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珠妃祭2

「今日はいよいよ珠妃祭だな。」

「ちゃんと開会式を見に来てよお兄ちゃん。」


「あーわかっているよ。」


というわけで、いよいよ学園祭当日である。

無事にぼくらの担当した、入場ゲートも無事に完成し、珠妃祭実行委員の関係上クラスの出し物には参加していないので、実は当日は暇である。


ただ荻原貴久江さんから、クラスの出し物を見に来てねと言われているので、清美達のクラスの発表は見に行く予定である。

ちなみに内容は真面目な研究発表で、クラスの各生徒が卒業した小学校の比較という内容だったりします。

清美のクラスと行っても、清美は珠妃の仕事が忙しいので、おそらくクラスには居ないのですが。


さて、開会式の為、珠妃ホールに行きます。

実は珠妃としての衣装は内緒にされているので、ちょっとドキドキです。


「それでは、ただいまより、珠妃祭開会式を開催致します。」

清美の声がホールに響き、ステージの緞帳が上がる。


ステージ上の二人にスポットライトが当たります。


中学の珠姫の清美は白のワンピースを基調として、装飾を加えた衣装だ。

高校の珠姫の中城麗美(なかじょうれみ)さんは、赤色で大胆に胸元と背中の開いたパーティドレスである。


二人が開会の言葉を述べて、拍手が上がり、いよいよ珠姫祭がスタートする。


とりあえず校舎に移動します。

ホールから校舎に行く通路は若干混んでいて、学院に女子が多く、招待制の学園祭の為、通路上は女子比率が高く、なんだか良い香りがする。


校内を見て回りつつ、清美たちのクラスに辿り着いた。

すると、文化祭を見に来た保護者と思われる人が、僕の顔をみて驚いたような顔をしました。


なんだろう?


「あなたが、愛里がお兄さんと呼んでいる人ね…あらすいません、愛里の母です。」


!!突然の母親登場である。


「いきなりお兄さんと呼ばせてください、なんて言われて戸惑ったでしょう?」


話をまとめるとこんな感じである。


矢川愛里さんにはお兄さんが居たこと、兄を交通事故で亡くしていらい愛理さんは暗く、大人しく成ってしまっていた事…そして、実は僕とお兄さんがそっくりだったこと、そして、最近になり、非常に明るくなってきて、元の愛理さんに戻ってきたということだった。


そして、ご両親から頭を下げられて、戸惑います。

「いえ、頭を上げてください、僕は何もしていませんから」


ともかく、ご両親から愛理をよろしく頼みますと言われ、また今度家にもあそびにきてください、歓迎しますからと言われてしまった。


ともかく、愛理さんの事もこれからは妹と同じように大切にしていこうと思った…清美はヤキモチを焼いたりしそうだけど…。


その後、清美のクラスを見て、愛理さんに声を掛け、「お母さん達と何を話していたんですか?」と聞かれて、ちょっと誤魔化すのに苦労したり(小首を傾げる愛理さんが可愛かった)、途中でクラスの当番が終わった石村と合流して二人で回ったりして楽しんだ。


そして、珠妃祭が終了の時間を迎え、清美達の閉会の言葉でイベントは終了した。

今回はホールから直接でる出口から出て変える人も多いので、開会式の時に比べると、スムーズに出て行くことが出来る。

僕は、出演者通路に向かい、清美が出てくるのを待つ。


「あ、お兄ちゃん、待っててくれたんだ。」

「はじめまして、中条です。あなたが皆さんのお兄さんですのね。」


しばらくすると、二人が揃って出てきた。


「はじめまして…」


中城先輩を間近で見るのは初めてだが、非常に気品あふれるセクシーな雰囲気を持つ方だ。


「せっかくですから、(わたくし)もお兄様と呼ばせていただきますわね。」

「い、いや、流石に先輩からお兄様と言われるのはちょっと。」

「良いでは無いですか?、それとも(わたくし)のことはお嫌いですか?」

「そんなことはありませんよ(そもそも嫌いになれる程にはあなたの事知りませんし…と思ったがいうのはやめておく)、どうしてもと言うのであれば…」

「そう、それではよろしくお願いしますね、お兄様。」


ついに、年上の妹という謎の存在が出来てしまった。

ちなみに愛里さん以外の妹にはそこまで深い背景はありません。


2015/6/14 文章校正実

2015/7/1 一部表現修正

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