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Fluff Stuff  作者: むあ
4/15

③気づけばそこは、真っ白な世界








「ん……?ここ、は?」







 気づくと、痛くもなにもない身体は、どこかで寝かされているようだった。私が次に目をあけると、そこは真っ白な世界だった。




 天井もなければ床もない。だけど私は立っていた。

 目の前には白い翼を生やした……て、天使っっ!!!???





「やぁ、はじめまして」


 天使らしきものはふんわり微笑んで、恭しく私に向かってお辞儀した。

 想像とは少し違って、もう少し人間っぽいきさくな雰囲気がある。


「こ、こんにちは」


 天使がいるってことは、私は天国にいけるのか。なーんて現金なことを思っていたら。



「最初に、大変申し訳ありません」



 と、神様の使いは私に深々と頭を下げた。

 理由を聞けば、それはあまりにも、残酷な真実だった。





「えっっ!!!!?私が死んだのは」

「…」

「ほかの人の間違いだったって!!!!????」


 天使はこくりとうなずき、申し訳ない、と小さく呟いた。彼(性別はわからないけど)が言うにはこうだ。


 私はさっき、自動車のスリップ事故に巻き込まれて死んだ。けれど、それは実際、もっと早くの時間帯に起きるはずで、巻き込まれるのは、私とは赤の他人の、まったく違う人間であったという。


 それって、まだか、私は天命でもないのに死んだって、こと?


「本当に申し訳ありません」

「申し訳ない、じゃないって!!!!だって私、まだやりたいことたくさんあったのに…」


 しかもこいつ(天使)が言うには、私の寿命はまだ70年以上あったらしい!!!!!(そんなばかな)



 ……な、なんてこった。そんな馬鹿な……

 じゃあ私は、このまま70年の寿命をあきらめて、おとなしく死んでいろと?


「そうではありません!!!!」


 怒りをあらわにしている私に、天使はある提案をする。


「あなたの死については、現在天使の議会で検討中です。しかもその議会がきちんと結論を出さない限り…あなたは天国にも地獄にも行けないのです」



 えぇっっ!!!!????


「なので、」


 天使は続けた。


「あなたには…しばらく地上で違う姿となって、残りの現世での生活を楽しんでいただこうと思います」




 へ?




 楽し、む?




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