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6/11

さらに@6

銀座七丁目、

中央通り一本入った

外資高級ホテルも入っているオシャレなビルの一角



そして1階エントランスに

一際大きな

フカヒレのオブジェを横目に

エレベーターにのり


地下3階へつく

エレベーターのドアが開くと


フロントのカウンターから

男性と女性のスタッフが笑顔で

出迎えてくれる





「……待て』だと警告している。……ここは?いまままで嗅いだことのないレベルのめちゃくちゃ美味しそうな匂いが。罠か?」


ララァ「ただの高級中華『極紫樓ごくしろう』だにゃん。びびってないで歩くにゃん。……ほら、そのままの挙動不審な顔してて。『絶望する底辺男子』ってタグで動画回すよ!?w」




ラサ「静かにしなさい。……、アホ全開の行動見てるだけで私達の価値が暴落しそうだわ」



ミーネ「……ホントちゃんとして。……それより、見て。このエントランス同様に鎮座する巨大なフカヒレを。これこそが、今夜私たちがいただく『美』そのものよ」


スタッフに個室を希望した


 案内された個室は、外界の喧騒を遮断している。


ミーネ「私は名物の姿煮を。……これ、コラーゲンが『導入美容液』並みに浸透するから。明日の肌の水分量、カンスト確定ね」


 ミーネの瞳に宿るのは、劣化への恐怖を塗りつぶすための、執着に近い美学。


ララァ「さあ、来たにゃん! 本日のメインディッシュ、琥珀色の宝石箱だにゃん!」


 運ばれてきた土鍋。グツグツと煮え立つ音が、個室に食欲のファンファーレを鳴らす。

 蓋が開いた瞬間、鶏出汁と醤油の濃厚な香りが爆発し、個室は「黄金の匂い」に包まれた。


「……ッ!!」

「……ふにゃあああああああああ!!?」


 三姉妹が、同時に声を漏らした。


ミーネ「んんんっ! このとろみ……! 舌の上で『あらゆる旨み』が爆発したような、圧倒的なオーバーキル感だわ……っ!」


ラサ「……はぁ……っ! 濃厚すぎて、脳内の幸福ホルモンがインフレを起こしてる……。これは、食べる美の具現化だわ……っ!」


「んんんんんんっっっ!!!!」


 そして

3姉妹と一緒にきた人族の咆哮が、防音完備の壁を震わせた


「なん……だ……これは……っ! 繊維の一つ一つが、俺の絶望を黄金の希望に書き換えていくぞ……!! 宇宙の果てとドブ川ほどの差があるッ!!」


 (――前世、泥水をすすりながら魔王軍の襲撃を待っていたあの夜の自分に教えてやりたい。世界には、こんなにも温かくて、慈愛に満ちた黄金の液体が存在することを……!)


ララァ「ちょw 、声出しすぎw 個室とはw哀れすぎるw」


ツッコミにも気にせず

「感謝するッ! この地の神よ! そして、俺を拾った三人の女神よ!!」


ラサ「……っ!? ……め、女神だと!? は!?お前、何を……くそ女神と一緒にすな」


 ラサの頭上の角が、体温の上昇に呼応するように淡いピンク色に一瞬発光した




 勇者は、彼女たちの「サキュバスとして不快」に気づく様子もない。

 ただ、涙を流しながら、琥珀色のスープを聖水のように吸い上げていた。


「俺は今、このヒレのために、世界の半分を敵に回す覚悟ができたぞ!! おお、サメよ! 俺を導けえええええええ!!」


「「「…………(スンッ)」」」



ララァ「……やっぱり無理だにゃん。執着が怖すぎて、今夜の『ホラー大賞』確定だにゃんw」


ラサ「……とりあえず、その鼻水拭きなさい。……女神だなんて、もっと讃えかたあるだろうに」


「(スープを一滴残らず吸い上げ)……明日から……俺は……この『ふかひれ』を毎日、いや朝昼晩食べたい」


 三姉妹は確信した。

 この男拾うの間違えたな――救いようのないアホだ。

安易に拾うものでないな


先日の金持ってるアホにしようかな


 そして、そのアホさ加減に

美味しさも半減した3姉妹だった


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