6/23
鳴らない携帯
なし
東福寺
雑誌の写真がよみがえる
本も返さないといけない
東福寺は
行ったことも
食ったこともないが
なんとなくおいしそうな氣がした
・・・・
おかげかもしれない
何かに取り憑かれたように
掃除をした
昼に家に戻って
ご飯を食べた
何も言わないが
誰かとご飯を食べたのは
久しぶり
母親は能面の様な顔だった
父親は
ご飯の途中で
タバコを買いに出かけた
昼は親子丼だった。
午後は
駅前
そう決めていた
一度始めたら
最後まで
大きな石も
動かし始めたら
うごきはじめたら
あとは惰性でうごく
いくつもの
枯れた花々
プランターが氣になった
人権団体
観光協会
そして
商店街
異なる管轄
自分にとっては
管轄外
しかし
無言でタイルを磨く
2階の4畳半から
寝転がってみた
入道雲
そして
お袋の昼のメロドラマ
日常なのだ
そして
私は
一歩を踏みだした
日常
さあ
側溝にとりかかろう
そう思った矢先
携帯が鳴った
誰からも必要とされない電話
久しく鳴らない電話
自分のものなのに
びっくりした
登録されていない
番号
びびりながら
思いきって
電話に出た
「私と一緒に東京に出てほしいの」
どこかで
聞いた声
誰だろう
なし