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「てめえの価値観で俺にどうこう言うな。

誰と生きようが人の勝手だろうが。

俺に踏み込むんじゃねぇ。」


本当にただの興味本位だった。

目の前にあるあの男の家に近寄ったことは、俺にとっても特に利益があるはず無いことは頭では理解していた。踏み込めばもう後戻りは出来ないだろうと。

だが俺は何かの衝動に捕らわれ彼の姿を追いかけて来た。



先日、彼の家に村人たちと共に押しかけた。あの恐れ多く、かつ勇ましい英雄の息子。

一度見てみたい。そしてあわよくばあの英雄に出会えたなら。

そんな好奇心が先走り、それが後々自分を追い詰めることになるとは思いもよらずに。

そして今、それは目の前の彼によって実現してしまったのだ。





世界では常に小さくも部族衝突は起きていた。しかし人族の中ではあの英雄達が一度現れて以来、その後人族の勝利が再び訪れることは無かった。徐々に人族のフィールドから村が消えていき、魔族・獣族の支配は着々と前進を見せていた。


そんな中あの噂が流れた。

村人はあの英雄を再び、という思いで最後の綱を求め彼を頼った。

しかし今では、彼は村人に非難され、忌々しい呼び名まで付けられている。

誰もが彼を頼りにしていたはずなのだが、彼の家に近づく者も彼の姿を追う者もいなくなった。


だが一人、彼の言葉を受けて不自然な感情を抱いた者がいた。何か秘めているような違和感。何故あそこまで村人を突き放すのか。

男は他の村人に黙って一人彼を追ったのだった。


だが彼の家の目の前までやって来た男は、さすがに中まで訪ねることは出来ず窓の外から覗き見ることが限界だった。


窓が薄く曇っていてはっきりとは見えない。

そこへ彼は姿を現した。しかしその彼の足元には存在してはならない者がそこにいた。

男の目には想像もしていなかった光景が映っているのだ。


それは黒く大きく、そして気高い存在。しかし人にあらず。

人々が恐れ、悲しみを産んだ存在。

男の目に映ったもの、それは彼の腰の高さまである大きさの獣族だった。


彼らの関係はペットと主人ではなく、まるで信頼しあっているように見える。

すると、いきなり獣族が耳を立て唸り始めこちらを振り向いた。

咄嗟のことだった。

目の前に小刀が突き刺さっている。

小さく声をあげ腰をついた男の前に、彼が立っている。


「おい、人の家を覗いて何をしに来た。 ここには2度と来るなと言ったはずだ。」


眉間に皺を寄せ、足元では獣族が俺を見下ろす。命を危険を感じながらも力の抜けた足はもう自分の力では立ちそうも無かった。

そして彼は俺に言ったのだった。


「死にたくなければここから立ち去れ。 もう忠告はしない。 次にここへ来たならお前は死ぬと思え。」


話の流れが前後して読みづらくてすいません。

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