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Prologue
雪が降っていた
ずっと長い間、私はこの中にいるんだと思う
冷たい雪の上に寝転がるのが好きだ
私はいつもここにいて
誰かを、きっと待ってる
にゃー
飼い猫のシロが私の顔をあったかい舌でなめてくる。くすぐったい。
「あーあ」
起き上がって灰色の空を見る。
雪はいつしか雨に変わってしまった。
雪の中は好きだけど、雨は大嫌いだった。
しかたないから、雨宿りする場所を探そうと立ち上がった。
にゃー
そんな私を呼び止めるかのように、シロの鳴く声。
「シロ?」
にゃー
シロは突然どこかに走っていってしまう。まるで私についてきてほしいように、後ろを振り向くから、私はそんな愛猫に付いていった。
雨と雪が入り混じった中で。
【Fluff Stuff】