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譲れない想い
「い、今なんて言ったの?」
「…………雅夜のことが好きって言ったのよっ!!…………なんで?なんで雅夜は、あなたを選んだのっ?」
「それは…………、雅夜が私のことを好きだからに決まってるじゃない。」
「ウソだっ!」
「嘘なんかじゃないよ。」
「ウソだっ、ウソだっ。雅夜は昔、私と結婚するって約束してくれたんだから。」
あれは私が小学3年生のときだった。
「俺、ひかりちゃんと結婚するっ。」
「私と?なんで?」
「ひかりちゃん、優しいもん。俺、絶対に結婚するよ。」
「雅夜君……、約束だよ。」
「うん。約束だよ。」
だけど、雅夜は小学4年生になるときに転校した。
「雅夜が転校してから、私はずっと雅夜のことが忘れられなかった…………。この気持ちがあなたに分かる!?」
「………………。」
「分かるわけがないわよねっ!?雅夜のことを、ずっと忘れられなかった。やっと雅夜に会えたのに…………。それなのに雅夜はあなたと付き合ってるのよっ!私は、こんなにも雅夜のことが好きなのに…………。それなのになんで……。」
「ひかり…………。」
「……まっ、雅夜!?!?」