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エピローグ(第3部)

アインシュビッツ巨石群、中心にある巨大魔法陣。

その真ん中には2人の針がそれぞれの時を刻んでいる。

そして、その魔法陣の中に彼らはいた。

沸き上がる光の粒子。

視界を白く塗り替えるほどの光量であるものの、不思議と仲間の姿は確認できていた。

まるで目ではなく、何か別の受容器から情報を得ているような感覚である。


そして現在もっとも中心にいて魔法陣を制御しているのはグローリア。

起動自体はほとんど自動オートマチックのようだが、

始動鍵を口にしない限りは不安定な状態が続くため簡単な調整が必要だったらしい。

今の彼女なら口笛吹きながらでもできるようなもので、

実際彼女は調整をしながら始動鍵を検索しているところだった。


始動鍵を解析できたリティは現在エルダムと交戦中。

来るまで待つが、万が一ということもある。

魔法陣を発動する直前までもっていって、同時に解析をかけ始動鍵を解析する。

それがウィナ達の対策であった。


まぶたを降ろしただ待つ。

魔法陣の中にいるせいか【領域探査】は利かない。

誰もが彼女を信じて待つ。


そして――

「いや遅れましたー」

といつも通り脳天気なことを言いつつリティは現れた。

グローリアはほっとした表情を見せる。

「ごめんねー、グロちゃん。

あとはわたしがやるよ」

そういい、魔法陣の制御をグローリアから委譲し、

「準備はいいですか?じゃあ、行きますよー」




「始動鍵、展開。

始動言語唱和――【未来はすでに失われている。それでも未来を得るために足掻こうとするのは愚者なのか?】」

「!!」

誰もが驚かない。

聞いたことのない言葉だからだ。

ただ、ウィナだけはその言葉を、

あまりに聞き慣れた、そして懐かしい言葉を理解できた。


疑問を口にする間もなく、今度こそ視界をゼロにする光量が辺りを満たし――

意識を手放した。








「っく……戻ったのか……?」

口の中に砂が入る。

意識を失っていたのは覚えている。

どれだけ時間が経ったのかはわからないが、

ゆっくりと立ち上がり周りを見れば、全員が倒れ――いや、

「2人足りない」

魔法陣の中にいたはずの2人がいない。

セシリアの忘れ形見、ミーディと、ヘラ2人の姿がない。

だが、ウィナはそれほど驚いてはいなかった。

予想していたといっていいかもしれない。

もしも、彼女達を現在に連れてきてしまえば、ここにすでにいる2人はどうなるのかという疑問があったからだ。

それゆえにどこからか妨害があると踏んでいたのだが、

「リティ、だろうな」

魔法陣の始動言語を口にするとき、わざわざグローリアから制御を奪い、あの始動言語を口にした。

あの始動言語――日本語を。


倒れている中にリティはいる。

随分とぐっすりと眠っているようで、口を大きく開けてよだれをたらしているなど年頃の少女としては

どうなのだろうとツッコミはあるが。

肩をすくめ、空を眺める。

「…………なんだ、あれは」

空の景観を壊すようなものが存在していた。

それは塔。

頂上が見えないほど高い塔がウィナの視界の先にあった。

間違い無く過去に行く前にはなかったはずだ。

周囲を見渡せば、同じような塔が合わせて6つ。

明らかに何かの鍵として建造されたものと考えられる。

「6だとすると、六芒星か……。または別の用途か……。」

意識がはっきりするにつれて、今の状況と、現在の時間が気になる。

果たして自分達が過去にいっていた間に、どれくらい経ったのだろうか。


じゃり。

砂を踏む音が聴覚を刺激する。

【領域探査】発動――。


該当1人。

視覚内に入ったのは女性。

緑色の髪が特徴のある女性だった――。


見覚えがある彼女に、ウィナは声をかけた。

「まさか、こんな再会をするとはな、シャクティ」

「ええ、残念ですわ。ウィナ・ルーシュ」


シャクティ・ルフラン。

かつて帝国で知り合い、自身が牢屋に入ることになった因となる情報屋の女性であった。








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