表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚活戦線異状あり 冬の陣  作者: 玲於奈
13/23

北への逃避行

なし

タワーからの

オートジャイロ。


アニメの見過ぎか

でも自分では

その氣分。まさにあの音楽だった。


外に出て

見覚えのあるところだと

思ったら

体が勝手に反応した。


犯罪者の様に

細かい路地をたくみに抜け

息せききって

思わず走りやめたところは

あの

佃大橋だった。


渡りながら氣づいたのは

あのまままっすぐ勝どき橋へと

つっこんでいたら

昔の習い、

もんじゃストリートに

突入するところ・・


自分にあっぱれ

新人研修の土地勘が役に立った


しかし、敵もさるもの

財力にあかせて

今頃は・・・

追われる身。逃亡者。


私の身元もすでに割れているやもしれない

そんな危機感におびえながらも

息せき切った

心では、あれだけの

ボスキャラを相手にあっぱれ。


自分で自分をほめてあげたい。


そんな高揚感でいっぱいだった。


しかし、

果たして

無事に生きて祖国を踏めるのか

その想いがよぎる


犯罪者

逃亡者。そして、北への逃避行。

失意、転落、北の海に・・

お氣まりのパターン。


そして、そんな心中に関係なく

今日も真っ赤な太陽が

昇る。

まだ6時というのに

もう蝉はわんわん鳴いている


なんのことはない

いつもの日常

まったくもって変わらない

今日も、1日に二度しかない

毎度の駅前の枯れ山のにぎわい


本当に、本当にまったくもって残念だが

日常なのだ。


雑魚はヒットしなかったのか

それとも

想定外の人物か


東京駅での張り込み、取り押さえを想定

用心し

上野駅の長い下りエスカレーターを

ややうつむき加減で足ばやに地下に潜り


ミッションインごとく

いつでも

銀色の路側帯を

滑り降りるイメージし

背後からの危機にそなえた


乗車の新幹線でも

たくみに自由席の場所を移動

その様子はまさに不審者


車掌はさぞかし迷惑だったに違いない


そして一夜明け今、私はここにいる

片手にほうきを持ち

朝日を眺める


眼下には荒涼とした光景。

なぜなら

あれだけ、頑張った作業も

数日でこのありさま


しかたなく

もう一度

なめるように竹箒でゴミや砂をとる


そのありさまは、

砂上の楼閣のよう。


ただただ、黙って取り除いた。


なし

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ