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強欲の三姉妹と、枯渇する人族の聖域@2

前回は

胃袋に叩き込んだのは、ニンニクと脂という名の暴力。



銀座の結界によって枯渇しかけた魔族三姉妹の回路は、◯◯系ラーメンという劇薬によって再起動を遂げた。


しかし、最強の肉体を取り戻した彼女たちが次に直面したのは、物理的な破壊では突破できない、現代社会の冷酷なルール――「情報」と「資本カネ」の壁。


「この街で存在を認めさせるには、魔力よりも『端末』と『パトロン』が必要だにゃん」


最新スキル【情報強者】の導きに従い、飢えた魔女たちはネクタイを揺らす「獲物」の背中に視線を定める。

誇り高き魔族の矜持をニンニクの香りと共に一旦脇へ置き、彼女たちは甘美な微笑みを浮かべた。


「さあ、人族よ。そのカードの限度額、妾たちのために使い果たしなさい」


欲望の街・銀座を舞台にした、三姉妹による徹底的な「ハック」が、今幕を開ける。

ラーメン『オホホロ』を後にした



魔力も戻り、三姉妹の肌は真珠のような輝きを取り戻していた。


魔力の放出を抑え魔装をとく




そこへ、先ほどの財布の紐も理性もガバガバになった「先頭の男」が、ふらふらと追いかけてくる。


「あ、あの! 良かったら、ライン……交換しませんか?」


「ライン?」

長女ラサが、銀髪をかき上げながら冷たく問い返す。


【情報強者:ニュー・レジェンド LV2】

解説:通信機器に入ってるサービスのひとつ。日本では多くの人が活用。


「気安く声をかけるでない……ラインなどあるか!」


ラサの言葉は、三女ララァの精神干渉「マナー上書き」によって、男の脳内では『スマホが壊れて困っている可憐な家出令嬢がスマホ欲しいかんじ』に変換された。


「そ、そうだったんですか! すぐそこにある『◯ック◯メラ』へ行きましょう! 最高の端末と、無制限の契約を僕が用意します!」


男の鼻の穴が膨らむ。ララァが男の袖をツンと引いた。

「本当だにゃん? 通信ができないと、寂しくて死んじゃうにゃん……ぴえんだにゃん」

「ぴ、ぴえん! 死なせませんとも! 1TBモデルを三台、シムも買いましょう!ほかにもなんなりと」


---


数時間後。銀座中央通りを歩く三人の姿は、一変していた。

手には最新のデバイス。耳にも最新のBluetoothイヤフォン。そして、男のブラックやプラチナのクレジットカード、次々と魔法(決済)を放つ。


「見てお姉様、この『シャネ◯』とかいうブランド、お上品だけど私の魔力に耐えられそうだにゃん!」

「……悪くないわね。この『ルブタ◯』という靴の尖り具合。これなら人族の眉間を貫くのも容易そうだわ」


次女ミーネが無機質な声で評し、男が差し出す紙袋を次々と受け取っていく。男の顔色はすでに土気色だが、その瞳には奇妙な恍惚感が浮かんでいた。


「お姉様、またお腹が空いたにゃん……。さっきの『暴力』も良かったけど、次はもっとこう、貴族的な魔力が欲しいにゃん」


「ええ、そうね」

ラサは、もはや呼吸困難になりかけている男のネクタイを、古い手紙を整理するように指先で弄んだ。

「次は、あそこの時計塔の近くにある、空中に浮かぶ庭園のようなでアフタヌーン』という名の供物を受けたいわ」


「あ、あそこは予約が……。いや、僕が土下座してでも席を作ります!」


---


DIO◯カフェラウンジ。


三段重ねのティースタンドが運ばれてくると、ララァが目を輝かせた。


「これだにゃん! この宝石みたいなスコーン! まるで魔力の結晶だにゃん!」

「……ふん。見た目ばかりで、ニンニクのような破壊力が足りないのではないか?」


ミーネが疑わしげに一口噛み締める。その瞬間、彼女の背筋がピンと伸びた。

「……っ! 洗練された砂糖とバターの芳香……。これが、この街の『静かなる蹂躙』か。美味しい……」


「ふふ、美味いな。……さて、人族よ」

ラサが、もはや魂が抜けかかっている男の耳元で囁く。

「このまま夜の街へ放り出すつもり? 妾たちが安らげる、最も高い場所にある『宿』を用意なさい」


「ひ、ひいぃ……。も、もちろんです……。ちょうど上限額ギリギリですが……幸せだ……」


---


銀座を見下ろす超高級ホテルの最上階。

ふかふかのベッドにダイブしたララァが、手に入れたばかりのスマホを操作する。


「お姉様、この『インスタ』ってやつに、私たちの自撮りを上げるにゃん。フォロワー=信者だにゃん! 世界中から魔力を吸い上げるシステムだにゃん!」


「いいわね。……ところで、さっきの男はどうしたの?」

「ロビーで『全部出し切った……』って言いながら、白い灰になってたにゃん」


【情報強者:ニュー・レジェンド LV5】

拠点:銀座五つ星ホテルを確保。

装備:全身ハイブランド。

通信:5G接続完了。

警告:人族の財布が物理的に死滅しました。


ラサはルームサービスのメニューを開き、不敵に笑った。

「さあ、ここを根城に、この街を……いえ、世界を喰らい尽くすわよ。……まずは、この『キャビアの全部盛り』からね」



最後までお読みいただき、ありがとうございます

銀座の富裕層を独自の理屈でテイムし

服装も宿も確保


彼女たちのシニカルで欲にまみれたストーリー



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