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サマーキャンプ後の鬱氣
なし
短信の1年前・・・
サマーキャンプ直後
蝉がやかましく鳴いている
クーラーもなく
扇風機がまわっていても
役にたたないくらい
西日がひどくさしこむ
ちらかった部屋
とにかく
氣持ちが滅入っていた。
千 利休にあてられたところもあった
かもしれない。
なにもする氣もなく
自室の4畳半
畳部屋に寝転がり
全開で開け放れた窓から
毎日呆然と
遙かな
青い山々に
湧き上がる入道雲を見ていた
雲がどんどん大きくなる
その様子は
人々に勇氣を与えるのだろう
しかし私は何も感じない
夕方になり
入道雲が発達しつくし
黄金色に雲が変化し
そして
雷が鳴り始め
急に暗くなって
雨になる
毎日のことだが
その時は
なぜかわからないが
心が躍った
雨がバケツをひっくりかえしたように
降り
放心したように
しばらく
ぼろ屋根に打ち付ける
激しい雨音を聞く
やがて
遠くに雷鳴が去っていくと
立ち上がり
部屋の電氣をつけた
ぶつかった
足元に
その本はあった
なし