1-17 狙撃手、ウォーカー8
説明回
さっそく北の川原エリアへと来た俺たち。
川原エリアは大きな川と大きめの石が敷き詰められている、まるでキャンプ場のような場所だ。
夜ということもあり、月明かり以外に光源はなく暗く見通しが利かなくなっている。
俺は連携のことも考えてM1897ショットガンを装備してリーエンフィールドは背中に背負った。
ショットシェルはさっき合流する前に買ったものを引き金の前に設けられている挿入口からシャコシャコシャコシャコと装填する。
フォアエンド(銃を構えたときにトリガーを引かない方の手で銃を支える部分)をジャコンッ!と前後させて薬室に1発送り込み、マガジンから減った分をローディングゲートかれまた1発入れる。
俺が気合いを込める意味を込めて「よし!」と呟くと、マドカがショットガンに気が付いたのか話しかけてくる。
「あれ?スナイパーじゃないの?それは……ショットガン?」
「ああ、俺は狙撃手と散弾銃の二丁持ちだ。」
ドヤ顔をするとえぇっとした顔でマドカが口を開く。
「このゲームのショットガンってあんまり評判良くないよ?最初のは2発しか撃てないし、お店で売ってるのはナントカって言う弾詰まりしまくるって言うやつだし。」
「ああ、知ってる。これはM1887ショットガンと違ってポンプアクションだからジャムは起きにくいんだ。」
そう言ってショットガンについて簡単に説明する。
「ショットガンには2種類のマガジン方式と3種類の装填方式がある。マガジンは箱型マガジンとチューブマガジンの2種類だ。箱型マガジンってのは現代の自動小銃や短機関銃で使われるタイプで、マガジンにショットシェルが入ってて、その箱を交換することでリロードをするんだ。
チューブマガジンはこのM1897みたいに1発づつ装填していく方式だ。現代では再装填の早い箱形の方が多いが信頼性はチューブマガジンの方が上だな。
次に装填方式は、主にポンプアクション、レバーアクション、自動装填の3つだ。ポンプアクションは最も一般的な方式でフォアエンドを前後させるタイプの奴だ。信頼性が高くて、現代でも多くのショットガンで使われている。俺のM1897はこの方式を使ってる。
次にレバーアクション、これは現代ではほとんど姿を消したタイプで現物を見れば簡単に説明できるんだけど、発砲したらトリガーを引く方の手で握りこんだレバーを前後させることで次の弾が装填されるんだ。未来からロボットが襲ってくる映画の2作目でシュワちゃんがバイクに乗って片手で撃ってたやつがM1887だな。この方式は直径の大きいショットシェルと相性が悪くて弾詰まりをよく起こすから今ではほとんど見かけないな。
最後に自動装填、これはセミオートライフルとかと同じ方式で発射ガスの反作用で次の弾を装填する方式なんだ。機械的に難しい機構を持ってるから近代の技術で形になったものが多いんだ。まあでもM1905みたいに天才設計士が作ったりしてるからこのゲームでも比較的早い段階で見つかると思うぞ。」
「長い。つまり?」
「コレ、ツヨイ、タマヅマリシナイ。」
「よろしい。」
そうおどけると、モントちゃんがマドカの袖をくんっと引っ張る。
「ん?」
「で、でも……そ、そのショットガンは、ま……まだ、このゲームで発見されていないです、ます……。」
「あ!確かに!なんで持ってるの?」
「いや、なんというか……、運?」
「んん?」
「ええっと!どこから話したら良いかな……?」
そう言って俺はショットガンを手に入れた経緯を簡単に話した。
「なる程、確かに山岳エリアには殆ど人が寄りつかないからねぇ。」
「そういえば、簡単にしかその経緯を聞いてないな。何でなんだ?」
「それはね、あいつら硬いし遠距離強いしでうまみが少ないのよね。狙撃でヘッドショットするか、ショットガンで一撃かじゃないと倒せないのよ。その上耐えられると巣の中からわらわらと湧いて出てくるし、山岳エリアだから上から矢を馬鹿みたいに撃ってくるしでね、β版から嫌われてるのよね。」
「そうだったのか。」
「まあでも、ソロのスナイパーからは人気よぉ!うまうまだって。所で、ボスぽいのを倒したからにはさぞかし良い経験値だったんでしょ?今レベルいくつくらいよ?」
「それがまだ1のままなんだ。レベルが全く上がらん。」
「もしかしてレベル上げの仕方知らない……!?」
「えっ……あげ方?」
ハァ…とため息をつかれた俺。なんかおかしいこと言った?
ま、毎日更新……。




