1-12 ボス戦?ウォーカー3
ドロップアイテムを確認してからとりあえず立ち上がる。
「そういえばある程度の金策が出来てから回復アイテムを買うの忘れてたな……。」
つまり現状体力を回復させる手段が無いと言うことだ。
このODSでは体力の自然回復はない。
回復するには回復アイテムを使うか、回復に関係するスキルを取得する必要がある。
「スキルで思い出したけど、スキルレベルやプレイヤーレベルはどうなってるんだ?」
と疑問が出てきた。
このテのRPGではレベルアップするとファンファーレが鳴るのが相場だけども、まだその音を聞いていない。
気になったのでメニューからステータスを開くと、
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NAME:ウォーカー Lv.6
スキル
【狙撃銃 Lv,5】【スミス:狙撃銃Lv,1】【散弾銃Lv,3】【スミス:散弾銃Lv,1】【拳銃Lv,2】【銃剣Lv,1】【ダブルウェポン】【鷹の目Lv,1】【スポットLv,1】【隠蔽Lv,3】
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「あれ、思ったより上がってたな…。スキルの使い方とか見方がわからん…。」
後でマドカかグイドに聞くとして、そこら中に投げたライフルと拳銃を回収しないとな。
釈然としないけれど、今すぐ解決出来ることではないので頭を切り換える。
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拾ったリーエンフィールドとM10拳銃に弾を込める。
M30ショットガンはもう弾が無いので背中に背負っておくだけにした。
そういえば、さっき拳銃を拾ったときにボス部屋の奥に扉があるのを見つけた。
もし、この先に道が続くのであれば今回は残りHPを鑑みて引き返す。
そう決めてリーエンフィールドを構えつつ扉を開ける。
「…ッ!」
そこにはまさに小部屋といった場所があり、白髪のケモミミ少女が地面に座っていた。
まさか人が居るとは思っていなかったので驚いた。
そんな驚いた俺を尻目に話し始める少女。
「あぁ、貴方が助けてくださったのですね。アントに捕まったときはもうだめかと思いました。お礼にこれをどうぞ。」
そう言って真っ黒の大きい直方体の箱をその場において部屋から出て行ってしまった。
「……、っあぁ!イベントNPCか!」
突然のことに目を白黒させていたが、NPCが走り去っていくのを見て我に返った。
こうも一方的にまくし立てられると、驚きで声も出なくなるとは思わなかった。
あのケモミミNPCの置いていった黒い箱は側面に銃のマークが白く押してあるので、おそらく何かの銃だというのはわかるのだが、どうやって持って帰ろうか悩ませるくらいの大きさがある。
「うーん。とりあえずバックパックに押し込むか。」
そう言って背に背負ったバックパックの口に箱を近づけると、ズモォォォっと箱を吸い込んでいった。
「なんかキモいな。」
軽く引きながら部屋の中を見渡すと、部屋の端に宝箱が落ちている。
空けてみるといくつかのアイテムが落ちていた。
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山岳山羊の角×2
キャニオンゴートの角。山岳に棲息する希少な山羊の角。薬の材料や漢方薬として高く売れる。
山岳山羊の皮×2
キャニオンゴートの皮。山岳に棲息する希少な山羊の皮。山岳地帯で高い隠蔽率を誇る。
12Gflechette弾×16
12Gflechette弾。ショットガンで使う。
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キャニオンゴートの素材か!
この山岳エリアにいるのは聞いたことがあったけど、見たことはなかったモンスターの素材だ。
問題はこのflechette弾。
「フレ…フレ………ふれちぇって………ふれしぇっと…………フレシェットか!」
通常、ショットガンの弾は大量の丸い粒がプラスチック製の円筒の容器に入っている。この容器をシェル、ショットシェルと呼ぶ。
フレシェット弾は中に大量の丸い粒のかわりにダーツの矢のようなものがたくさん入っている。
これによって貫通力よりも対人などでの威力を上げたショットシェルだ。
まあ、どちらも祖先はキャニスター弾や葡萄弾という弾に祖先を持っていて、実銃や大砲ののフレシェット弾は管理が難しく、効果が低いので、今や消えゆく兵器なのだが。
どうやらこのフレシェット弾は射程にボーナスがついている特殊弾のようで、通常が50mほどのショットガンが倍位まで有効射程が伸びるらしい。
思わぬ拾いものをしたが、ぼちぼち町に戻ろうとしよう。
そう考え、漁りきった宝物庫?もといボス部屋をあとにした。




