1-11 ボス戦?ウォーカー2
岩の裏で伏せてまず、リーエンフィールドに使った分の弾を込める
そして【隠蔽】を発動する。
【隠蔽】は立ったりしゃがんだまま移動すると、隠蔽は解除されてしまう。
なので、そのまま匍匐前進ですこしずつ移動する。
岩と岩の隙間から、大柄なアントに見つからないようにバックパックの中からここに来る道中拾ってきた石を取り出して遠くに放り投げる。
カツーン…。
と洞窟内に音が反響していく。
大柄なアントがそちらに気をとられている内にすこしずつ、すこしずつ移動する。
また注意がこちらに向きそうであれば、石を遠くへ放り投げる。
ついさっき威勢の良いことを言っておいてなぜこんな回りくどいことをするかというと、あの大柄なアントは弓だけで無く槍も持っている。
つまり近接戦闘を仕掛けてくる可能性があるのだ。
いくら狙撃銃の威力が雑魚MOBを一撃で倒せるように設定されているとはいえ、流石にボスを一撃で倒すことは出来ない(と思う。)
そこでバルコニーのようになっている二階部分から撃ちおろしでの狙撃をしたい。
頭に2発でも入ればおそらく倒せると思う。多分。
それに、撃ちおろしということは弾丸に重力の加速が加わりわずかながらではあるが、威力が上がると思う。
自分で考えた戦法にもかかわらず、なんという予測論。
そんなことを考えている内に階段の目の前まで来た。
当然階段も匍匐前進で上るのだが、これがまた、階段の角が刺さって滅茶苦茶痛い。
「ドコダッ!ドコニイルッ!」
と大柄なアントが叫んでいるが、その声がまた神経を逆なでする。
(なんとしても絶対倒す……!)
階段をなんとか登り切り、ライフルを構えた途端……。
「ソコカッ!」
「うげっなんでばれた!?」
呻きながらスコープ越しに大柄なアントをにらみつける。
少し距離が出来たせいか、全力疾走でよってくるアントを視界に納めつつ、未来位置を予測して偏差射撃をする。
タァーンッ!
と発砲音をならしてリーエンフィールドが火を噴く。
運が良いのかわからないが、弾丸は上段の肩に当たり大柄なアントは弓を落とす。
素早くコッキングする。
被弾したにもかかわらず、全力疾走する大柄なアントはもう階段の下まで来ていた。
かなり近いが、頭をよく狙って撃つ。
弾丸は頭の中央に弾着した。
素早くコッキング。
大きくのけぞったアントだが、それでも向かってくる。
今度は覗き込まずに、腰だめに構えたまま発砲する。
それが、胸に当たると同時に槍が突き出される。
「うぐっ!」
うなり声を上げつつもリーエンフィールドその槍の矛先を左下に逸らすが、勢いは殺せずにそのまま左脇腹に浅く刺さる。
「ぐぅっ」
痺れるような痛みに小さく悲鳴を上げる。
左上のHPゲージを見ると残りが5%有るか無いかと言うところまで減っている。
もうリーエンフィールドではとてもじゃないが、戦える距離ではない。
拳銃もさっき撃ち尽くしてリロードをしてない。
あと一撃でも貰えばHPが吹き飛ばされる。
俺はここで一か八かの賭に出ることにする。
リーエンフィールドで相手の槍を外に弾きそのまま手放す。
そして、目の前まで迫ったアントの腹に前蹴り、いわゆるヤクザキックをかます。
後ろに軽くよろめいたところを狙って背に背負っていたM30をスリングワークで素早く構え、頭に狙いをつける。
「地獄で会おうぜベイベ」
引き金を素早く1回引いた。
バスンッ!
至近距離だったためほとんど全ての軟鉄が大柄なアントの顔面に吸い込まれていく。
被弾エフェクトをきらめかせながらノックバックで2、3歩後退するアント
そして、ちょうど良い距離になったところへすかさず二発目を撃ち込む。
バスンッ!
銃口から発射された軟鉄を体中に浴びてアントが吹き飛んでいく。
そして、地面に倒れると同時にポリゴンの欠片となってキラキラと空中に散っていった。
△△△△△△
アントの外殻×2
アントの触覚×1
アントのフェロモン×1
ガーニーアントの外殻×1
軍曹蟻の外殻。非常に堅く、中距離からの拳銃弾なら弾いてしまうほど。
ガーニーアントの槍×1
軍曹蟻の槍。蟻人間の使う槍よりも強く、しなやかな。
キャプテンアントの外殻×2
大尉蟻の外殻。とても堅く、貫通力の低い攻撃では傷をつけることすら難しい。
キャプテンアントの徽章×1
大尉蟻の徽章。軍曹蟻のものより煌びやかで大きい。希少な金属がふんだんに使われている。
▽▽▽▽▽▽
「勝った!」
俺はそのまま大の字に寝転んだ。
ジャンル別日間ランキングにて48位になってました!
これもブックマークや評価をしていただいた皆さんのおかげです!
それにしても戦闘は難しい。




