新生活の始まり
新規連載開始、結構お約束的なラブコメ展開に成る予定です。
「お兄ちゃん早くしないと遅刻しちゃうよ〜」
玄関から清美が呼ぶ声がする。
僕は慌ててカバンを持ち部屋から出る。
「今日からまた同じ学校だね♪」
そう言いながら清美は腕に抱きついてくる。
これが大人の女性ならドキドキするのかもしれないが、兄の自分から見ても美人とはいえ、身長140cmの小柄で細目な清美相手だと特に何かがあたるという事は無い。
「あーいま何か失礼な事考えていたでしょう。」
清美が少し不満そうな声を上げる。
「いやそんなことは無いよ。」といいつつ、腕を解く。
「初日から変な噂が立ったらどうするんだ!」
「え〜別に良いじゃん。」
今日から僕は私立珠妃学園の高等部に、妹は中学校に入学するのだ。
先日まで僕は公立の中学校に通っていたし、妹は公立の小学校だったので、こうして一緒に登校するのは小学生依頼の3年振りである。
「小学生の時は集団登校だったから一緒に登校するの当たり前だったけれども、高校生に成って妹と一緒に登校するのはちょっと目立つんだよ、一緒に登校はしてやるから…」
「は〜い、わかってますよ」
そういって清美は腕を離す。
しばらく、二人で他愛もない話をして歩くと校舎が見えてきた、一緒に歩く生徒の数も増えてくる。
オーソドックスなセーラー服と、ブレザータイプの2種類の生徒が居るが、両方とも珠妃学園の生徒だ。
「しかし、思った以上に女子ばっかりだなー。」
珠妃学園は今年共学化されたばかりで、今年の新規に入る生徒も2/3は女子なので圧倒的に女性が多いのだ。そして共学化の際に制服をブレザータイプに変更したので、2種類の制服が混ざっている。
各学年の人数・男女比は下記の通りである。
高3:女300人
高2:女300人
高1:男50人女250人(中等部から女150人、新入学が男50,女100人)
中3:女150人
中2:女150人
中1:男50人女100人
合計:1350人中男性100名という構成である。
「浮気したらゆるさないからねお兄ちゃん」
「いや、浮気ってそもそもお前は妹であって、俺の彼女では無いからな…」
「相変わらずあついね、お二人さん」
同じ中学からの石村惠太が声を掛けてきた。
「清美ちゃん久しぶり、相変わらず仲良いね」
石村が左に並び、妹は少し後ろに下がった。このあたりは空気を読んでくれる妹である。
「仲良いというか何と言うか…とりあえずお前とは一緒のクラスに成れると良いな。」
いろいろと不安はあるが、何はともあれこれから新生活のスタートだ。
2015/06/14 誤字・表現修正
2015/07/01 誤字訂正