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婚活戦線異状あり 冬の陣  作者: 玲於奈
8/23

マックスやまびこ

なし

これしかない。

なぜかそう思った。


アルマーニ


本当に

久方ぶりで袖を通した


くだらないが

取っておいてよかった


漫画も買えず

質草にしようと何度思ったか


そして、

勝負の時は

サングラス。


あのサングラス。


自分にはこれしかないのだ。


駅前で待った


ちょっと見は


あちらのお方。


昔の通りだ。

自分で自分の姿を想像して

笑ってしまう。

その姿に

いつも見慣れない人物に

通勤客の動揺が走る。


スキンヘッドに対する

世間の対応に

改めて感心した。

世の中は変わってない。


そして、

音もなく

5分前に彼女はやってきた


はじめは誰だかわからなかった


しかし面影はあった


派手さはない

偽りのない姿

質素な服


そんな姿に思わず

偽る自分が

恥ずかしかった


おはようともごもご言った後、

切符代はと思って

券販売に向かおうかと思ったのに


いきなり改札に

向かう那緒さん

見れば

私の分まで買っている


お礼も言いそびれて

黙って

エスカレーターで

ホームに向かう


彼女は何も話さなかった


お盆の過ぎた

平日の

マックスは

想像以上にがら空きだった

本当に

すいていた


車両は1階だったが

壁の境界ぎりぎりに

見える首都圏を

見ながら


久方ぶりの

都会に自分でも

びっくりするくらいに

興奮した


窓の光景ばかり氣になって

なにもしゃべれなかった


山頂と一緒だった


那緒さんは

疲れたように眠っている


その

無意味に

つかれた表情から

なぜか小学生の時に

15参りで行った

菩薩のお寺を思い出した


2時間もかからずに

東京についた


しばらくして

上野へもぐった

暗いトンネルの

蛍光灯を見ながら

これからどうなるのか

窓に映る自分の顔を

みながら

あせった


しばらくして

自分にとっては

久方ぶりの

東京駅に

車両は

滑り込んだ


























なし

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