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スイートの夜と、サキュバス@3



「――ねぇ、マジでぴえん通り越してパオンなんだけど。私のステータス、これバグってない?」


銀座を見下ろす超高級ホテルのスィートルーム



先ほどまでラーメンの脂にまみれていた三姉妹は、人族の男から強奪したブラックカードという名の「無尽蔵のMP」を駆使した


室内を支配しているのは優雅な静寂ではない。最新のiPhone 15 Pro Maxから放たれるブルーライトと、三姉妹による血で血を洗うマウント合戦


「ステータス反省会」の火蓋が切られたのだ。


---


## ―― STATUS CHECK:LASA ――


【称号】ザギン大陸の審判 / 拝金主義の聖母

【職業】支配型サキュバス(Lv.1 / 元Lv.999)

【属性】イエベ春 / 骨格ストレート

【VP(注目度)】1,500 / 99,999


【MP】 100/99,999


【アクティブスキル】

・ハイ・ビュー・査定:対象の全資産と「見栄」を数値化し、最短ルートでテイムする。

・名のない静寂:周囲の喧騒を消し、1VS1の心理戦(商談)へ強制移行させる。


【パッシブスキル】

・完璧な欠落:どんな状況でも「諦念」を纏うことで、精神干渉を100%無効化する。

・ストレートの品格:ダサい衣装を纏っていても、立ち姿だけで育ちの良さを偽装する。


---


「……やれやれ。私、ザギン大陸では『審判』とか呼ばれて、数百万の騎士団を指先ひとつで跪かせていたのよ? なのに何これ。というか人族的にイエベ春? 骨格ストレート? 」


長女ラサが、クリスタルのグラスに入ったシャンパを揺らしながら、自嘲気味に吐き捨てる。


「お姉様、ウケるにゃん」


三女ララァが、ベッドの上で最新の高級美容パックをしながら、猫耳スマホを高速フリックする。


「見てにゃん。ララァのステータスは、お姉様よりずっと『今』をハックしてるにゃん!」


---


## ―― STATUS CHECK:LALA ――


【称号】爆速の地雷 / SNSの魔女

【職業】情強サキュバス(Lv.1 / 元Lv.777)

【属性】イエベ秋 / 骨格ウェーブ

【VP(注目度)】5,000 / 77,777(※SNSのインプレッション数)

【MP】 100/99,999


---


「VPが5,000……? ララァ、貴女、何をしたのよ。」


「インスタに上げて、男の首にネクタイ巻きつけてる写真をストーリーズに流しただけにゃん。フォロワーが微増したにゃん! 現代の人族は、こういう『毒のある可愛さ』に魔力を搾り取られるのが大好きだにゃん!」


ララァは得意げにVサインを作るが、顔を歪めた。




「……!?ミーネ!?。貴女、さっきから黙って何を見てるの?」


ラサは冷淡に返し、視線を部屋の隅へ向ける。

そこには、窓ガラスに映る自分を無言で見つめる次女ミーネがいた。


---


## ―― STATUS CHECK:MINE ――


【称号】暴虐の戦乙女 / ガードレール・ブレイカー

【職業】重戦士サキュバス(Lv.1 / 元Lv.888)

【属性】ブルベ冬 / 骨格ナチュラル

【VP(注目度)】800 / 88,888

【MP】100/99,999


---



ミーネが、重低音の響く声で応える。


「私の人族的にはブルベ冬!?」


「ミーネお姉様だけブルベ見たいね 」


「とりあえず、いい? 私たちの目標は、かつての魔力を取り戻し、この街の聖女の結界をぶち壊すことよ。……ララァ、貴女の『アルゴリズム・ダイブ』で、この街で最も『承認欲求』を拗らせた富裕層が集まる場所を特定しなさい。今の私たちには、良質な『見栄』『精気』『色欲』『強欲』のエネルギーが必要なの。タイパよく魔力を稼ぐわよ」


「もう済んでるにゃん、お姉様。明日の夜、銀座8丁目の夜に最高級ラウンジか自称『聖女サオリ』が主催する、招待制のナイトパーティーがあるにゃん。ドレスコードは『スマートエレガンス』。私たちの美貌なら、呼吸するだけで会場の魔力を更地にできるにゃん。これぞ多幸感の暴力だにゃん!」


「サオリ……」


ラサの瞳に、銀色の殺意が宿る。


「かつてザギン大陸で、私たちがもう少しで食い殺せるところだった、あの偽善者の末裔ね。……いいわ。」


「了解だにゃん! 世界を『ぴえん』と言わせて、魔力を根こそぎ回収してやるにゃん!」


ラサはシャンパンを飲み干し、不敵に笑った。


「とりま、明日は銀座の『聖域』を、私たちの欲望で塗り替えてあげるわ。……あ、ララァ。ホテルのスパに予約を入れておきなさい。……『ブルベ冬』の透明感を取り戻さないと、ミーネの戦力が削がれるから。……あと、私もパック。イエベ春の多幸感を最大化するやつをマシマシでね」


「……恩に着る」


銀座の夜空に、最強の三姉妹の笑い声が響く。

ターゲットは、全人類の『承認欲求』と、限度額なしのクレジットカード。

欲望の街のハックは、まだ序章に過ぎなかった。


【情報強者:ニュー・レジェンド LV10(覚醒)】

目標設定:銀座・富裕層限定ナイトパーティー。

推奨装備:パーソナルカラー適合率100%の最強ドレス。



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