表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファンタジーと銃のVRMMOでやりたいことだけをしていくゲームライフ  作者: topps
第一章 ファンタジーと銃の相性は?
15/33

1-15 狙撃手、ウォーカー6

本日2話目です。未読の方は前のを読んでね。


ヘッドギアを外してベッドから起き上がる。

この7時間のことに思いを馳せると、本当に現実じゃないどこかにいたような気分になる。

それと同時に慌ててログアウトする必要はなかったのでは?とも思ってしまった。

とりあえずベッドから降りると、お腹が空いていることに気がつく。


「簡単に……。麻婆春雨でも作るか。」


そう言ってキッチンに入っていった。


△▼△▼△▼△▼△


ニュースでも人気のVRゲームとしてOSDが取り上げられており、ボーッとその番組を見ながらご飯を食べていると、携帯にマドカからメッセージが入る。


『今何してる?』

『飯食ってる』

『食べたら一緒にやろ!』

『わかった』


早く食べなくちゃなと呆然と考えていると、さっきグイドに聞き忘れていた疑問を思い出した。

その疑問をマドカに聞いてみる。


『そういえばこのゲームのレベルってどうやってあげるんだ?』

『あったときに教えてあげる!』

『あいよ、再開したら教える』


麻婆春雨とご飯をかき込んで、流しに食器を放り込み、風呂に入る準備をする。


「寝る用意が出来たら再開するか。」


一人暮らしを始めてから独り言が増えたな……。

そんなことを考えつつシャワー室に入った。


△▼△▼△▼△▼△▼△▼


完全に寝る準備を整えた21時をわずかに過ぎた頃。

夏休みの大学生ほどゲームをするのに適した時期は人生の中で恐らく無いだろう。

あほなことを考えつつ、VRギアを頭にはめてODSにログインした。



目を開くと、最初に降り立った噴水の前にいた。

メッセージを開いてマドカにログインしたことを伝え、同じくドーラにもログインした旨を伝えた。

するとドーラからすぐに返事があり、グイドの店の前に来いとのことだった。

初回ログインをしたときのように回りの店を冷やかしながら歩く。

初めて歩いたときはNPCショップが目立ったり、PCショップもほとんど商品がそろってなかったが、今ではPCショップがレジャーシートではなく屋台になっており、品揃えも豊富になっている。


たまたま目についた45口径リボルバーのSAA(シングルアクションアーミー)の値段に目玉が飛び出そうになったり、何に使うかよく分からないアイテムを見たり、意外とウインドウショッピング(何も買ってない)は楽しかった。


そうこうしていると、グイドの店の前についたのだが、なんとグイドの店は他の所と違って一軒家が建っていた。

一軒家には看板が着いており、そこには『アイテム商 グイドの店』と書いてある。


「えぇ……。」


MMOに詳しくないのでわからないのだが、サービス初日に自分の店って買えるものなのか……?

あまりの衝撃にさっきまで更地にレジャーシートだった場所を呆然と見ていると


「やっぱり驚くわよね。」


という声が聞こえた。

振り向くとそこにはドーラが同じく店を見ながら話しかけてきた。


「いくらMMOでも一日で店を屋台や露天商じゃなくて一軒家にしちゃうのは異常よ。」

「やっぱりそうだよな…。」


そう言ってお互いにトレードウィンドウを表示させる。


「一応装備は完成したけど、あなた、全く整備してないわね。ちゃんとメンテナンスしないと精度が落ちるわよ。狙撃手(スナイパー)なんだからしっかりしなさい。」

「ああ、ありがとう。」


そう言って受け取った装備を身につける。

上半身は、アントの甲殻で出来た胸当てに、同じくアントの甲殻で作られたエルボーパッド(肘当て)。

下半身はニーパッド(膝当て)、そこにキャニオンゴートのマントを羽織ったもので端から見れば完全に岩にしか見えない。

リーエンフィールドのスコープを覗き込むとレティクルの中心部が緑に光っており、夜の帳の降りたSODの世界でもしっかり狙えそうだ。

銃剣は尾てい骨の少し上に横にして凪ぎ、左手で簡単にアクセスできるように取り付けた。

試しに抜いてみると刀身はパール材で色を付けたようにキラキラと光っており、黒い刀身にまるで星がちりばめられているようだ。


「どう?」

「最高の出来だ。早く試してみたい。」

「理想を言うとキャニオンゴートの素材がもう少しあればブーニーハットとか地の迷彩服も作れたんだけどね。」

「本当に文句の点けようがない。これからクエストを受けてお金は必ず払う。」

「当然よ!メンテナンスもちゃんと請け負うからダメージを受けたら持ってきなさい。じゃあ私はまだやることあるから。」


そう言って手のひらをひらひらさせてドーラは立ち去っていった。


「早く戦いてぇ!」


そう言って、俺はマドカとの集合場所へ向かった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ