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ドラゴン・リヴァイバル〜伝説の代償  作者: nekorovin2501


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第2話:ギルドの門と、氷の視線

街の喧騒が耳に届く。

石畳の道は馬車の轍で抉れ、商人たちの呼び声が響き渡る。焦げ臭い記憶がまだ鼻腔に残る中、俺はギルドの重厚な扉を押し開けた。

中は意外に静かだった。

木のカウンターの向こうで、受付の女性が穏やかに微笑む。

「ようこそ、竜狩りギルドへ。新入りさんですね? 登録をお願いします」

彼女の言葉に、俺はステータス画面を呼び出す。

【リオン / レベル1 / 職業:なし / スキル:なし】

情けない数字の羅列。村の鉄剣を腰に差しただけの俺は、ただの雑魚だ。

「これから……ドラゴンスレイヤーになりたいんです」

言葉を絞り出すと、女性は優しく頷いた。

「素晴らしい志です。まずは登録料として銀貨5枚。それから、初心者向けのクエストから始めましょう」

登録を済ませ、俺はギルド内の掲示板に目を向けた。

依頼は山ほど貼られている。

【小型火竜の痕跡調査】

【村近郊の狼群退治】

【薬草採取】

どれも俺の腕じゃ死にに行くようなものばかりだ。

「新人にはこれがおすすめですよ」

受付の女性が指差したのは、【火竜の巣窟調査:危険度E】。

報酬は銅貨30枚。失敗してもペナルティなし。

「これで、竜の痕跡を探す経験が積めます。パーティを組むのもいいですよ」

パーティ……か。

一人で突っ込むつもりだったが、村を焼いたあのフレイムウィングを倒すには、仲間が必要かもしれない。

「誰か……おすすめは?」

女性が微笑む。

「ちょうどいい人がいますよ。あそこに」

視線の先。

ギルドの隅、窓辺に立つ一人の少女。

長い銀髪が陽光を反射し、青みがかった瞳が氷のように冷たい。

エルフだ。

細身のローブの下に、杖を携えている。

彼女は俺の視線に気づくと、ゆっくりとこちらへ歩み寄ってきた。

「あなたが……新入り?」

声は澄んでいて、どこか遠い。

「エラ・シルヴァニア。魔法使いです。……竜の調査に興味があるんですか?」

俺は頷く。

「村を焼かれた。復讐したい」

ストレートに言うと、エラの瞳がわずかに揺れた。

「……そう。なら、一緒に行きましょう。

私も、古龍の痕跡を探しています。

先駆者たちが狩り尽くしたはずのものが、なぜ今も増えているのか……」

彼女の言葉に、俺の胸がざわついた。

先駆者。伝説の四天王。

ガルドの槍、セレナの氷……。

その名を口にするだけで、村の長老の話が蘇る。

「増えている……?」

エラは静かに頷く。

「ええ。竜は、賢いんです。

トップの古龍が『影に潜め、時を待て』と命じたなら……子孫は増え続けます」

その言葉が、俺の決意をさらに固くした。

「じゃあ……組もう」

俺は手を差し出す。

エラは一瞬迷ったように見えたが、細い指を重ねた。

「よろしく、リオン」

こうして、俺たちのパーティは始まった。

まだ二人だけ。

でも、これが最初の一歩だ。

クエストを受注し、俺たちは街を出た。

森の入り口。

木々の間から、熱い風が吹き抜ける。

エラが杖を構える。

「痕跡探知……【氷の視界】」

彼女の周囲に淡い青い光が広がる。

地面に残る黒い焦げ跡、折れた木の枝、熱で溶けた土。

「ここから……火竜の通り道です」

俺は鉄剣を握りしめる。

心臓が早鐘のように鳴る。

「来るぞ」

森の奥から、低い咆哮。

赤黒い鱗が木々の隙間から覗く。

小型火竜――フレイムウィングの幼体か?

でも、目が違う。

村を焼いたあの竜と同じ、復讐の炎を宿した瞳。

エラが呟く。

「弱点は喉と翼の付け根。

私が凍らせて、あなたが斬って」

俺は頷き、剣を構える。

竜が飛びかかる。

熱風が頰を焼く。

「今だ!」

エラの魔法が炸裂する。

【氷結の鎖】

青い鎖が竜の翼を絡め、動きを止める。

俺は地面を蹴り、飛び込む。

剣を振り上げ、喉元に叩きつける。

ガキン!

鱗が弾ける音。

血が噴き出す。

竜が苦悶の咆哮を上げ、倒れる。

息が荒い。

初めての勝利。

でも、喜びより先に、寒気が走った。

倒れた竜の体から、赤黒い霧が立ち上る。

エラの顔が青ざめる。

「……これは……竜血の呪い?」

霧が俺たちを包む。

視界が歪む。

そして、遠くから聞こえる……

もう一頭の咆哮。

「まだ……いる?」

エラが杖を握り直す。

「これは……ただの調査じゃ済まないかも」

俺は剣を握りしめ、笑った。

「いいさ。

これで……本当の始まりだ」

(次回予告:三番目の仲間、薬師の少女ミアとの出会い。

そして、伝説の遺産が少しずつ明らかになる……!?)

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