの略、昔からあるスポーツFPSで近年のものは近未来舞台が多い)とかは近未来が苦手だからあんまりやらないけど次回作が二次大戦って聞いてちょっと期待してるかな、CF(Combat Fieldの略こちらも昔からあるFPSで一度に大人数で遊ぶことが出来る。戦車や航空機にも乗れる)は一次対戦のやつをやってたけど最近はあんまりかな?今一番やってるのはRainbow7Sage(R7Sと略されることも、リアル系FPSで実在する特殊部隊員を使いテロリストと戦うゲーム、原作にSF小説がある)だな。あれは好きだ。」
と最近やってるゲームについて簡単に語る。
するとまどかはしたり顔でこう言った
「お兄さんフルダイブ型VRゲームはなさらないのかしら?」
「あれはまだソフトがほとんどないだろ?ゴーグルタイプのはAtomic Hazard(超有名和製ゾンビゲー、ハリウッドで実写映画化もされた)やるために買ったけどそれ以降はほこり被ってるしなぁ」
「あれ?もしかして知らない?去年の夏位から結構話題になってたんだけどなぁ、今度フルダイブ型VRゲームに『Operation Dragon Sage』っていうファンタジーものが出るんだけど一緒にやらない?」
「ファンタジーかあ、確かに守備範囲外だな。どんなゲームなんだ?」
「いわゆるVRMMOもので全ての武器は実在する銃!っていう変わったやつなんだよね、でもやっぱりフルダイブ型VRMMOっていえば皆一度はやってみたくなるよね!」
「なるほど、でいつ発売なんだ?」
「え?発売日?確か……来週の日曜じゃなかった?」
「はあっ!?今日が水曜日だからもう後1週間も無いじゃん!ハードも持ってないし今回は見送るかなぁ……。」
「安心しなさい!私がちゃんとお父さんにねだっておいたから2人分、伊達に資産家の娘っていうジョブについてないよ!」
「相変わらずまどかの親父さんはまどかに甘いな。でも安いものじゃないから貰うのはなんか悪いな。」
「じゃあ今度プールにつれてってよ!そこで全額払って貰う。それなら良いでしょ?」
「よし!それならのった!でもその前に…。」
「?」
「今週はテスト漬けだから勉強だな。」
「うっ…。」
気がつけば大学の近くにある我が家の目の前に来ていた。